引用開始→
菅直人首相と民主党にとっては、極めて厳しい審判となった。
参院選で民主党は改選議席の54を大幅に下回り、自民党の獲得議席にも及ばなかった。民主、国民新の連立与党としても過半数を維持できなかった。
政権交代に大きな期待を寄せた民意が、わずか10カ月でこれほど離れてしまった。菅首相と民主党は深刻に受け止めなければならない。
鳩山前政権の度重なる失政が影を落とし、消費増税での菅首相の説明不足や発言の揺れが大きく響いた。
■短命続きもう卒業を
民意は、菅首相率いる民主党政権に退場を促すレッドカードを突きつけたのだろうか。
政権交代そのものが間違いだったという判断を下したのだろうか。
そうではないと私たちは考える。
2大政党の主な公約が似通う中で、何を選ぶのかが難しい選挙だった。
とはいえ比例区の得票では民主党が自民党を上回り、非改選議席を加えれば、なお第1党だ。有権者は民主党に猛省を迫ったが、政権を手放すよう求めたとまではいえまい。
民意は一方で自民党を復調させた。ようやく実現した「2大政党による政権交代のある政治」をさらに前に進め、鍛え上げるよう背中を押したととらえるべきだろう。
菅首相は選挙結果を受け、続投を表明した。一層の緊張感を持って重責を果たしてもらいたい。
日本では、「第二院」である参院選の敗北により首相が交代させられる事態がしばしば起こってきた。
よほどの惨敗ならやむを得ないとしても、短命政権が相次いだ大きな要因だ。それは腰を据えた政策の遂行を妨げ、国際社会での存在感を著しく損なってきた。もう卒業すべきだろう。
そもそも参院選は「政権選択選挙」ではない。
自民党一党支配の時代、有権者は総選挙で自民党を支えつつ参院選では時の政権の失政を厳しく裁いた。両院の選挙を使い分け「永久与党」を巧妙に牽制(けん・せい)してきたともいえる。
政権交代時代を迎えた今、参院選のそのような機能は見直していいはずである。政権の枠組みの変更や首相交代はあくまで総選挙を通じて、という原則に立ち返るべきだろう。
■「ねじれ」乗り越えて
参院選の結果、衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」が再現する。
自公政権とは異なり、与党は衆院で3分の2以上の議席を持たないから、参院で否決された法案を衆院で再可決できない。「真性ねじれ」である。国会運営は困難を極めるに違いない。
菅首相は政策課題ごとに野党に協力を求め、合意形成を探るパーシャル(部分)連合を目指す考えを示した。
自民党の谷垣禎一総裁は早期の解散総選挙を求めており、実現は難しいかもしれないが、方向性は正しい。
新たな連立相手を探す動きがでてくる可能性もある。安易な連立組み替えに右往左往すべきではない。
野党を話し合いの場に引き出すためには、鳩山前政権での強引な国会運営を反省することが欠かせない。
民主党内には多数決偏重を戒め、議論を練り上げるプロセスを重くみる「熟議の民主主義」を唱える向きがある。それを実践する好機である。
ねじれ国会を頭から否定する必要はない。賢く妥協し、納得度の高い結論を導く。そんな可能性も秘めていることを銘記したい。
自民党にも注文がある。
昨夏までのねじれ国会で民主党など野党は「『直近の民意』は参院にある」と主張し、自公政権を徹底的に追いつめようとした。当時、民主党の対応を政局優先と厳しく批判した自民党が今度は逆の立場に立つ。
反対ありきではなく、適切なチェック機能を果たす「責任野党」の見本を示してほしい。
■消費税から逃げるな
民主党の大勢が「消費税が敗因」と受けとめれば、今後、税制改革論議への消極論が強まるかも知れない。
しかし、「消費税10%」を掲げた自民党を有権者は勝たせた。菅首相も「議論そのものが否定されたとは思っていない」と述べた。
膨大な財政赤字を放置できないことは明らかだ。議論は早急に始めなければならない。それが、2大政党があえてそろって負担増を訴えた今回の意義を生かす道でもある。
もちろん行政の無駄に切り込む。政治家が率先して身を切る姿を示す。何より、持続可能な社会保障の全体像を描く作業が欠かせない。
菅首相は日本の将来のために増税が必要だと信じるのなら、逃げずに正面から自民党に協議を呼びかけ、有権者の説得にもあたるべきだ。
