余録

新天地

金子やから望む勝浦川・・疲れきってやっと辿り着いた宿  5/22 (33)

2006年03月25日 00時02分19秒 | お遍路さん
邪悪な心をもつものはここから先へは進めない・・
・・と言われている第19番立江寺の関所寺へ着いた。

立派な仁王門をくぐると開放的な雰囲気漂う境内が広がる。
仁王門を入ると直ぐにベンチがあった。
ザックを下ろし一息つく。
5月の陽射しが容赦なく照りつける様は疲労を更に倍化させる。
ペットボトルをザックから取り出し一気に飲み干してしまった。
近くに水飲み場があった。

本堂、大師堂を打ち終え時間が11時を少し回った。

今日のこれからの日程は民宿金子やへ向かうだけだ。

今朝徳島大鶴旅館の接待の御弁当で昼食時間にした。
仁王門を入って直ぐ左手のベンチに腰を下ろした。
お弁当に合掌し、おにぎりが3個奥さんを脳裏に浮かべながら
感謝をしながらゆっくり味を噛み締めながら頂いた。

ベンチから数十メートルの距離の場所には水道水があって
持っていたペットボトルにキャップの淵まで水を補給した。

立江寺を打ち終え国道28号、22号、16号から
勝浦町の民宿金子やまでの距離10,2kmだ。
初夏の陽射しが照り付け体がだらけてくる。
何とか足もまだ持ちこたえられそうだ

国道28号は歩道が全く無い。
自動車の交通量もある。
国道は直線道路でなくS字にカーブがあって車に注意しながら歩くと
気持ちが滅入ってくる。

額から汗が滴る。
立江寺の水道水が美味しくない。
水道水の味に違和感があった。

今は小松島市内の住宅街を歩いている。
何処かの家で水を恵んで貰おうと
誰か人に会えないものだろうかと考えながら歩んでいた。
中々人に出会うことが無い。

住宅街から少し離れようとした時
前から60代の作業服の男性に会う事が出来た。
男性に向かって水をいただけませんか・・聞いて見た。
どうぞいいですよ・・と言ってくれたから
私は元来た方向へ男性の後を追った。

男性は農機具の入っている広くて大きい物置の中に入った。
私も男性の後に続きそこは台所に通じた。
冷蔵庫から大型のペットボトルを持ってきてくれて
私の持っていた普通サイズのペットボトルに水を入れ替えてくれた。

私は名札を渡してお礼を言い大変助かった。

人の情けにすがりながら歩く遍路道だ・・・・・思い出していた。

強い陽射しが照り付け風も無く、山間の国道は日陰が全く無い。
少しずつ体がだるくなった。
時々車のエンジンが激しく走り寄る音に
ストレスを感じる二重の叫びが長く感じられた。

山を越えて、今度は勝浦川の流れを右に見ながら16号を上流に向かう。

景色が広がって眺めが良いが足が思うように動いてくれなかった。

川からの涼しい風が汗に汚れた頬を気持ち良い。

小学校の下校時間と見えて前方に子供達を見た。
ランドセルを背負っておしゃべりしながら
とても賑やかな大きな声が耳に入ってくる。

私とすれ違う時には必ず子供達は・・さようなら・・と声を掛けてくれる。
子供達の声が疲れた身体を和ましてくれる。
私も・・気をつけてね・・と言葉で返してあげる事が背一杯の挨拶です。

勝浦町に近くなってきた頃
私は後方からの夫婦に今晩の宿は金子やですか・・と聞かれた。
そうです・・答える。
夫婦と今日は同宿だ。



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