ガウスの旅のブログ

学生時代から大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。現在は岬と灯台、歴史的町並み等を巡りながら温泉を楽しんでいます。

旅の豆知識「旅籠」

2017年06月30日 | 旅の豆知識
 近年、昔からの旧街道を旅する人が増えています。中には、徒歩で、旧中山道や旧東海道を旅する人もいるのです。
 そんな旅人ならば、宿泊も近代的なホテルよりも、昔ながらの「旅籠」と呼ばれている宿泊施設の方がよいのではないでしょうか。
 江戸時代から明治時代初期の鉄道のなかった時には、徒歩で旅行する人がほとんどでした。そのころは、街道に一定の距離ごと宿場があって、食事付き宿泊施設である「旅籠」がたくさん並んでいたのです。
 明治時代以降、旧街道を旅する人も少なくなり、ほとんどの「旅籠」が廃業してしまいました。しかし、わずか数軒ですが、昔からの建物で、旅館を営んでいるところもあり、宿泊も可能です。また、昔ながらの旅文化を感じさせるものとして、文化財に指定されて、建物が保存公開されているところもいくつかあります。
 こういうところを旧街道を旅する時のプランに入れてみてはいかがでしょうか。

〇「旅籠」とは?
 「はたご」という言葉はもともとは旅の時、馬の飼料を入れる籠(かご)の事でした。それが、旅人の食糧等を入れる器の意味になり、さらに食事を提供する宿屋を言うようになりました。
 江戸時代には宿場ごとに多くの旅籠があって泊まり客で賑わいました。しかし、明治時代になって旧街道が廃れ、鉄道網が発達してくると、徒歩や牛馬による交通が減少し、旅籠も廃業に追い込まれたり、駅前に移転するところが相次ぐようになり、現在でも、旧宿場町の同じ場所で昔のままに旅館を営んでいるものは数えるほどしかありません。
 しかし、旧街道を旅するときは旅籠ほどそれに似つかわしい宿はないと思います。昔ながらのたたずまい、歴史を感じさせる応対の良さ、まさに旅籠文化とでも言うようなものが息づいているのです。
 ほんとうに歴史的に価値のある文化財がたんなる旧跡としてあるのではなく、現在でも宿泊できる生きている形で存在しているのはとても大切なことだと思います。旧街道を巡る人だけでなく、日本の文化を愛する人にはぜひ泊まってもらいたいと考えています。

☆現存し宿泊できる旅籠
 中山道芦田宿旅籠「土屋」<金丸土屋旅館>(長野県北佐久郡立科町)
 中山道奈良井宿旅籠「越後屋」(長野県塩尻市)
 中山道妻籠宿旅籠「松代屋」(長野県木曽郡南木曽町)
 中山道細久手宿旅籠「大黒屋」(岐阜県瑞浪市)
 中山道垂井宿旅籠「亀丸屋」(岐阜県不破郡垂井町)

☆現存し公開されている旧旅籠(宿泊はできないが、一般公開されていて見学できる)
 東海道岡部宿旧旅籠「柏屋」<かしばや>(静岡県藤枝市) - 国の登録有形文化財
 東海道日坂宿旧旅籠「川坂屋」(静岡県掛川市)
 東海道日坂宿旧旅籠「萬屋」(静岡県掛川市)
 東海道新居宿旧旅籠「紀伊国屋」(静岡県湖西市)
 東海道二川宿旧旅籠「清明屋」(愛知県豊橋市) - 市指定有形文化財
 東海道関宿旧旅籠「玉屋」(三重県亀山市)
 北国街道今庄宿旧旅籠「若狭屋」(福井県南越前町)
 中山道鵜沼宿旧旅籠「絹屋」(岐阜県各務原市 各務原市の施設「中山道鵜沼宿町屋館」)
 中山道望月宿旧旅籠「大和屋」(長野県佐久市) - 国の重要文化財

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