
大晦日夜勤。正月に働いている、など珍しくもないのだが、やっぱり「職場で年越し」は同情されることもある。哀れんだ同僚からの差し入れも「日清どんべい・そば」が何個か。どれほど「年越しそば」を喰わせるつもりか知らんが、申し訳ないから除夜の鐘を聞きながらひとつだけ食べた。ま、美味かった。
宿直のおじさんもいる。この人はなぜか「どら焼き」をくれた。お礼と挨拶を済ませると、テレビ見ないの?と問うてきた。大晦日だから、面白いテレビがあるよ、と教えてくれた。この還暦過ぎのおじさんはテレビが大好き。今年も宿直室のテレビは消えることがない。
「明日、家に帰ってから見ますから」と嘘を述べて、代わりに4日分ほどの京都新聞を持ってきた。すると29日の朝刊には「新政権、強硬姿勢を強調」との大見出しの下「日朝協議に影響懸念も」とある。記事は読まなくてもわかる。安倍政権は家族会など、拉致被害者家族から信頼されている。民主党が言い出した朝鮮学校の無償化も、先送りではなく「認めない」とかやるほど「圧力重視」である。北朝鮮からは「極右政治家」「妄言政治家」として嫌われている。だから北朝鮮は対話に応じない可能性がある。拉致被害者家族も心配だ、と書いてある。「テレビよりマシ」のはずの新聞メディアもこのざまである。
パターンも同じ。阿呆の記者だけなら読者も信じないから、エライ先生を出す。北朝鮮と言えば毎度お馴染み、静岡県立大学の伊豆見元が年末のお仕事をしていた。NHKと朝日の毒が回ったとんちんかん学者は、左巻きの阿呆どもを喜ばせようと<圧力一辺倒の姿勢はこれまで効果を出していない>とか解説する。それから北朝鮮の言い分通り<過去の清算>を持ち出して<巧みな外交交渉>が必要だと〆ればお年玉がもらえる。
この北朝鮮の犬は2002年、小泉第一次訪朝の際、雑誌「婦人公論」の鼎談記事で「北朝鮮は変わるのか」と問われると<そこが問題なんですね。北朝鮮が変わるかどうかの前に、われわれがどう見るかが大きいわけです>という不思議な切り口から<少し突き放して見たら、北朝鮮が「新しい北朝鮮に生まれ変わりたい」という意思表示をしていることは間違いないんですが、他の国の多くは、額面通りには見ない>ともっと摩訶不思議を言った。
鼎談相手も不思議に思い、でもやっぱり「(北朝鮮は)信用できない」とか意見を述べると
<そう、だから、せっかく変わりたいと思っていても、周りが「ダメだろう」と信用しないと、なかなか変わる気が起きないじゃないですか>。
そこらの不良少年じゃあるまいし、本人が「変わりたい」と思っているのだから、その周囲は「信じている」とか「頑張れ」と言わねばならない、と人前でしゃべったり書いたりできるのは、やはり、この御仁が北朝鮮やら朝鮮総連やら、朝日新聞やNHKからお年玉が欲しいということだろう。そうじゃなきゃ、ただの阿呆だ。
そして、この阿呆記事から3日後の大晦日。今度は「北朝鮮が協議再開打診」との見出し。その下には「拉致めぐり2月にも」「日本側は留保」とある。「押してダメなら引いてみな」くらい、そこらの口達者でも言う。北の三男坊が父親からもらった「拉致カード」を握りながらうろたえている姿も浮かぶ。安倍政権も「北朝鮮が折れてくる」ことを狙っての圧力強化、強硬姿勢だった。民主党の3年と少し、べつに圧力もなかったから舐められていただけだった。つまり、29日の記事<日朝協議に影響懸念も>はスカ。ましてや伊豆見の<圧力一辺倒の姿勢はこれまで効果を出していない>は的外れもいいとこだった。
