忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

私の弱点は「酒と肉」である!諸君は私にそれらを贈らぬよう、よろしくたのむ!

2010年11月25日 | 過去記事
三島由紀夫が割腹して自決したのは私が生まれる1年前、1970年の今日、だ。三島由紀夫については読者諸賢のみなさまもご存じの通りであるのだが、ときに三島は「カニが怖かった」らしい。嫌いだったのではなく「怖かった」のだそうだ。それでも「カニの身」は大層好きだったとのことで、いやはや、さすがに三島由紀夫である。わけがわからない(笑)。

ま、要するに「カニの見た目」がダメだったらしく、カニ缶などもパッケージを剥がして喰っていた。ちなみに「蟹」と漢字で書くのも「その形を如実に思い出して卒倒しそうになる」とのことで、文字にするときは「カニ」と書くのだとエッセイにも書いている。

三島はそのエッセイの中で「臍の緒を埋めた土の上を、最初に通った生き物が苦手になるという俗信がある」と紹介している。もちろん、当時も臍の緒を土に埋めたりしないから「タンスの引き出しの上を通ったのならば鼠だろう。だから、多くの人は鼠が嫌いなのだ」と結論付けている。なかなか面白いが、ならば、私の場合はアレだ。間違いない。嗚呼ぁ。

ま、しかし、だ。

人間、実にくだらぬことが苦手だったりするものだ。繁華街をうろつくキャッチの兄ちゃんも声をかけるのを躊躇い、今里でタクシーを降りれば黒服がタクシー代を払いに来るこの私であるが、道端などで「虫けら」一匹に出くわすと「きゃぁ」と言って膝をたたんで飛び上がるのが滑稽でなければなんだというのか。

でも、他にもいろんなのがいて「ゴキブリはなんともないけど、クモだけは勘弁してくれ」という人もいる。「珍味」などと称して不気味なものを口に入れる人が、ニンジンやピーマンがダメだったりする。周囲には豪胆に振舞うのに、嫁さんのことになると頭が上がらぬ人は虹の会にも多い。無論、我が妻も負けてはいない。妻は恥ずかしくて人前でカラオケが歌えないのに外国人が怖くない。相手が2メートル近い黒人でも、困っていたら話しかけてしまう。パラオでも地元民の子供とすぐに打ち解けて遊んでいた。しかし、カラオケではマイクを怖がるのである。

また、妻は高いところは全く怖くないらしいが、水が苦手で子供プールでも怖がる。「ポセイドン」という映画を観ただけで溺れたこともある。ディズニーランドの海中探検みたいな乗り物で息が出来なくなったりしたこともある。その理由はよくわからんが、妻の前世は「魚」らしく、死因は溺死とのことだ。これが遠因なのかもしれない。

そして三島は「ナメクジ恐怖症の人に、ナメクジと水爆はどちらが怖いか?」と問えば、それは「ナメクジ」だというのが正常だとする。でも、これはなんとなくわかる。

良い悪いではなく、人は基本的に目の前のことしか興味が持てない。最近もカンボジアの祭りでパニックになり、その結果何百人かが圧死したが、これに絶望して涙に暮れて、その日の晩メシが喰えなかったという日本人はめずらしいと思う。それよりも北朝鮮の砲撃によって、韓国人の民間人も合わせた4名が亡くなったほうをマスコミは取り上げる。その理由は「隣国だから」であり、北朝鮮という国は日本に対して実害があるからである。

しかし、これにしても、実際は「特定失踪者も合わせた日本人拉致被害者は数百人」なわけだから、申し訳ないが朝鮮戦争の延長、同民族で砲撃し合って何人かが死んだ、と聞かされても、私は今日、晩酌をしながら三島由紀夫の話をするし、借りてきたレンタルビデオを観て寝不足にもなる。「在日は祖国のために戦って死ねw」とネットで誹謗中傷されても、私は第二次朝鮮戦争が勃発しても兵隊に志願したりしない。妻も許してくれないw

管内閣が慌てて「朝鮮学校の無償化」を止めたのも、この問題がまさに「目の前のこと」になったからだと自明であり、拉致問題も核実験も、ミサイル発射も民主党には関係ないから放っておいたが、韓国領土に砲弾を撃ち込んだら好機到来、政権浮上の千載一遇の神機であると、それをなんとも「神風だ」とまで言ったわけだ。これは「災害で休校」と聞いて喜ぶ落ちこぼれ小学生レベルだ。視野が狭く心が小さく、思考が粗末で、下衆根性丸出しだ。こういう人間は全体的な物事がわからぬ未熟なのだ。無論、こんなのが国会議員をしてはいけない。

そして、その浅知恵の結果、ちょっとマテよと、このまま朝鮮学校に税金投入したら政権が吹っ飛ぶぞ、と慌てたわけだ。そこで深く考えず、今度は「一時停止」とやった。悪い意味でのトップダウンを発揮したわけだが、早速にも橋下知事などからは「筋が通らぬ」と批判されている。朝鮮学校も「おかしいじゃないかセヨ」とやりはじめる。たしかに「おかしい」わけだから、これは朝鮮総連に「言い分」を与えてしまう結果になりはしないか。

ま、いずれにせよ、見るも無残なスラップスティック、総理大臣はテレビ報道で知りましたと公言し、国家公安委員長は国内テロの可能性が高まりつつある中、議員会館で韓流ドラマでも観ていたのか、警察庁に一歩も入らなかったらしい。しかし日本国民は、この民主党政権の間の抜けた危機管理に「勤労感謝の日だから仕方がない」とは思わない。同時に、これからますます不安定になる極東の状況をして、この政権に一秒でも任せるのは冗談では済まない、と強く感じて焦り始めてもいる。


