ふとしたこと

日々に気づいたことを書きます

いやだ、いやだと言いながら・・・

2014年11月03日 21時33分34秒 | ランクル

 

中学生の頃、山登りの好きな先生が居られて、春や秋の遠足っていうと、

いつも武蔵野郊外の山登りだった。

10代初めの頃だったから、そんなにキツいとは思わなかったけど

1000m~1400mくらいの奥多摩の峰へ連れて行かれてた。

登り始めのJRの駅が大体標高で300m程度だから

700m~1000mくらい登らされていた勘定になる。

たいてい雨にたたられて帰途はびしょ濡れになるんだけど誰もモンクなんか言わなかった。

今になって思えば、その界隈は渓流が沢山あってヤマメの宝庫だったに違いない。

この先生は魚釣りも大好きな人だったのを思い出す。

川井だとか御岳だとか、鳩ノ巣なんて言う駅で下りて登り始めたんだった。

四国へ来た当初も山登りだとか魚釣りなんかはまったく興味が無かったから

この地で登った山なんて両手の指で数えられるほどしか無い。

渓流釣りで山に入って釣り上がっても山の名などまったく知らず

およそ山登りを自ら買って出るなんてことは無かったし、これからも無いだろう。

ところが、山釣りをする渓師たちは、実は山登りが大好きな連中が多いのだ。

ぜいぜい、はぁはぁ言ってオノレの体を痛めつけては喜んでる人が多い。

或いは、もともと山男だったのが魚釣りを覚えて釣師になったってこと。

どうも、お魚釣りをしてるとそういう人との付き合いが増えて

しまった!と気づいた時には山へ引きずり込まれるというケースが多い。

今回の山登りもその例である。

相棒に言わせれば、こんなもの山登りのうちには入らないそうだ。

彼にとっては日々のトレーニングにも及ばぬ山歩きのようであった。

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四国山脈の背骨を東西90kmに亘って走る山岳路がある。

オフロード・バイクの愛好者ならメッカと仰ぐ「剣山スーパー林道」だ。

林道の存在は40歳の頃から知っていた。

当時は自分もバイクに乗っていて、友人がここを目指して東京の有明港からフェリーに乗り

高知へ上陸する計画を立てたりしてたから。

オフロードを走るのは嫌いぢゃ無くて四国へ来てから何度も未舗装の長距離林道を走りました。

勿論、バイクではなくて4WDのトラックみたいな野蛮な車ですが。

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今回は二度ほど釣行したことのある渓の奥から、このスーパー林道へ抜ける林道が

遂に完成したので、早速見届けようぢゃないの?という話でした。

何週間も前から計画していたが、メンバーの都合が悪くて実現しなかった。

今回も天候の悪さやら、メンバーの不都合にも拘わらず

もう秋も終わりだ、

山の紅葉もダメになるぞ!

という切羽詰まったものがあって強行することになった。

 