しかし、京都新聞は29日の記事などなかったかの如く、まだ<拉致問題で強硬姿勢を示す安倍政権を揺さぶる狙い>とか強がる。揺さぶられているのは阿呆なメディアだけだ。強硬姿勢、外的圧力、独自制裁で「北は折れる」など、ちゃんとした雑誌や書籍にならいくらでもあった。すなわち、伊豆見のようなインチキ専門家以外は異口同音だった。忙しい年末年始。誰も見ていないと思って阿呆を書くから、新春から恥をかくことになる。
また「アベノミクス」にケチをつけるのも左巻きの仕事。日本の景気が回復したり、国力が増すことは避けたい理由がある連中だ。この場合の担当も新聞やテレビで取り上げてくれるなら嘘も厭わない大学教授やら経済ジャーナリストになる。そんな楽しい仲間の一人、荻原博子が「女性自身」に阿呆を書いている。
<自民党が衆院選で勝利し、アベノミクスなどといわれ盛り上がっています。円安株高が進み、金融緩和でインフレがくるとの見方がありますが、これで景気が回復するかというと、お金が庶民までは回らないのが現実。小泉・安倍政権の2002~’07年のときもそうでした。景気はよくなっても収入は減り続けたのです>
ということだ。だから<その二の舞になる可能性を考えて、’13年は財布のひもを一層きつく締めていかなければならない>とのこと。景気に刺激を与えて活性化させねばならない、と誰でも知っているのに、金を使うな、と水を差す。そりゃそうだ。経済ジャーナリストという肩書、景気が良くなれば仕事はない。そのためには普段から「不景気になるぞ、不況が来るぞ、借金大国は怖いぞ」と脅しておかねばならない。
また、ところで、そんな政権交代の悪夢の夏、この同じ人間は<麻生首相は政権交代で日本は不安定になると言ってますが、民主大勝で国会のねじれも解消するわけですから、政局はむしろ安定します。株式市場はすでに政権交代を織り込み始めているので、投開票翌日から急騰することはないにしろ、当面は上昇を続けるでしょう>と書いていた(ビジネス&企業News・2009年8月26日)。
結果は周知の通り。鳩山政権誕生は下落で始まった。あれほど騒いだ「民主党銘柄」まで下がった。「教育、子育て」もそう。ガソリン税の暫定税率廃止と高速無料の自動車関連、運送関連もダメ、農家への所得保障制度も信じてもらえなかった。浮かれるお茶の間と違って市場はシビアに見ていたから、その結果としては当然の動きになった。また、いよいよその頃、日経平均は1万円を切る。一時「立ち直りかけた」日本経済がぐらついた瞬間だった。この人が本当に経済専門家なら<投開票翌日から急騰することはないにしろ、当面は上昇を続けるでしょう>は筆を折り、顔を洗って一から勉強しなおさねばならない。
しかし、頭が左に巻いている副作用は「恥を知らない」ということだ。だからまた、ぬけぬけと<財布のひもを一層きつく締めて>とか足を引っ張る。ついでに書くと<中学生以下のお子さんがいる家庭では、年少扶養控除もすでに廃止になっていますので家計は厳しくなるでしょう>は民主党の所為だろう。阿呆丸出しの子供手当導入に伴い、平成22年度の税制改正 により廃止されたのではなかったか。もう誰が何をやったかもわからないのか。
正月から阿呆だの馬鹿だの書きたくないが、今年もまあ、数は減るだろうが、安倍政権への恐怖や嫉妬から、右にも左にも阿呆や馬鹿が湧いてくることだろう。日常生活の一環として、それらを見つけたらここで報告して行きたい。今年もこんな拙ブログの場ではあるが、読者諸賢と共感したり共有したりしたい。つまるところ、今年もよろしくなのである。

麻生さんがミャンマー訪問時の表情がいきいきしてたので安心しています。「自由と繁栄の弧」を日本こそがアジアの盟主たる証しとして早く完成ほしいです。
おめでとうございます。今年もよろしくです。
勉強会&新年会。やりまひょ。