六本木の国立新美術館で開催中の「DOMANI・明日展」に行ってきました。
文化庁の在外研修制度で海外に派遣された12人の若いアーティストにその成果を発表してもらおうという展覧会です。絵画、工芸、彫刻などジャンルも世代も行った国も全く異なった12人が、それぞれに与えられたスペースに自作を展示しています。
現存の若いアーティストの作品が美術館に展示される機会はなかなか少ないですし、出展作家はいずれも実力のある、これからが期待される作家たちなので、ずっと行かなきゃと思いつつ年を越してしまいました。
クッションなど布の質感までも再現した伊庭靖子さんの絵画にしても、真っ赤で巨大な種を作った礒崎真理子さんの彫刻も、高所恐怖症の人には凝視できないかもしれない安田佐智種さんのビル群を写した大判写真も、見ごたえありましたよ。
1月号に登場してくれた呉亜沙さんの作品は、これまでも何度か見ていたのですが、あらためて主人公の女の子とウサギの物語を絵本を見るようにじっくり見られてました(ここが一番時間かかった)。吉田暁子さんは枝からテグスを伸ばした3本の樹と椅子のインスタレーションと、目立たないですが壁面に設置された平面作品を組み合わせていました。1月号の記事にも書いたとおり、人間の視覚と絵画の関係を意識させる特異な展示物で、一般の人にはちょっと難解だったかも。
そうそう栗本夏樹さんの車のボンネットに漆を塗った造形も、意外性の割りにちゃんと綺麗で好感をもったし、浅見貴子さんの墨の絵も、枝や葉がこちらに迫ってくるようなダイナミズムに波動のようなものを感じたな。
残念なのは、こんなにいい展覧会なのに、あまり話題になっていないこと。内覧会に行った人たちで、どこかの媒体にコメントしたり、掲示板に書き込んだりしないのかな? 美術評論家、それも若い書き手たちに積極的に作品や作家について発言して欲しいものです。こういう作家にこそ、評論というか発言していくことが必要だと思うのですが。
ちなみにホームページには、作家のプロフィールもない。不便なのでここに12人の名前だけ挙げておきますね。
久保田繁雄(繊維造形)1947年京都府生まれ
吉仲正直(絵画)1942年生まれ
栗本夏樹(漆造形)1961年大阪府生まれ
伊庭靖子(絵画)1967年京都府生まれ
安田佐智種(写真)
吉田暁子(現代美術)1970年岐阜県生まれ
礒崎真理子(彫刻)1964年東京都生まれ
呉亜沙(洋画)1978年神奈川県生まれ
三田村光土里(ビデオ&インスタレーション)
浅見貴子(絵画)1964年埼玉県生まれ
高野浩子(彫刻)1976年島根県生まれ
藤原彩人(彫刻)1975年京都府生まれ
行って損はない展覧会です。おすすめ。
「DOMANI・明日展」
会場 国立新美術館
会期 2009年12月12日(土)~2010年1月24日(日)
休館日 毎週火曜日
開館時間 10:00から18:00まで ※金曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで。
入場料 1,000円(一般)、 700円(大学生)
文化庁の在外研修制度で海外に派遣された12人の若いアーティストにその成果を発表してもらおうという展覧会です。絵画、工芸、彫刻などジャンルも世代も行った国も全く異なった12人が、それぞれに与えられたスペースに自作を展示しています。
現存の若いアーティストの作品が美術館に展示される機会はなかなか少ないですし、出展作家はいずれも実力のある、これからが期待される作家たちなので、ずっと行かなきゃと思いつつ年を越してしまいました。
クッションなど布の質感までも再現した伊庭靖子さんの絵画にしても、真っ赤で巨大な種を作った礒崎真理子さんの彫刻も、高所恐怖症の人には凝視できないかもしれない安田佐智種さんのビル群を写した大判写真も、見ごたえありましたよ。
1月号に登場してくれた呉亜沙さんの作品は、これまでも何度か見ていたのですが、あらためて主人公の女の子とウサギの物語を絵本を見るようにじっくり見られてました(ここが一番時間かかった)。吉田暁子さんは枝からテグスを伸ばした3本の樹と椅子のインスタレーションと、目立たないですが壁面に設置された平面作品を組み合わせていました。1月号の記事にも書いたとおり、人間の視覚と絵画の関係を意識させる特異な展示物で、一般の人にはちょっと難解だったかも。
そうそう栗本夏樹さんの車のボンネットに漆を塗った造形も、意外性の割りにちゃんと綺麗で好感をもったし、浅見貴子さんの墨の絵も、枝や葉がこちらに迫ってくるようなダイナミズムに波動のようなものを感じたな。
残念なのは、こんなにいい展覧会なのに、あまり話題になっていないこと。内覧会に行った人たちで、どこかの媒体にコメントしたり、掲示板に書き込んだりしないのかな? 美術評論家、それも若い書き手たちに積極的に作品や作家について発言して欲しいものです。こういう作家にこそ、評論というか発言していくことが必要だと思うのですが。
ちなみにホームページには、作家のプロフィールもない。不便なのでここに12人の名前だけ挙げておきますね。
久保田繁雄(繊維造形)1947年京都府生まれ
吉仲正直(絵画)1942年生まれ
栗本夏樹(漆造形)1961年大阪府生まれ
伊庭靖子(絵画)1967年京都府生まれ
安田佐智種(写真)
吉田暁子(現代美術)1970年岐阜県生まれ
礒崎真理子(彫刻)1964年東京都生まれ
呉亜沙(洋画)1978年神奈川県生まれ
三田村光土里(ビデオ&インスタレーション)
浅見貴子(絵画)1964年埼玉県生まれ
高野浩子(彫刻)1976年島根県生まれ
藤原彩人(彫刻)1975年京都府生まれ
行って損はない展覧会です。おすすめ。
「DOMANI・明日展」
会場 国立新美術館
会期 2009年12月12日(土)~2010年1月24日(日)
休館日 毎週火曜日
開館時間 10:00から18:00まで ※金曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで。
入場料 1,000円(一般)、 700円(大学生)