川原谷奥のヘアピン・カーブからスーパー林道の川成峠までの区間が開通したのである。

実に43年間にも及ぶ工事だったようだ。

この峠に至る道筋から眺めた朝景色。

山襞に浸み込むような靄が美味しそうな朝。

それを眺める相棒の源流釣師:松っちゃん。

川成峠から目指す「ほら貝の滝登山口」までは所謂スーパー林道だが、かなりの時間を要した。

そこへ至る道は、多くの流れを横切っていく。

標高1000mを越える渓流に映える紅葉の素晴らしさは

京都のお寺の紅葉などとはレベルが違う。

到底写真では捉えきれない清廉が漂っている。

やがてのことに目的である「ほら貝の滝」の登山道に至った。

あっちこちで写真を撮りながら余裕で歩く松っちゃんをよそに

オイラはぜぃぜぃ言いながら山道を這うように進む。

オイラが写真を撮っていたのではめちゃくちゃペースが落ちるから

もっぱら歩け、歩けなのである。

自然の色合いは喧嘩なんかしないな。

そしてどんなに枝が込入っていてもノイジーではない。

まぁ~たった二人でこの辺を独占するのが申し訳ないような

秋色の散策である。

1時間半を要してお目当ての滝へ。

ほら貝の吹き口に似ているとその名がついた「ほら貝の滝」

規模こそ、それほどのものではないかも知れないが

美しい滝であった。

魚止め滝であろう。

ここで軽い昼食を取って・・・相棒とはしばしのオサラバである。

体力に余りある松ちゃんは、ここから左岸の傾斜に取り付いた。

勿論、登山道など見当たらぬ。

獣道か藪漕ぎを覚悟で槍戸山頂を目指すという。

直登400m尾根に出て南の槍戸山頂を経て、東へ下る行程を3時間と見た。

何度も言うようで恐縮だが、体力も山登りの気力も無いオイラはここから

もと来た道を引き返して、正規の登山口へ降り来る予定の松ちゃんを車で迎えに行くことにした。

写真を撮りながら下っても余裕で彼を迎えに行ける。

途中、時々渓まで下って流れに映える秋色を楽しみながら。

水量は少なめであろうか。

人間が作ったものは、いかに優れた工芸品や

絵画や書であろうと

なんとも言えぬいやらしさが漂うものだ。

特にプロと言われて職業としてお金と引き換えに作られたものほど

むごたらしいものを感じる。

ふと、遠方に目をやると・・・

剣山の南斜面が望めた。

この道の切れたところから

誰かが歩いてくるような錯覚に襲われる。

登山口に戻って靴を脱いだり

水を飲んだりして

約束の3時間にはずいぶん早かったが槍戸山登山口へ車を走らせると!

な~んと携帯電話のアンテナのあるところで

松ちゃんが待ってるではないか?

なんちゅう速さだ。

まったく疲れを見せない様子で

「楽勝でしたぜぇ~」なんて言う。

予定の時間を1時間も短縮しているではないか?

ああ、やっぱり付いていかなくて正解だったわ。

こういう人と一緒になって山歩きなんかするもんではないと確信。

それにしても最後が凄かった。

ここから小一時間で川成峠へ戻ってみると

濃霧!!

White Outって奴。

ライト点けて写真撮ろう!なんて余裕のよっちゃんならぬ松ちゃん。

まいっちゃうよな。

このミルクの中を運転しなきゃいかんのだぜぇ。

周りの木々もお化けみたいだぁ~

こんな中をジタジタしながら時速6km

まるで歩くような速度で・・・

お~いライトく~ん。

もっとあかるくならんのかぁ~?

なんて心で叫びながら下山しました。

2年前に亡くなったポチにはHIDの明るい目玉を入れてたのだが

今は金欠病で暗い目しか持ってない黒狸。可哀想!!

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冗長なレポート、御免なさいね。

もっと正確なレポートはこちら

松ちゃんの書き物をご覧下さい。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
幻想的な (ナル)
2014-11-04 06:44:41
なんとも心踊る様子ですね。

渓流好きな方は、確かに、山が好きな方も多いですね。自然に身を置くのが好きなんでしょうね。

うちなんかは、秋から春にかけて、近くの軽登山を家族で楽しんでいます。まあ、トレッキングです。

そうそう、うちは、飲んだり料理したりする水は、湧き水なんですよ。軟らかくて最高です。
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自然は美しいのは何故? (ginjiro)
2014-11-04 07:38:58
何故、美しいと思ってしまうんでしょう?

イノシシや熊も同じように思ってるんでしょうかねぇ??

それとも美醜の感覚ってのは人間だけのものなんでしょうか?

湧き水で料理なんて・・・聞いただけで胃袋がキュッとなりますよ!!

日本って良い国ですね。大事にしないとね。
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Unknown (ぽんちゃん)
2014-11-04 09:48:52
奥多摩と言うと太田蘭三の渓流ミステリーを思い出します。
彼も渓流釣りと山登りが好きだったようです。

しかし素晴らしい自然ですね。
徳島生まれの私ですが、一度も剣山には登ったことがありません。
石鎚は何度かありますが。
最近呼吸器系がやられてしまい、ハードなことが出来づらくなりつつあり、寂しい思いをしています。
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RE:ぽんちゃん (ginjiro)
2014-11-04 10:38:32
一冊だけ大田蘭三さんの渓流ミステリーを読んだことがあります。確か、「葛根田川殺人事件」って言ったかな?

面白かったのを覚えてます。国土地理院の地図と首っ引きで葛根田川の様子を想像しながら読みました。

ぽんちゃんは徳島のお生まれでしたか。徳島って良いですねぇ。仲間もみ~んな徳島県にお世話になっております。石鎚山は上ったことがありません。伊予西条へは何度か釣りで行きましたが。

呼吸器って?タバコのせいですか?自分も山登りすると足はなんとも無いのですが胸が苦しいですね。
私の場合はタバコで肺のフィルターが詰まってるんだと思いますね。
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