中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

閑話休題;右足膝半月板損傷から復帰して(私の膝の痛み闘病記)(11) 

2016年03月08日 04時23分46秒 | 閑話休題:日々雑感

         閑話休題;右足膝半月板損傷から復帰して
                  (私の膝の痛み闘病記)(11)
 
前回の記事
   ↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/686622884c77c6b28b3b3542f876d96f

2016年3月8日(火)                                        

1.事の発端
 昨年(2015年)3月5日(木),私はTGさん,SSKさん達と一緒に,塔ノ岳から下山していた.その途中,戸沢分岐を過ぎて,階段を快調に飛ばしていたとき,突然,右足の膝に激痛が走った.何の前触れもなく.
 その日は,痛みに耐えながらも,何とか下山した.帰宅後,近くの整形外科の診断を受けた.医師の診断は当面湿布をしながら様子を見るということであった.
 このとき私はまだ事の重大さに気が付かず,ほぼ痛みがなくなったある日,塔ノ岳常連の皆様と一緒に三浦アルプス北尾根を縦走した.その途中で,また右膝の痛みをぶり返してしまい,初めて事の重大さに気が付いた.
 そこで,私は大船駅近くのスポーツ専門の某整形外科クリニックで,あらためて診断を受けた.その結果は,
(1)   年齢の割には多く残ってはいるものの軟骨が大分減っている,
(2)   右膝半月板が少し砕けていて,その破片が周囲の筋肉に傷をつけている.そのために,関節内に水が溜まっている,
という"青天の霹靂”ともいえる診断であった.
 さらに,怖いことに,このまま放置すれば,変形膝関節症が進行するとのことであった.
 正直なところ,この診断結果を聞いたときに,これからは登山など無理だなと思った.

2.治療の内容
 
この日から長期にわたる治療とリハビリが始まった.
 これまで重大な怪我の経験がない私は,正直なところうろたえた.
 まずは治療である.私が受けた治療は,大別して次の2項目である.
  (1)足底板の作成とサポーターの着用
 加齢とともに,“土踏まず”が潰れて扁平足気味になるのと,変形膝関節症になるのを予防するために足底板を作った.これには保険が適用され,1年半ごとに新しい足底板が作れる.
 また,患部を固定するために,当分の間,就寝時以外は,膝固定用サポーター(保険適用外)を着用する.
  (2)定期的通院
 当初は週に1回,約1ヶ月後からは2週に1回の割合で,7月までの約4ヶ月間,通院治療を行った.毎回,関節腔内注射を受けた.注射の内容はスベニールディスポというヒアルロン酸の一種である.この注射は普通の注射よりちょっと痛い.
また,最初の3回は関節内に溜まった水を注射器で抜き取った.ちょっと,血の色が混じった透明な液体が,1回に2~3立方センチメートルほどの量だった.
 通院と同時に,通院当初は,鎮痛剤と胃の薬を定期的に服用した.また,経皮吸収型鎮痛・坑炎症剤(外用薬;いわゆる湿布)も,適宜,使用した.

3.通院を終えて鎌倉でリハビリウォーキング
 通院を始めてから1ヶ月ほどで,日常生活では患部の痛みは,ほとんど感じなくなった.でも,下り階段などで,患部に一寸余計な力が加わると,ズキンと痛みが走る状態が暫く続いた.
 7月23日,最後の診断を受ける.医師は,
 「もう通院は今回で終わりにしましょう.また何かあったら,来て下さい.山は下りに特に注意して下さい.大きな山に出掛けたとき,もしリフトやケーブルがあったら,下りで利用するようにして下さい.」
と私に注意する.
  さらに,怪我を治すのは医師ではなく,患者本人の努力だと諭される.つまりジッとして居てはだめ.適度の運動を継続する努力が必要だという.
 若い頃に比較すると,身体を構成している各部品の劣化も年相応に進んでいる.こんなことは誰でも知識としては知っているが,実際に自分の身体に故障が起きてから始めてことの重大さに気が付くのが常である.
 私は60歳代後半から70歳代の登山者に,
 ”自分では気が付かないうちに,身体の部品の劣化が進んでいますよ…”
と強調したい.
 この日から私のリハビリ登山が開始される.モットーは絶対に無理をしないこと.
 適度に歩き込むことによって,足の筋肉の強化を図る.筋肉が強化されれば,患部の悪化も防止できる.
 私は,6月下旬から,近場の鎌倉の山で,リハビリウォーキングを開始した.
 最初は自宅近くの山道からである.馴れるにつれて徐々に歩行距離を伸ばしていった.時には少し歩きすぎて,夜中に患部がズキズキすることもあった.
 多少の試行錯誤はあったが,自重しながら歩き続ける内に,リハビリのやり方,というかコツがだんだんと分かるようになる.

4.忘れられない第1回塔ノ岳復帰
 いよいよ,2015年7月11日(土).
 私は塔ノ岳リハビリ第1回登山に出掛けた.怪我以前はほとんど使うことがなかったストックを,下り坂で使うことにする.
 ストックを使って,両手にも体重を分担させ,膝への負荷を軽減し,さらにふらつきによる転倒を防止する.
 
これまでの鎌倉でのリハビリの結果を勘案して,塔ノ岳復帰第1回目の目標は小草平(堀山の家)までと決める.そして,もし余力があったら萱場平まで登ることにする.
 
久々の渋沢駅で大倉行の1番バスを待つ.顔なじみの常連さんが私の姿を見て,大丈夫ですかと声を掛けてくれる.
 
