中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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相変わらずキツイ残暑の丹沢:塔ノ岳(今年18回目)

2015年09月13日 04時16分38秒 | 丹沢の山旅

                             <見晴茶屋のススキ>

     相変わらずキツイ残暑の丹沢:塔ノ岳(今年18回目)
            (リハビリ登山)
     2015年9月12日(土)   晴(山はガス)

<登山地図>


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■東京で地震
 一週間ぶりの丹沢塔ノ岳リハビリ登山である.
 2日前の集中豪雨の後,久々の好天気である.私は1週間ぶりに塔ノ岳へ出掛けようと思う.こう遊びほうけていたら,集中豪雨の被災者には申し訳ない気分もするが…
 何時ものように,4時10分に家を出発する.外はまだ真っ暗.東の空には明けの明星とカシオペアがピカピカ光っている.素晴らしい星空を見上げながら,我が家から約2キロメートルの山下りをして大船駅に到着する.
 小田原駅で小田急線5時57分発電車に乗り換える.電車の座席に座った途端に,
 「…只今,東京に地震がありました.状況を確かめるため,この電車は,暫く,停車します…」
というアナウンスがある.
 かなり大きな地震だったようである,ビックリ.でも東海道線の電車に乗っていたために,地震があったことには全く気がつかなかった.
 結局,電車は10分ほど遅れて小田原駅を発車した.

■久々の富士山と矢倉岳
 天気は上々.朝日を浴びた電車の影が,もうすぐ刈り取りが始まりそうな田んぼに写っている.今日は久々に富士山と矢倉岳が重なるのが見えそうである.私はカメラを抱えて,その瞬間を待つ.
 もちろん期待通りの写真が撮れた…が,晴れているのに,富士山が何となく霞んでいる.これは,多分,湿度がかなり高いんだろうと予想する.すると,ほどなく山に霧が掛かってしまうかな,登山中には富士山が見えなくなるかなと心配になる.


<小田急線車窓から富士山と矢倉岳を写す>

■大倉から登山開始
 小田急線下り電車も30分ほど遅延しているようである.そのため1番バスに乗車た登山着も何時もの土曜日より少なめである.乗り合わせた主な常連はKMさんとTGさんだけ.
 バスは7時02分に大倉に到着する.
 KMさんは早々に大倉から歩き出す・
 7時05分,TGさんに,
 「今日は,(私と)2人だけです.出掛けましょう…」
と声を掛けられる.
 「では…」
ということで,一緒に歩き出すが,毎日登山のTGさんと,リハビリ登山の私が一緒に歩くなど無理中の無理である.登山口を過ぎたところで,TGさんには先に行ってもらう.
 先日まで降り続いた雨水が残っていて,登山口から克董窯までの舗装道路に水が流れている.山ヒルが,この水で流されてくるかもしれないので,慎重に歩く.
 暫くの間は,TGさんの後ろ姿が見えている.

<山ヒルが流れてきそうな登山道>

■勢いよいススキに秋を感じる
 歩き始めてみると,ヤッパリ今日も身体が重い感じがする.わずか半年足らずの間,登山を自粛しただけなのに,体力の衰えは歴然としている.止むを得ないこととはいえ,体力の減退は寂しいし悲しい.もっとも,鎌倉のお散歩や,街道歩きをしているときには,体力が弱まっていることにはほとんど気がつかないが,登山は別物だと改めて思う.
 克董窯で舗装道路は終わりになる.ここから先の登山道はまだ濡れている.長雨のためか敷石の間の泥がすっかり洗い流されている.
 7時35分,観音茶屋を通過する.電車の中で予想していたとおり,もう,霧が出始めている.
私は身体のことを慮って,何時もに増して超慎重な足取りで登り続ける.眼下の霧の間に秦野の町が見えている.その先の相模湾は空との境目が分からないほどに霧の中である.
 茶屋前のススキの穂が勢いよく伸びている.このススキに秋が段々深まっているのを感じる(冒頭の写真).


