『一枚の絵画と詩』
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『いくつもの絵のある一枚の絵』 1937年
パウル・クレー (1879~1940)
不思議な絵です。古代の象形文字というかエジプトの壁画を思い浮かべました。
世界の四大文明(メソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・ 黄河文明)のひとつであるエジプト文明。エジプトではピラミッドをはじめ、多くの遺跡において壁画を見ることができ、その壁画には当時のエジプト人の生活習慣や宗教概念などが記されていると。東洋人である私は、乾いた異国の景色を思い、また、別の遊星からの通信を思ったりしますが・・・・。
クレーの言葉として、「自分の絵の目標として、建築的絵画と詩的絵画とを調和させること」 「芸術は眼に見えるものをあらためて提示するのではない。見えないものを見えるようにするのだ」と。
この一枚の絵に、私は、何を見、何を思えばいいのか・・・・。しかし、また、この一枚の絵を、無心な子供たちのように、ただ眺めてみるのだということでもいいのではないのかなとも思う私です・・・・。