9月16日~19日の4日間、北京でアートフェア「ファインアート北京2010」が開催されました。去年が第一回展で、そのときは11月の開催でしたから、会期が二ヶ月も早まったことになります。
去年もそうだったのですが、今回も最も存在感を示したのはヨーロッパ19世紀絵画を扱うドイツの画廊とやはりバルビゾン派を扱う上海の画廊でした。開場時点で、つまりカタログの情報だけで3点売った画廊もあったほどです。
それと中国の写実・具象絵画の力を見せ付けたのも、昨年のこのフェアの功績だと思うのですが、今年も冷軍、陳逸飛、王沂東といった「中国写実画派」の実力派画家の作品が目を惹きました。息を呑むくらいに綺麗な、しかも迫真の写実画にみなさん顔を近づけて、目を見開いて見てましたね。
冷軍さんの「モナリザ」は何度も間近でみているのですが、今回もやはり目を近づけてじっくり見てしまいました。
ちなみに冒頭の写真は会場入り口広場のディスプレイ。スポンサーであるベンツの新型車がドーンと真ん中にあって、それを囲むように巨大な短冊形のスクリーンに美術品が動画で映し出されていました。ちょうど、左から李貴君、李善陽、王沂東それぞれが描いた少女像が映っているところです。
まさに出版されたばかりの月刊美術10月号が写実画特集でして、そこに中国の写実画についての記事も掲載していたので、その力を生で見られたのが一番よかったですかね。そういえば、これを書いてくれたペニーさんにもお礼を直接言うことができました。
初日は雨、しかもいま北京は好景気に沸いているようでタクシーがなかなかつかまらなくて出足は鈍かったのですが、2日目の午後に晴れ間が見られると一挙に人が集まってきました。売上げも伸びた模様。フェアはなんだかんだいって、売れないと!
前の週に上海で開かれたコンテンポラリーフェア「ShContemporary」がやや不調だったこともあって、金融不安による美術市場への悪影響がここでも心配されたのですが、このファインアート北京に関しては、大丈夫だったようです。
今回はジュエリーや工芸の画廊も出展してます。
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次号で詳しいレポートを掲載しますので、是非お楽しみに。
※そういえば、日本で報道されているような尖閣諸島問題は現地では全く聞きませんでした。反日運動もないし、日本人ですっていうと普通に歓迎してくれますしね。あれって、一部の政治家と一部のマスコミの間の内輪ネタみたいな感じすらします。それはそれで現実なんでしょうが、一般人には全然関係ないですね。だから旅行を中止するとか、公演を中止するっていうのは、現場を知らない人の判断だと思います。