<観音茶屋の前から相模湾方面を望む>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.例によって定点写真を撮る.さきほど大倉から一緒に歩き出したTGさんの後ろ姿は,もう全く見えなくなっている.
 ちょっとでも歩行速度を上げようとすると息が切れるので,とにかく,ゆっくり,ゆっくりペースで登り続ける.その間に何人もの若い登山客に追い抜かれる.追い抜かれても情けなくないのかと聞かれれば,情けないに決まっていると答えるしかない.

<見晴階段>

■緑陰の尾根道を駒止茶屋へ
 ようやく見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.ここも青息吐息で登り続ける.勿論,登山客に次々に追い越されながらである.
 8時25分,ようやく一本松を通過する.大倉を歩き出してから,既に1時間20分経過している.つい半年前の元気なときならば,駒止茶屋を通過して堀山の尾根道を歩いている時間である.
 一本松を通過して平坦な尾根道に入る.緑陰の尾根道をユックリ歩くのは実に気持ちが良いものである.
 途中で下山してくるKSさんとすれ違う.例により,
 「やあ,やあ…」
で握手.KSさんから勇気をもらう.
 駒止階段に差し掛かる.階段の下から急坂の階段を見上げるとため息が出る…が,一段,また一段を繰り返しながら,登り続ける.そして,8時42分に,やっと,駒止茶屋を通過する.
 大倉からの所要時間は1時間37分.半年前なら1時間10分程度で登っていたところである.残念だが仕方がない.
 駒止茶屋から堀山の尾根道に入る.辺りは濃い霧に覆われていて,見通しは皆無.
 例によって,晴れていれば富士山が良く見える場所で,見えない富士山の写真を撮る.写真を撮りながら,我ながら,
 ”バカじゃないの…”
と思っている.
 
<心地よい緑陰の尾根道>                                                    <堀山の尾根道で見えない富士山を撮る>

■小草平
 やがて小草平に近付く.
 小草平手前にちょっとした坂道があるが,この坂道が私には意外に辛い.うんこら,うんこら登って,9時05分にようやく小草平に到着する.
 何時追い越されたのか分からないが,堀山の家の前の腰掛けにKIさんが座っている.
 私のリハビリ登山の目的地は小草平だが,ここで終わるのはとても物足りない感じがする.そこで,小草平では休憩を取らずに,そのまま登り続ける.
 9時26分,下山してくるITさんとすれ違う.
 「…あいかわらずお元気ですね…」
と私に言う.
 私困惑.確かに一般的な同年代の方々に比較すれば元気かもしれないが,半年前の私に比較すると,体力の衰えは歴然としているからである.それでも,ITさんの一言が実に嬉しい.
 
<小草平>                                   <階段道が続く>

■萱場平
 小草平からが,いよいよ本学的な登山道である.私は,
 ”…とにかく,今日は,萱場平までは登ろう…”
と決心している.従って,どんなにノロノロ登山でも途中で止める気は更々ない.牛歩ながら登り続ける.
 途中で,常連のMTさん,KIさん,TTさん達のグループに易々と追い抜かれる.KIさんが私を追い抜きざまに,
 「花立山荘まで登りなさいよ…」
と私に言う.
 そのKIさんの言葉を聞いた途端に,
 “そうだな…ちょっとしんどいけど,今日は花立山荘まで登って見るか…”
と思い始める.
 9時36分,ようやく萱場平に到着する.大倉からの所要時間は2時間31分.最盛期の私ならとっくに塔ノ岳山頂に到着している時間である.つい半年前でも,金冷シは通過している.たった数ヶ月の間に,これだけ体力が減退するとは,自分でも驚きである.
 …ま,それはともかく,今日のリハビリ登山の目的地は小草平だったので,とにもかくにも萱場平まで到着したんだから,多くは望まない,これで良しとしておこうと考えを切り替える.
 萱場平で,10分ほど給水休憩を取る.

