⑦サハスララチャクラの目覚め
小周天法によって、クンダリニーを吸気と共に脊柱内のスシュムナを通して頭頂まであげ、次にアジナにまわし、そこにとどめて二、三秒間止息し、呼気と共にアジナ、鼻端を経て体前面の正中線に沿って下降させ、スワディスタナ、ムーラダーラにクンダリニーシャクティをおろします。
この 小周天法によって、スシュムナが次第に浄化され、クンダリニーシャクティが、ムーラダーラ→頭頂→ムーラダーラと周天法を繰り返すうちに、スシュムナの内、各チャクラの二、三のものや、頭頂のサハスララが光って見えるようになります。
ヨーガ行を始めて半年か一年経ったころ、金色に輝く光が頭頂を出たり入ったりするようになりました。
このサハスララチャクラから自分が外に出られるようになったのは、ヨーガ行を始めて半年か1年ぐらいであったように思います。ヴィシュダやアナハタが目覚めたのは、たしかそれより一、二年後でした。スワディスタナ、マニプラ、サハスララが、他のチャクラより早く動き始めたように思います。
サハスララが目覚め、こうして頭頂の門(ブラフマンの門)から自分の魂またはアストラル体が抜け出るようになってから、御神前で座っていながら、外の世界のことがわかるようになりました。
サハスララチャクラが動き始め、目覚めてからというもの、サハスララまでの下位のチャクラが目覚めて生じたあらゆる能力が、しだいに大きくなり、深まってきたように思います。それと同時に、他のチャクラがその目覚めている次元を高め、まだ充分に目覚めていなかったチャクラ、たとえばヴィシュダ、アナハタなどが、しだいに着実に目覚めてきたようです。サハスララ自体も、その活動と目覚めの次元を高め、深まっていきました。
* * * * * * *
以上が、私がこの三十年近くのヨーガの行を通じて体験した各チャクラの活動、目覚めと、それによって生まれたさまざまな能力(超能力)のあらましです。
私の場合、チャクラの目覚めは、まず、そのチャクラと密接な関係にある臓器と心的機能に変化が生じ、そのチャクラに属すると思われる特殊なオーラ(色光)をそのチャクラの位置に見ることができ、次に特定の能力が目覚めてくるという形であらわれました。
どのチャクラが初めに目覚めるかは人によってちがいます。そのカルマや性格によって、いちばん活動しているチャクラが、ヨーガ行によるクンダリニーの動きによって、容易により活動的になり、目覚めやすいのです。
また、一つのチャクラの超能力を使いすぎると、そのチャクラにコントロールされる臓器に異常が生じ、短命に終ることになります。
・本山博先生のチャクラの体験でしたが、四十五年も前のIARPでの講義のテキスト(『密教ヨーガ』本山博著)でもありました。あれから、まもなく半世紀。自分のチャクラの体験は話すほどのことはありません。でも、本書カバーに書かれた、「ヨーガの究極の目的は、身体や心を健全にするだけでなく、人間の存在そのものを霊的に進化させ、宇宙の絶対者と一体にならしめるところにあるのです。」の言葉は、自分自身の日々の瞑想の目的のひとつであります。
私の瞑想についてのお話は、ひとまずこれで終わりにしようと思いますが、IARPでの本山博先生のお話はこれからもときどき紹介していけたらな・・・・。