2
前回の続きになりますが、ポール・サイモンの『サウンド・オブ・サイレンス』をこの古稀を迎えるとともに聴いてみると、改めて、あの頃は、これといって、何もわかっていなかったのだと言えるのでした。
『サウンド・オブ・サイレンス』ですが、こんな意味だったのかなと。
何だか得体の知れない目には見えない精神寄生体のようなものが、頭のなかに寄生してしまったのだ。その精神寄生虫のような何かに、頭の中の思考をコントロールされてしまい、日常の生活を送ることが困難になってしまうこともあったのだと。頭のなかに植えられた種は、静寂のなかで、サウンド・オブ・サイレンス(沈黙の音)として・・・・。
しかし、誰もその静寂を呼びさまそうとしない。
自分だけの殻に閉じこもってしまい・・・・。
生活して行くこともままならなくなり・・・・。
「愚か者たちよ」と、どこからか声が聴こえます・・・・。
そう、いつか、気付くのです・・・・。
頭の中に植え付けられた種が消えていたことに・・・・。
私は、何十年も眠っていたレコードを、甦ったレコードプレーヤーで改めて聴くことによって、その頃の青春を取り戻すとともに、懐かしい想い出として受け入れたのです。四苦八苦の青春のなかにいるときに答えは見つからなくても、それが普通なのだと・・・・。
ネオンサインや 地下鉄の壁や 安アパートと そして沈黙の音の中で
Hello darkness my old friend
I've come to talk with you again
Because a vision softly creeping
Left its seeds while I was sleeping
And the vision that was planted in my brain
Still remains within the sound of silence