冒頭の三島由紀夫の「カニ」の件だが、改めて考えてみると、やはり、この人は鬼才だった。これに気付かず、大江健三郎ばかり読んで秀才になった人は、いま、実は阿呆だと知れ始めているのが証左である。

少なくとも私の解釈であると断っておくが、だ。三島のこの話は「現在の民主党政権」に代表される「日中友好」やら「平和条約」やら、怪しげな言を弄して国益をドブに捨てる連中の比喩であった。三島は「カニの身」は大好物だと書く。しかしながら、そのラベルは「恐ろしい」のだと言って見たくもないと書いた。日本の反日日本人とやらの「臍の緒の上」を始めて通ったのは支那朝鮮人だったのかもしれないが、まあ、しかし、この隠喩のレベルに脱帽する他ない。しかも、これは40年以上前に書かれている。40年前の11月25日、大江健三郎を読んで新宿で野次を飛ばしていた自衛官にはわからないだろうが、つまりこれは「共産主義」というラベルに恐れをなしながらも、その「身」を喰わされて虜となっている不逞な売国奴をからかっている。


もっとも日本人の中には「中国は大国になったから商売相手として魅力的だ」としか言えぬ経済屋がいる。彼らは「独裁国家」やら「軍事大国」やら「人権侵害」やら「侵略国家」などという物騒なラベルは慌てて剥がす。その代わりに貼付するのが「日中友好」だ。言うまでもなく「日中友好」というラベルはメイド・イン・ジャパンである。「政冷経熱」という偽ラベルもある。日本の市場に溢れる頃は、どれでもこのラベルが貼ってある。知っている人は「このラベルは違うよ」と言うが、わからぬ人はまだ多い。「だって日中友好と書いてある」と言いながら、50円の靴下を買ってくる。

安いのは結構だが、その破壊的安価の裏には「作業台の下で寝泊まりする」チベット人やウィグル人がいる。日本の刑務所がホテルに感ずるほど劣悪な環境で、一生、浮き上がれぬほどの薄給で事実上、奴隷化している。独裁国家の「国営企業」がとる「企業努力」とは何なのかと考えると背筋が凍るが、その昔、フランスでは飢えて暴れる農民を見下ろしながら「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない?」と言った為政者の首が飛んだ。しかし、今の支那はそれ以上、ではないのか。北朝鮮はそれ以上、ではないだろうか。私はまだ「独裁国家」というものを持ったことはないが、それでも「独裁を止められぬ」ことは「失う贅沢」が怖いのではなく「失ったあとの報復」が怖いのだと知っている。だから、ますますオドロオドロしいラベルを開発して商品に貼付することになる。

ともあれ、この世界が呆れる「無法国家」のラベルは、三島の言う「カニのラベル」なのだ。そして、そのウマい「カニの身」は日本国民の口には入らない。「カニの身」を貪り、口の周りに汁がついて生臭い連中がいる。臭くて臭くて、もう、隠しようがない。それに、日本人も昨年の夏、その「劣化コピー」にやられたばかりだ。ラベルには「国民の生活が第一」と書いてあったはずだ。そして、ちゃんとした新聞を読む旦那さんや、テレビを見ない賢い奥さんは「それ、中身は空っぽだよw」と教えてくれたのではなかろうか。

ラベルの裏には素晴らしい栄養素がたくさん書かれていて、これさえ食べれば栄養満点、病気も治るし、味も良いんです!それにお子様の玩具も付けましょう!どうですか、みなさん!と書いてあるが、それも「それって、書いてあるだけだってばw」と教えてくれた人がいるはずだ。

中身が腐った怪しげな缶詰と、美味くはなかったかもしれないが、「肉」と書いてあれば肉が入っていて、「魚」と書いてあれば喰える魚が入っていた缶詰を喰いながら、それでも探して文句を言っていればよかった生活が懐かしい。しかしながらもう、結局のところ、ラベルは口に入れるモノじゃないと気付いたはずだ。次からは三島由紀夫のように、不気味なラベルは剥がしてから、ちゃんと「中身」を問おう。その際、是非とも優先順位にも留意しておこう。美味いかどうか、栄養素はどうか、ましてや低カロリーか、などではなく、先ずは「喰えるかどうか」である。

3 コメント

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Unknown ()
2010-11-27 02:36:44
トップニュースが海老蔵です。
恐いです。

売国同士で庇い合うのも結構ですが、バカの道連れにされるのは真っ平御免です。

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日本外交のキホン (近江謄写堂)
2010-11-27 07:44:50
やっぱり、日本外交の基本は麻生閣下提唱の「自由と繁栄の弧」が最善なんです。体裁よく支那 露助抜きですからね。

米韓軍事演習から戦争に発展するかもですね。ミリタリールックも流行ってきてるし。市場の反応も

 今週の値上がり株・・・石油、石炭、鉄鋼、海運
 今週の値下がり株・・・不動産、金融、証券
 ↑上がったのは戦争銘柄ばかりなんです・・・
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Unknown (久代千代太郎)
2010-11-28 22:10:05
>な さん

えびぞーw

特集してますねwおわってます




>りじちょ

軍事演習から不測の事態は得意技ですもんねー


なんとかドンパチやめてほしいです。。。
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