民主党内では今後、菅首相の求心力が低下することは避けられまい。菅首相を支える勢力と小沢一郎前幹事長グループとの確執が深まれば、9月に予定される党代表選に向け大荒れの展開となる可能性もある。
しかし党内抗争にかまけることを許すような余裕は今の日本にはない。
全党挙げて参院選敗北を総括し、政権運営の基本方針を定め直す。それが政権をあずかる与党の責任だ。
政権交代を実現させた日本政治の前進を後戻りさせてはならない。 ←引用おわり
久しぶりに朝日新聞が電波ゆんゆんである。
2010年参院選における民主党の敗北を受けて「極めて厳しい審判となった」と書く朝日だったが、その結果の受け取り方はさすが朝日、常人とは違うらしい。
<民意は、菅首相率いる民主党政権に退場を促すレッドカードを突きつけたのだろうか。
政権交代そのものが間違いだったという判断を下したのだろうか。
そうではないと私たちは考える。>
その「私たち」というのもイヤらしい。「朝日新聞は考える」でよろしい。それにレッドカード持って笛吹いていたのは、どこかの政党だ。ややこしいことを言わない。
今回の参院選についての評価に関しては、100歩譲っても「民主党にマッタをかけた」でいいんじゃないのか。もちろん、私などは「政権交代そのものが間違いだった」と言い続けているわけだが、どうせ退場なんてさせられないんだから、とりあえず、ホイッスルを吹いて「試合を止めてくれ」という有権者の声ではなかったか。
しかし、まあ、驚くのは次だ。
<日本では、「第二院」である参院選の敗北により首相が交代させられる事態がしばしば起こってきた。
よほどの惨敗ならやむを得ないとしても、短命政権が相次いだ大きな要因だ。それは腰を据えた政策の遂行を妨げ、国際社会での存在感を著しく損なってきた。もう卒業すべきだろう。
そもそも参院選は「政権選択選挙」ではない。>
口の周りにケチャップつけて、「もう、勝手にパスタを盗んで喰うのはやめにしないだろうか」と言われている気分だ。おまえだ、おまえ。
ちなみに2007年の参院選後の社説のタイトルは「参院選・自民惨敗―安倍政治への不信任だ」である。ちゃんと「さるさる日記」に残っていた(笑)。
<その一方で、国会では数を頼みに採決強行の連続。うんざりだ、いい加減にしろ……。広がったのは安倍氏への同情や共感より、安倍政治への基本的な不信ではなかったか>(※2007年7月30日朝日新聞社説)
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そして、安倍さんも9月に辞めたが、とりあえず参院選直後は続投を表明した。んで、その時の朝日だ。タイトルは「首相の続投―国民はあぜんとしている」(※2007年7月31日朝日新聞社説)である。もうね、あっはは。
<政治は結果責任だ。政治家は進退によって責任を明らかにする。今回、結果に対して潔く責任を負おうとしない指導者に国民は失望するだろう。「なぜ続投なのか」という疑問と不信は、長くくすぶり続けるに違いない、自民党有力者たちの反応にも驚かされた。派閥全盛期の自民党を懐かしむわけではないが、かつての自民党なら責任を問う声が噴き上がったことだろう>(※2007年7月31日朝日新聞社説)
んで、今年、管が続投表明すると、
<菅首相は選挙結果を受け、続投を表明した。一層の緊張感を持って重責を果たしてもらいたい。>
だと。これが二枚舌でなくてなんなんだ。
また、2007年の安倍政権敗北の際は、当時の盧武鉉政権、韓国も喜んだ。
<【安倍敗北 韓国流解釈】対北政策転換 強まる待望論>(※2007年8月1日朝日新聞)
記事を見ると、
<日本の参院選の結果に関連し、韓国のいくつかのメディアが「戦犯の孫娘・東條由布子候補が落選した。靖国神社参拝の正当性を主張し、保守勢力に期待をかけたが世論の支持を得るのは無理だった」(聯合ニュース)などと、故東條英機首相の孫で東京選挙区から無所属出馬した東條由布子さんの落選をわざわざニュースとして伝えていた。>
などと<東條由布子さんの落選をわざわざニュースとして伝えていた>事を朝日がわざわざニュースとして伝えていたりもした。しかし、今回の参院選で同じ韓国総合ニュースでは<【参院選】民主党敗北で、外国人参政権法案も困難に。だが民主が公明党と連立を組めば、まだ可能性も … 韓国聯合ニュース>とのことだ。わかりやすいでしょ?
