『一枚の絵画と詩』
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『果物をもつ女』 1893年
ポール・ゴーギャン(1848~1903)
ゴーギャンといえば、私は野性的な風貌のタヒチの裸婦を思います。この『果物をもつ女』もそうですが、健康的な肉感を感じさせるゴーギャンの筆使いは、強く迫ってきます。
ただ、この『果物をもつ女』 の別名は『あなたはどこへ行くの?』ということで、作品の左下のサインの所に書かれたカナカ人(南洋諸島の原住民)の言葉である。ということを知ると、ゴーギャンのタヒチの裸婦は、大きな生きるということの意味にもつながるひとつの題材であったのではと思うのです。
1897年の大作の題名は、『われわれはどこから来るのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くか』となっていて、解説によると、・・・・左上隅に描き込まれた題名は絵を説明するのでも絵がその説明なのでもなく、三つの疑問符のように画面の詩的価値を際立たせる。とあります。
このゴーギャンの一枚の絵、『果物をもつ女』 に、あなたは、何を思うのでしょう・・・・。