場所中にも関わらず、大相撲ネタを書かなくて申し訳ありません。
今日中日、8日目は白鵬が難なく勝ち越しを決め、5人が1敗で追走する展開になっています。
そんな中、先日注文していた本が届きました。
3年前に大鵬さんが出された本で、最近の大相撲の質の低下を嘆く一方で、観客にも大相撲の本当の見方を示していたり、
大鵬が解く人間としての生き方は、大相撲に限らず一般社会でも当てはまる内容になっています。
この本の中で、最近私が思っている事が「美しい光景だった、勝者が敗者をいたわる姿」という項に書かれていましたのでご紹介します。
(以下抜粋)
ーこれぞ大相撲、これぞ礼の極み、これぞ美しい日本人を見たと思った光景があった。1970年頃だった。
(中略)勝負は北の富士が土俵を割って玉の海が勝った。そこから美しい光景だった。
勝った玉の海は土俵を割った北の富士を土俵下に落とす事なく、足が俵の外に出た瞬間に力を抜いたのだ。
そして、勝負がついた1呼吸の後で東西に分かれて戻る前に、両力士はお互いの顔を見合わせて軽く会釈をして目礼を交わした。
相撲は礼を重んじる事は、それなりに知っていたが、勝者が敗者をいたわる姿は実に美しかった。そして、非常に潔かったことを覚えているー
(中略)勝負は北の富士が土俵を割って玉の海が勝った。そこから美しい光景だった。
勝った玉の海は土俵を割った北の富士を土俵下に落とす事なく、足が俵の外に出た瞬間に力を抜いたのだ。
そして、勝負がついた1呼吸の後で東西に分かれて戻る前に、両力士はお互いの顔を見合わせて軽く会釈をして目礼を交わした。
相撲は礼を重んじる事は、それなりに知っていたが、勝者が敗者をいたわる姿は実に美しかった。そして、非常に潔かったことを覚えているー
当時の横綱だった「北の富士」と「玉の海」は勝負がつくといつもこの「目礼」をしていました。
(DVD「大相撲大全集」第4巻より)
私もビデオで見ていいものだなぁと思っていましたが、この動作を褒めている人は大鵬さんが初めてだと思います。
最近では土俵下に落ちて行った相手を心配するどころか、土俵上で転んだ相手に手を貸すといった事もほぼ皆無。
勝負がつくとさっさと二字口に戻るといった行動に、人間として疑問を感じていました。
そういった行為が、ただ勝てばいい、ただ強ければいいといった風潮を観客にも示してしまっているのではないかと。
「目礼」まではしなくてもいいので、せめて相手をいたわり敬意を表す、最低限の「礼節」だけは備えておいていただきたいと思うのは、私だけでしょうか?