私も久々に常連の皆様とお目に掛かるのが何とも嬉しくて仕方がない.さらに嬉しいことに,今日は観音茶屋でチャンピョンの塔ノ岳登頂5000回記念パーティがあると聞かされる.勿論,出席するつもりである.
 久々の塔ノ岳は,さすがに厳しい.これまで何とはなしに登っていた見晴階段や駒止階段がまるで急峻な絶壁のよう見えてしまう.私は絶えず下山のことを気にしながら,ソロリソロリと萱場平まで登る.
 大倉からの所要時間は,2時間45分を要した.
 もちろん,下山途中でチャンピョンのパーティにも参加した.

5.その後の塔ノ岳
 その後,原則として毎土曜日に塔ノ岳詣でを繰り返した.その経緯は,
  1回目  7月11日 萱場平まで(チャンピョン塔ノ岳5000回記念パーティ出席)
  
2回目  7月19日 小草平(堀山の家)まで
  3回目  7月25日 萱場平まで
  4回目  8月01日   〃
  5回目  8月22日 花立階段下まで
  6回目  9月05日 花立山荘まで
  7回目  9月12日 馬の背まで
  8回目 10月03日 塔ノ岳山頂
 以上のような経緯で,リハビリ登山8回目で,ようやく塔ノ岳山頂まで登った.
 もっとも大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は3時間30分を要した.怪我をする前の2時間40分程度の所要時間に比較すると,体力の減退は目を覆うばかりである.
 その後は,余程のことがない限り,現在まで,塔ノ岳山頂までのユックリ登山を繰り返している.勿論,現在でも,下りは2本ストックを使用している.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は,現在,3時間程度を自分の目安にしている.そして何よりも安全登山に徹している.
 現状の自己評価は,体力の復帰はまだ不十分ながら,怪我からの復帰は,まあ,まあ,というところだろう.

6.怪我を通じて思うこと

(1)安全第一

 怪我をして,あらためて安全第一をモットーに,ユックリ登山を楽しむべきだと実感している.
 ”とにかく転倒しないように,足に余計な負担が掛からないように…”
これだけを十分に意識しながら登山を楽しんでいる.
 まあ,とにもかくにも,何とか塔ノ岳山頂まで往復できるようになっただけでも有り難いことだと思っている.そして,時折,自分に対して,
 ”塔ノ岳山頂まで登れればそれで良いではないか,それ以上何も望むんだ…”
と言い聞かせている.

(2)医師の指導は厳格に守る
 とにもかくにも,半年掛けて塔ノ岳に復帰できたのは,掛かり付けの整形外科医から受けた注意を遵守して,決して無理をしなかったことが,大きな要因だと思っている.とにかく”無理は禁物”である.
 私見では,年配者に”強化訓練”など不適切,むしろ有害だとすら私は思う.それよりも,無理をせずに,継続することの方がずっと大切だと思っている.

(3)年を取れば若い頃とは違うことを自覚する
若い頃に比較すると,身体を構成している各部品の劣化も年相応に進んでいる.こんなことは誰でも知識としては知っているが,実際に自分の身体に故障が起きてから始めて事の重大さに気が付く.

(4)体力は人それぞれ
 私が,塔ノ岳山頂まで「3時間も掛かっちゃう」と愚痴る(?)と,すぐさま返って答えは,
 「3時間で登れれば良いじゃないか…! 速いよ.何を贅沢言ってるんですか!」
である.この指摘には確かに一理はある.
 でも,私が気にしているのは,所要時間の絶対値ではない.私が言いたいのは,個人によって”速い”,"遅い”の尺度は別々だということである.
 怪我の前までは2時間40分台の所要時間で容易に登れていたのに,それが怪我をしてから3時間も掛かかれば,焦れったくなるのは当然であろう.だから,
体力は人それぞれで,判断基準が違って当然である.

7.結論

(1)体験から得られた教訓
 最後に今回の怪我の経験から得られた教訓を列挙しておこう.
   *信頼できる整形外科医の診断を受けること.
   *医師の指示は100%遵守すること.
   *勝手な素人判断をしないこと.
   *無理をしないこと.
   *あせらずに継続的に適切な運動を続けること.  
   *自分の年令を自覚すること(全部品が年相応に劣化している).

(2)怪我をしないために

 口幅ったいけれども,もう一つ付け加えたいことがある.それは,登山をするからには,登山の基本技術と知識を身につけなければダメだということである.
 私も登山については未熟者で,こんなことを言う資格はないが,怪我をしないための要点をいくつか列挙しておこう.ただし,これらは全て山岳ガイドから教わったことの受け売りである.
①山での歩き方をマスターしよう
   *両足を肩幅ぐらい開けて,
   *歩幅を小さく,足の裏全部を地面にピッタリ付けるようにして,
   *
常にどちらかの足に体重を乗せて,
   *後ろ足で蹴らずに前足に体重を乗せてから後ろ足を上に上げる,
   *上体は真っ直ぐ立てて,前屈みや出っ尻にならないように,
   *体が硬直しないようにリラックスして,
   *流れるような汗を流さないように,
 
  *呼吸がハアハアならないように(過呼吸にならないように),歩きましょう.
リュックの中身を整理して軽くしよう
   *
必要不可欠なものは必ずリュックに収める.
    
ヘッドランプ,雨具,救急用具,地図,コンパスは必携.
    不要なものは持ち歩かない.
   *どんなに重くても,自分の体重の15パーセント以内におさめよう.
自分の”十八番”の山を持とう
 私の十八番の山は丹沢塔ノ岳,浅間山と鎌倉の山々.
 同じ山を繰り返し登っていると,自分の体調のことがとても良く分かるようになる(それに知り合いも増えて楽しくなる).
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 まあ,こんなところかな…
                                 (1) (おわり)
同じテーマの続きの記事
    ↓
   (未定)

「閑話休題;日々雑感」の次回の記事
(なし)





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。