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ところで、緑内障をよくするには、高くなった眼圧を下げればよいということがメインということですが、薬に頼らない自分で治す療法はないのかと思っていたA氏は、ある日、『緑内障 自分で治す 最強辞典』という一冊の本に出会いました。
『緑内障 自分で治す 最強辞典』より。
当院が、緑内障の患者さんにウォーキングを指導している大きな目的は、「血流をよくするため」です。
緑内障といえば、眼圧ばかり取り上げられます。もちろん眼圧も大事ですが、それ以前に目の血流、ひいては全身の血流が悪くなっていることが緑内障の大きな原因だと、私はとらえています。
血流障害は、目の酸素不足を招きます。酸素も栄養素も充分に届かないので、当然、視神経が弱くなります。血圧が正常でも緑内障を起こす例が多いのは、血流障害で視神経が弱くなっていることと深く関係すると考えられます。
しかも、血流障害があると、房水という、目の組織に栄養を運ぶ液体の巡りも悪くなって、眼圧が上昇しやすいのです。その土台になっている血流障害を放置したまま、投薬や手術をしても、効果がでにくいのは当然です。
ですから、緑内障の人は、薬などの効果を高めるためにも、ぜひウォーキングを心がけてください。
緑内障に関する現在の標準的な治療においては、いったん起こった視野の狭窄や欠損は回復しないとされています。ところが、私の指導している「眼圧下げウォーキング」をはじめとする生活習慣の改善を行うと、緑内障で起った視野の狭窄や欠損が回復する例があります。
続きの文です。
視野の狭窄や欠損というと、そこだけ黒く見えるようなイメージを抱きがちですが、そうではありません。視野が欠けた部分は、自覚的には、最初は磨りガラスを通したように見え、次第に雲をかぶったようになります。それだけに、当初は気づきにくいことも、緑内障の発見を遅らせる一因になっています。
この検査図は、緑内障で段階的に見えにくくなる視野の様子を、色の濃さで表わしているわけです。
右側の図は、2013年3月27日の状態で、色の濃い部分が左下に広がり、視野の狭窄が進んでいます。そこで、「眼圧下げウォーキング」や朝食抜きといった生活習慣の改善に取りくんでいただきました。
その後、一ヶ月半もたたない5月8日に検査した結果が左の図です。ひと目で色の濃い部分が減っていることがおわかりでしょう。
この際に専門医が重視するのは、「視野欠損度(MD)」という検査値です。
これは、視野の欠けている度合いを数値化したものです。(正常は0dB、1~6dBは早期視野欠損、視野が全く見えなくなると30dB)。
Bさんは、3月のときのMDは8.1でした。それが、5月のときは6.1に下がっています。2という変化は非常に大きく、誤差の範囲内ではありません。明らかに視野が改善していることが、検査値からもわかります。
標準的な医療では、回復が難しい視野の狭窄も「目の総合医学」として生活習慣の改善に本気で取り組むと、このように改善しうるのです。
緑内障・白内障が気になるかたは、ぜひ「眼圧下げウオーキング」をはじめとする生活習慣の改善をお試しください。
この本にA氏は、大いに励まされました・・・・。A氏は、いつからか、健康のためにと気功術を日々実践するようになっていたので、気功術における気の循環は、頭内の目や視床あたりへの働きによって、緑内障で起った視野の狭窄や欠損が少しでも回復してくれればと・・・・。
(視床は脳のほぼ中央に位置し、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳皮質に送る一大中継基地のような存在です。)
・続きは次回に・・・・。