「いや、そんなことしなくてもいいんだ。ぼくに少し考えがあるからね。相手は、なんといってもおそろしく頭のするどいやつだから、うかつなまねはできない。
”No, no need to do that. I have an idea. Our opponent is terribly smart. We can't be inadvertent.
ところでねえ、小林君、あすあたり、ぼくの身辺に、少しかわったことが、おこるかもしれないよ。だが、けっしておどろくんじゃないぜ。ぼくは、けっして二十面相なんかに、出しぬかれやしないからね。たとえぼくの身があぶないようなことがあっても、それも一つの策略なのだから、けっして心配するんじゃないよ。いいかい。」
By the way Kobayashi, maybe tomorrow a weired thing may happen to me. But you souldn't be surprised. I would never be outsmarted by Twenty Faces. Even if I'd be in danger it must be my strategy. So don't worry, okay?"
そんなふうに、しんみりといわれますと、小林少年は、するなといわれても、心配しないわけにはいきませんでした。
He said so quetly that it made Kobayashi more anxious.
「先生、何かあぶないことでしたら、ぼくにやらせてください。先生に、もしものことがあってはたいへんですから。」
「ありがとう。」
明智探偵は、あたたかい手を少年の肩にあてていうのでした。
"Master, there is something dangerous, let me do it. If something happen to you.."
"Thank you."
Akechi said putting his warm hand on boy's shoulder.
「だが、きみにはできない仕事なんだよ。まあ、ぼくを信じていたまえ。きみも知っているだろう。ぼくが一度だって失敗したことがあったかい……。心配するんじゃないよ。心配するんじゃないよ。」
"But it's not something you can. Believe me. You know, I never make mistakes. Don't worry. Do not be anxious."