さて,今年も目出度くも無い日が巡ってきた。
こうして,アルコール片手に,いろいろな方からいただいたご祝辞の数々に目を通しながら,この日を迎えることができた喜びを享受している。
さて,ではこの日を迎えるに当たっての今宵の一曲を,確か2005年からこうしてうpしてきた。
05年 バレエ「アパラチアの春」(コープランド)
07年 嬉遊曲(イベール)
08年 ジークフリードの牧歌(ワーグナー)
10年 交響曲第1番ホ短調(シベリウス)
11年 小組曲(ドビュッシー~ビュッセル編)
12年 ピアノ四重奏曲第1番ト短調(ブラームス~シェーンベルク編)
13年 歌劇「ローエングリン」~第3幕への序奏(ワーグナー)
14年 「坂の上の雲」サウンドトラック~少年の国(久石譲)
15年 序曲「謝肉祭」(ドヴォルザーク)
16年 ピアノソナタ第3番~第4楽章(ショパン)
17年 大学祝典序曲(ブラームス)
18年 祝典行進曲(團伊玖磨)
10年のシベリウスと12年のブラームス,そして16年のショパンのソナタは,どう考えても自虐根多のようなやばい曲だし,13年のワーグナーも波乱の予感でしか無い。
仕事からの帰途,はて今年は何にしよう・・・と,思っていたら,天啓の如く閃いた。
ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503(W.A.モーツァルト 1755-91墺)。
06年のザルツブルク音楽祭のライブと記憶しているが(その割に音質・画質ともに今二つだが),世界に冠たるモーツァルト弾きである内田光子が,リッカルド・ムーティの指揮するウィーンフィルを相手に,見事な演奏を繰り広げている。
モーツァルトの20番台のピアノ協奏曲は,最晩年のK.595を筆頭に名曲の宝庫だが(否,「戴冠式」なる副題のせいか何故か人気のK.537は,どうでも良い作品だと思う),個人的には,「名曲の森」とも云うべき「フィガロの結婚」と同年に書かれたイ長調K.488の天馬空を行くが如き終曲のロンドがお気に入りなのだが,旋律美よりもきっちりとした古典的な構成感と均整美が顕著なこのK.503が相応しいと勝手に思った。
冒頭の決然たるアレグロの輝き。
指揮者がムーティだからだろうが,モーツァルトが憧れた南欧イタリアのソレントの浜に上がる燦然たる太陽の輝き(嘘。太陽は東から昇るから地中海とは逆方向だ)。
祝祭的高揚感に加え,勿論モーツァルトらしい旋律美だって充溢する。
第2楽章の情緒に流されないメロディもそうだし,終章ロンドの主題は,後輩たるベートーヴェンのヴァルトシュタインソナタにそっくりだ。
古典的な構成感と均整美とメロディアスな要素が見事に輻輳し,心地良い響きを奏でるあたりは見事と云うより他はない・・・。
・・・ということで,今宵も1つ齢を重ねた。
この演奏に相応しい酒は・・・??
上質なトスカーナワインか・・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます