(株)藤川建設のブログ

地元の山の木を使った家づくり

建て方(1) 中空に浮かせて組む

2010年11月22日 | 長岡(東)F邸 伝統構法
我が社の伝統構法は普通の在来工法の組み方と一味違います。
普通は、土台を基礎に敷いて、その上に柱を乗せていくのですが、通し柱に土台を差し込むために、一度中空に浮かせた状態で2階の構造を組んで、一気に基礎に落とし込んでアンカーで固定するという方法をとります。

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いわゆる「神社」や「お寺」のような、「足固め」という伝統技法で、石の上に柱が乗るという構造の住宅版です。
住宅の場合、

「土台は基礎にアンカーで固定しなければならない」

という建築基準法上、どうしても基礎に固定しなければならないために、仕方無しに中空で浮かせて下げるという方法をとらなければなりません。



まずは、一度基礎に固定した土台を浮かせます


そこへ柱を組み込みます


土台を浮かせたまま、柱と梁を組んでいきます


半分くらい組みました


1階部分がほぼ完成。
土台は中空に浮いたままです。


通し柱です。
このように、土台と基礎の間に角材をはさんで、
12センチ程度全体に浮かせています。


通し柱に土台を入れるには、このように浮かせた状態で柱に土台を差し込んで、最後に基礎に落とし込み、アンカーボルトで固定するという方法をとらなければなりません。



土台を下げた状態


こうして、土台を通し柱に差し込んで、柱や梁が全体で組まれると、「筋違(スジカイ)」無しでも自立する構造になります。

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伝統構法が壁だけに頼らず、柱で自立し、地震等の横荷重に柱の腰でも耐える力を得ることができます。

それには中空で組んで下げるという、想像も付かない方法を行わなければなりませんが、面倒な事に挑戦し、より強い構造を得られるのならば、最大限の努力を注ぎ込む価値があります。