<萱場平>

■シンドイ急坂と花立階段
 萱場平で下山しようか,それとももう少し登って見ようかで少々迷うが,折角だからもう少し登って見ようと決心する.
 9時47分,萱場平を出発する.坂道に差し掛かると,坂道から遠ざかっていた身体が,とにかくシンドイ.殆ど止まりそうな速度で,ジリジリと登り続ける.こんなシンドイ思いをしているのに,不思議に登るのを止めようという気持ちにはならない.
 10時07分,あともう少しで後七分坂(花立階段)というところで,カメラマンのMMさんが私に追い付く.MMさんが,
 「…10キログラムを背負ったときと,20キログラムを背負ったときとでは,(堪え方が)全然違いますよ.この頃,大きな段差がなかなか登れなくなりましたよ…」
というようなことを言いながら私を追い越して行く.
 10時10分,花立階段に到着する.
 一息入れてから,花立階段を登り始めるが,一段一段がとにかくシンドイ.途中で何回も何回も立ち止まりながら,ちょっとずつ登り続ける.
 後七分坂を3分の2ほど登ったところで,三角髭のTDさんが私に追い付く.ちょっと立ち話.その間,あまりにシンドイので,私は階段に座り込む.TDさんは,
 「後もう少しですよ…」
と私を励まして,追い抜いて行く.
 
<急勾配の山道が連続する>                     <花立階段を見上げてウンザリする>

■花立山荘
 10時25分,ようやく花立山荘に到着する.辺り一面にガスっている.折角ここまで登ったのに眺望はゼロ.まずは給水のためにベンチに腰を下ろす.
 後七分坂を,倍の15分も掛けて登ったことになる.
 ここで氷水を賞味したいなと思うが,ここで長居をすると,やる気が無くなるので.我慢する.
 大倉を歩き出してから,すでに3時間20分も経過している.元気なときは2時間ちょっとで登れたところである.事情が何であれ実に情けなくなる.また,小草平からの所要時間も1時間10分と飛んでもなく遅いラップである.元気なときは40分で登っていたところだ.実に30分も余計に掛かっていることになる.
 花立山荘脇のベンチに座っている山旅スクール6期のNJさんとバッタリ会う.

 
<花立山荘>                              <花立山へ向かう階段道>

■花立山までのシンドイ道
 10分ほど休憩を取っていると,疲労感が無くなっている.そうなると,このまま下山してしまうのが惜しくなる.
 10時35分,花立山荘を出発して,花立山に向かう.これは予定外のリハビリ登山としては少々やり過ぎの行動である.心の中でやり過ぎかなとちょっと反省しながら登り続ける.
 久々に登る花立山である.花立山の途中まで続く階段道がとにかくシンドイ.この階段道をノソノソと登り続ける.
 10時44分,下山してくるKMさんとすれ違う.立ち話.
 やがて,前方に花立山の山頂が見え始める.

<前方に花立山が見え始める>

■花立山山頂
 花立山山頂のすぐ手前で,下山してくるTGさんとすれ違う.
 10時54分,漸く花立山山頂に到着する.花立山荘から花立山までの所要時間は15分.これまでの私の標準時間は9分. 
 山頂から少し先の平地で,少々早めの昼食を摂る.私が昼食を摂っている間に,先ほど花立山荘でお会いしたNJさんが私の前を通過する.
 
<花立山山頂>

■堀山の家
 昼食を終えて,11時05分,もう少し先までと思って,水平な道を馬の背入口まで行く.ここからもう少しで金冷シである.もし金冷シまで行ってしまえば,塔ノ岳山頂までも後僅かということになる.それでは切りがなくなりリハビリ登山とは言えなくなる.
 私は勇気を振り絞って,ここから下山することにする.
 先ほどの花立山山頂,花立山荘を通過して,慎重に下山し続ける.
 萱場平の差し掛かる頃,KIさん,MTさん,TTさん達常連の一団が私を追い抜いていく.
 11時39分,萱場平を通過する.萱場平のベンチは相変わらず沢山の登山客で賑わっている.やがて,私が右膝のケガをした場所を通過する.ちょっとイヤな感じがする.
 11時59分,小草平まで辿り着く.相変わらずベンチには沢山の登山客が屯している.
 堀山の家に入る.女主人が愛想良く私を出迎える.
 「(編集長の)YKさんが中に居られますよ…」
 私は250円也のオレンジジュースを所望する.
 小屋の中でYKさんと雑談しながら,冷たいオレンジジュースで喉を潤す.
 私が到着する前に,TGさん,リハビリ中のImIさんが堀山の家に立ち寄ったとのこと.先ほど私を追い越したMIさんご一行は,堀山の家を通過したようである.
 先客のご常連から,タコとキュウリの酢漬けをご馳走になる,サッパリしていてなかなかの美味.
 「この写真,ブログに掲載して良いですか…」
 「…どうぞ,どうぞ,PRして下さい.」
ということで写したのが右下の写真である.
 私は,女主人に,10月に開催される神奈川美術協会会員展の開催案内を堀山の家の掲示板に貼りだしていただけるようお願いする.
 実は,まだ展示する絵が殆どできていないので,内心穏やかではない.一旦,掲示をお願いした以上,来られた方が落胆されないような絵を仕上げなければ…と,焦り出す.
 