また、民主党が大勝した2007年参院選、4日後の8月2日の朝日新聞の記事には<安倍敗北、ロシア流解釈 弱体化歓迎 躍進民主に秋波>(※2007年8月2日朝日新聞)との記事もあった。今更ながら、よくもまあ、3年間もったもんだ。これも民主党が阿呆だったお陰であるが、この当時の小沢はなにをしていたのかと思い出せば、これもあった。これだ。
<駐日米大使の会談要請、小沢氏側が断る テロ特措法巡り>(※2007年8月2日朝日新聞)
なんと同盟国の大使を門前払いした。ロシアから色目使われて気が大きくなったにしても、いささか国際常識の範疇から逸脱していると言って差し支えない。異常なのだ。
<民主党の小沢代表がテロ対策特別措置法の延長に反対する考えを表明したことを受け、シーファー駐日米大使が1日、小沢氏に面会を申し入れたことが分かった。参院選で大勝した民主党など野党が過半数を占めた参院で反対を貫けば、同法の延長は不可能になる。シーファー氏は小沢氏と会談して反対しないよう求める意向とみられるが、小沢氏側は「会う必要はない」と断り、当面は会うつもりはないようだ。>(※2007年8月2日朝日新聞)
酷いものだが、それを伝える朝日も負けてはいない。この2007年参院選の敗北を受けて、自民党がさんざん苦労した「ねじれ国会」であるが、朝日新聞は今回、こう言うのである。
<自民党にも注文がある。
昨夏までのねじれ国会で民主党など野党は「『直近の民意』は参院にある」と主張し、自公政権を徹底的に追いつめようとした。当時、民主党の対応を政局優先と厳しく批判した自民党が今度は逆の立場に立つ。
反対ありきではなく、適切なチェック機能を果たす「責任野党」の見本を示してほしい>
これをご都合主義と言わずして何をご都合主義と言えばいいのか。
民主党もそうだが、この連中は「過去の発言」や「以前からの主張」を一時的に消去、あるいは失念することによって、そのとき、その場だけで自分を正当化する。常に自分らは間違っていなくて、それでも批判を受ける場合は高みから「甘んじて受ける」というスタンスをとる。本質は単に「ふざけるな」という怒声を交えて、その稚拙な言動に対して「石もて追われる」に過ぎないのであるが、それをさも、立派なように虚飾する。それに、あれほど叩きまくった自民党に対して「責任野党として見本を見せろ」と朝日が言う下劣にはもう、呆れを通り越して妙なユーモアセンスさえ感じる。まさに落語のような新聞だ。
そんな朝日は民主党の心配ばかりする。
<自公政権とは異なり、与党は衆院で3分の2以上の議席を持たないから、参院で否決された法案を衆院で再可決できない。「真性ねじれ」である。国会運営は困難を極めるに違いない>
「ねじれ」は包茎じゃないんだから「真性」も「仮性」もない。ま、私の場合は「土星」(輪をかけて包茎)だがうるさいほっとけ、ンなこたぁ国民も知っている。すなわち、日本の有権者は「ど左翼」の好き勝手よりも混乱を選んだのである。売国法案が通らぬよう、国会を混乱させてまで防ごうという意思表示である。つまり、
支那共産党の人口侵略を促進させる法案はお断りだということだ。
また、民間人となった千葉景子の法相続投も、信じられん話だがテレビでやっていないらしいが、同じく、もはや「テレビだけで判断する有権者がいる」ことは周知である。だから今回の参院選は家庭で居酒屋で職場で話題となった。一円の得にもならぬ普通の有権者が、特定宗教の信者でもない普通の有権者が、あるいは民主党の支持者であった者すらが「民主は止めとけ」と言いまくった結果がコレだということを、ゆめゆめ忘れぬ方がいい。
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