月刊美術編集部ブログ

アートにどっぷりとひたる毎日

目黒・学芸大学のYukari Art Contemporary 田代裕基展

2010年05月30日 | 管理人兼水泳部員N
前回に引き続き木彫つながりの話題を。

次号の巻頭特集の取材のため、Yukari Art Contemporaryへ行くと、ちょうど木彫の田代裕基さんの展覧会のオープニング日。

会場に入ってすぐの展示室は正直広いとは言いがたいのに、その空間すべてを覆うように一体の作品が鎮座して出迎えてくれました。題して「呼吸」。木で出来たトゲというか、突起が無数に、まるでうねうねと成長した密林植物のように生えた枝の集合体の上に、象、エレファントの方の象の頭部が載っているという作品。なかなかインパクトもあるし、よく見ると象の顔なんかリアル。象牙の鋭さと象の肌のゴワゴワ感がよく出ていました。

で、奥の展示室で撮影したのが、写真の作品たち。彫刻だから、生きちゃいないのですが生命感があるし、サルとかトラとかバクとか、あまり近くで本物をみたことがない動物なのに、きっとこんな顔なんだろうと納得させられる説得力もありました。



作家の田代さんも気さくな感じで、よく話してくださいました。
制作に時間がかかるので、そう頻繁には展覧会ができないそうなので、この機会をお見逃しなく。ちょっと駅から遠いけど。あと営業日が木、金、土曜日と予約制の水曜のみなので、ご注意を。

田代裕基展
5月29日(土)~6月26日(土)

営業時間:木曜日〜土曜日 11時〜19時(最終日〜17時)、水曜日事前予約制
休廊日:日曜日、月曜日、火曜日
http://www.yukariart-contemporary.com/jp/

200万円をねらえ!

2010年05月17日 | 管理人兼水泳部員N
先週、台北に行ってきました。
主な目的は「ヤングアート台北」というアートフェアだったのですが、そこで日本の若い彫刻家に耳寄りなニュースを聞いたので、お知らせします。

「2010 台湾国際木彫コンクール」というコンペというか、コンクール展が、三義木彫博物館(Sanyi Wood Sculpture Museum)で近々開催されるそうなのです。で、その1等賞金がなんと60万NTドル(ニュー台湾ドル)だというのです。1NTドルが約3.5円なので、計算すると・・・・・・210万円!!
それだけでなく、2等賞金は30万NTドル(105万円)、3等が20万NTドル(70万円)しかも2人、佳作の5人にもそれぞれ10万NTドル(35万円)が用意されています。


去年のグランプリ、イギリスのマーティン・バラット(Martin Barratt)の作品

国際展なので、台湾国外からの出品もドシドシ応募してください、とのこと。この情報をくれたのは、前回の北京取材で知り合った台湾人の知り合い、つまり「友達の輪」というか、数珠つなぎ人脈でして、写真のアリエルさんというコンペの広報スタッフによるもの。聞くと、応募資格は「過去2年間の未発表オリジナル作品」ということだけ。木彫または木を含んだ混合技法で、サイズが各辺60~150センチというから、公募展レベルの結構大きい作品の出品が期待されています。

いきなり作品を送るのではなく、1次審査の写真審査なので、まずは気軽に送ってみては? すでに応募期間は始まっていて、6月4日が必着。応募用紙に記入して、4×6インチの写真4枚(前後左右から撮影)を送って欲しいとのこと。これには付録として、写真データをCD-ROMに焼いて添付してもいいし、さらに10分程度ならデジタルビデオで作者のコンセプトや制作プロセスや工房の様子、さらに参考作品を撮影して添付して送ってもいいそうです。

一次審査に通過すると郵便で合否が知らされ、合格すると2次審査では6月19日~7月9日に作品を送って審査されます。海外からの参加の場合は作品の輸送に主催者のサポートがあるらしいので、積極的に聞いて見るといいでしょう。

賞金のほかにも、上位3名には美術館での常設展示の機会が与えられます。また寄贈も歓迎とのこと。さらに海外参加者のトップ3人には、受賞セレモニー出席のための滞在費も提供されます。賞金がもらえて、台湾に行けて、そして希望によっては自分の作品が現地の美術館に収蔵されるという、これからの彫刻家にとっては見逃せない内容です。そしてなにより沢山の人に作品を見てもらえる喜びは計り知れません。

苗栗県という地方の行政機関の主催の彫刻展というから、日本でいえばさながら鳥取県倉吉市の「緑の彫刻賞」に近いですね。会場が美術館じゃなく、博物館というところも同じ。今回が3回目らしいので、若い作家にも十分可能性があります。

詳しくはホームページをご覧下さい、といいたいところだけど、中国語と英語しかありません。でもこの私の文章だけでもほぼ語り尽くされているので、あとは応募用紙に書き込んで送れば、あとはなんとかなります。

展示期間は7月12日~9月26日
場所は三義木彫博物館(正式には苗栗県政府国際文化観光局木彫博物館)
ホームページはこちら

親切なことに、アリエルさんから応募用紙も送られてきたので、こちらからダウンロードしてください。
英語バージョンはこちら
中国語バージョンはこちら

200万円は・・・・・・でかいな。
ちなみにアリエルさんですが、別に外人でもハーフでもなく生粋の台湾人です。なぜか男女問わず、台湾の人たちは必ずといっていいほど英語名をもっているんですね。なぜでしょう。
どなたか理由を知ってる人がいたら教えてください。


展示風景



アート北京2010

2010年05月04日 | 管理人兼水泳部員N
去年の秋に「ファインアート北京」というアートフェアのことを書きましたか、こちらは同じ主催者によるオリジナルのコンテンポラリーアートフェア「アート北京2010」です。

去年の45画廊から一気に74画廊に出展が増えました。中国はもちろん、韓国、台湾の有名画廊が最前列を飾っていたのか印象的でしたね。そして日本からも東京画廊がエントリー。アジア圏のコンテンポラリーアートの見取り図が手に取るようによくわかった良いイベントでした。

写真は香港の画廊が出品していた巨大彫刻。
もっと写真を見たい方はこちらをどうぞ

7月号で詳細にレポートします。