<堀山の家にて>

■駒止茶屋と観音茶屋
 12時10分,堀山の家を出発する.
 12時28分,駒止茶屋を通過する.今日は土曜日だが,駒止茶屋は開いていない.
 駒止階段は,足に無理な荷重がかからないように2本ストックを使って,慎重に降りる.
 標高が下がるにつれて,だんだんと蒸し暑くなる.12時45分,ようやく一本松を通過する.
 続いて,見晴階段を慎重に降り続ける,すると後ろから人の気配を感じる.私は先に行ってもらおうと思って,下山速度をさらに落とすが,なかなか追い越してくれない.振り返ると,STさんである.
 13時丁度に見晴茶屋に到着する.STさんはここで昼食を摂るとのことなので,ここから先は私の一人旅である.
 13時12分,観音茶屋に到着する.
 ”13時38分のバスに間に合うかもしれないな…”
と思った私は,観音茶屋の女主に,
 「申し訳ありません,今日は寄らずに降ります…」
と挨拶して通過する.

■無事帰宅
 脚の具合を気にしながらも,急ぎ足で下山し続ける.そして,13時34分,何とかバス停大倉に到着する.
 すでにバスが到着している.靴を洗う暇もなくバスに飛び乗る.もっとも今日は泥道がなかったので,靴もそんなに汚れていないが…
 幸いなことにバスはそれほど混雑していないので,席に座れる.先ほど花立山ですれ違ったTGさんも同じバスに乗っている.
 渋沢発13時57分発小田原行急行電車に乗車する.たちまちの内に眠くなる.
 小田原で小田原始発上野東京ライン14時27分発電車に乗車する.4人掛けボックス席を一人で占領して,ゆっくりと大船駅へ.
 15時過ぎに無事帰宅.
 すぐにシャワーを浴びて,汗でベタベタの着衣を着替える.これでサッパリしたが,何時もより重い疲労感が残っている.
 でも,まあ,今日一日も,何とか無事だったので”良かった,良かった”ということにしておこう.

<ラップタイム>

 7:05  大倉歩きだし
 7:35  観音茶屋
 7:57  見晴茶屋
 8:42  駒止茶屋
 9:05  小草平(堀山の家)
 9:36  萱場平(9:47まで休憩)
10:25  花立山荘(10:35まで休憩)
10:54  花立山(11:05まで休憩)
11:15  花立山荘
11:59  堀山の家(12:10まで休憩)
12:28  駒止茶屋
13:00  見晴茶屋
13:12  観音茶屋
13:34  大倉着 

[山行記録]

■水平歩行距離          5.8km(片道)

■累積登攀高度        1,122m

■累積下降高度          50m

■上り所要時間 (休憩時間込み)
  大倉発            7:05
  花立山着          10:54
  (所要時間)       3時間17分(3.28h)
  水平歩行速度           5.8km/3.17h=1.83km/h
  登攀速度          1,122m/3.17h=354m/h

■下り所要時間 (休憩時間込み)
  花立山発          11:05 
  大倉着            13:34 
  (所要時間)              3時間29分(3.48h)
  水平歩行速度            5.8km/3.42h=1.70km/h
  登攀速度                   1,122m/3.42h=328m/h
                                     (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/361cb6d4767999914880683349d1f9da
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3b2bbd25be81d1672d9fa7d40a752298

[編集後記]
 今回のデータを整理してみると,絶望的に遅いなと思っていた登攀速度が,実は毎時354メートルであったのにビックリしている.1時間に350メートル登る速度なら,まあ普通の速度だといえよう.
 ”もう少し,自信を持て…”
と自分に言い聞かせることにしたい.

 



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