鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

希望の継承者サーシアー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第七話

2019-08-21 21:41:05 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー希望の継承者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第七話


海底洞窟内をダイブして行くFS型宙雷艇。



縦穴を百メートル程、ダイブしたところで繋がる横穴を五十メートル程進んだ。
今度はダイブした縦穴とは別の縦穴を浮上した。
七十メートル程で、浮上すると広大に開けた宮殿の大広間を思わせるような空間が姿を現した。
調査団のFS型宙雷艇に横付けするように接岸、近衛兵団長を先頭に二人の近衛兵が上陸、その後にアベルト、そして残りの近衛兵が上陸した。




「総統。此方です。」
調査団団長はアベルトの姿を確認すると同時に右手を肩の高さに水平に上げ、肘から先を九十度に曲げ、手の掌をアベルトに見せるように素早く上げた。
アベルトの返礼を確認し、素早く上げた手を下ろした。

「コツコツ。」と足音が響き渡る。
大広間のような空間の中央付近を少し過ぎたところで、調査団団長が足を止めた。

「総統。これを観て下さい。」
調査団団長が手を伸ばす先には蒼白く光を放つ波動コアが、ポツンと台座に置かれていた。
アベルトが一本踏み出すと、その蒼白く光を放つ波動コアの前に、空間ホログラムが浮かび上がった。



「よく参られた。旅の者よ。」

その言葉を耳にすると同時にアベルトは、片膝を床に付き、右手を胸に当て、頭(こうべ)を垂れた。

「女神アクエリアスよ。突然の訪問を御許し下さい。」
「私はアベルト・デスラー。」

「デスラーとやら、顔を上げなさい。」
「ソナタら人間が、この地を訪れたという事で、デスラー、あなたの訪ねた理由は解ります。」
「あなた方の母星が水没する日が近いのですね。」
「そして、このアケーリアスの軌道を変える方法が見つからない。」
「軌道を変える事が叶わぬなら、新天地を教えて欲しい。」
「そうですね!?」

アベルトは無言のまま、女神アクエリアスを見詰めた。

「デスラーよ。あなた方の住む星が、このアケーリアスと出会うのは、本来なら八十年以上未来のはずでした。」
「ですが、何者かによって、人工的に空間を跳躍させられしまったのです。」

「歴史は変えられても、運命は変える事が出来ない。と云う事ですかな!?」

「そうです。」
「ですが、これは不本意な出来事。」
「あなた方に新天地と成るかも知れない場所を教えて差し上げましょう。」
そう云うと女神アクエリアスは瞳を閉じ、自身の前にもう一つ空間ホログラムを映し出した。




「……ジレルか?」
アベルトの心に浮かんだ言葉。

「そうです。かつてあなた方に迫害され、母星を失った種族。」
「あなた方に共存共栄の意思がお有りなら、それを示す事で受け入れられる事でしょう。」
「このシャンブロウならあなた方に必要な大気を有しています。」
「正確には、大気を変えてくれるでしょう。シャンブロウにはそれが可能。」



「……。」

「どうしました?」

アベルトは少し沈黙した後、女神アクエリアスの提案を受け入れた。
「ジレルの民と逢おう。」

「そうですか。では、路先案内人を紹介しましょう。」



「総統。お久しぶりですね。」
路先案内人として紹介された人物、それはかつてガミラスに、いや、アベルトに忠誠を誓って不幸にしてこの世を去ったミーゼラ・セレステラであった__。



「お前は!」

「止めろ!銃を下ろせ!」

「女神アクエリアスよ。私は幻覚を観ているのかな?」

「いいえ。幻覚などでは、ありません。」
「この広大な宇宙をすがる想いで彷徨う魂を復元したのです。魂の波動がエレメント化するまでの間だけの生体です。」

こうしてジレルの聖地シャンブロウを目指す事と成ったデスラーたち。

だが、この時を待っていたかのように、惑星アクエリアスの上空にワープアウトして来る暗黒星団帝国艦隊の姿があった__。


◆◆◆◆


【FS型宙雷艇】

分類戦闘艇

全長:33m

乗員:8名

武装

33mm四連装レーザー機関砲×1(艇体上部)

133mm単装陽電子カノン砲×1(艇首下面)

両袖下部に大型魚雷(または対艦ミサイル)を2基懸架可能。

基本設計の優秀さから、艇体下面に砲塔を増設した重武装型、魚雷発射管を除去して陽電子ビーム砲を搭載した陽電子砲艇、魚雷搭載数を削減して人員輸送用の空間(空間機甲猟兵一個分隊・約6名分)を確保した強襲特務型のほか、航宙機雷敷設型、掃宙艇など、さまざま派生型が生産されている。





第八話
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

希望の継承者サーシアー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第六話

2019-08-19 23:29:06 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー希望の継承者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第六話




「古代艦長!」
慌てた口調で、市川が告げてくる。

「地球から第七防衛艦隊が出撃したと連絡が入りました!」
「此方に向かっているとの事です!」

「うむ。了解した。」

「全艦に通達。これよりヤマトは、シュヘラザードを護衛、当該衛星エンケラドゥスを離脱する。」
「戦闘配置はそのまま。」

「椎名迎撃隊は発艦、シュヘラザードを護衛、佐々木中尉の指揮下に入れ。」

「椎名隊了解!」

「島 航海長。エンケラドゥス離脱後、コースを木星衛星ガニメデ補給基地へ。」

「コース。ガニメデ補給基地。ヨーソロ。」

古代は命令を下して直ぐに、胸の前に腕を組、瞳を閉じ、考え込んだ。

あと三日で何が出来るか?
全地球人類を脱出させる事も出来ない。
いや、仮に地球をはじめとする太陽系内に点在する艦船を全て投入して、24時間フルで三日間、分散して乗船、乗艦させ、地球を脱出。
だが、行く宛は無い。

三日以内に今しがたまで目の前のに存在した「暗黒星団帝国サーダ総軍師」を名乗る者を確保し、聞き出す。
口を割るはずもない。

では、どうする?



「……彼女は、人工のと云っていた。」
「ならば、壊す事も可能……。」
「やれる事、思いつく事をやる。それだけだ。」

古代は「ハッ!」とすると閉じていた瞳を開らいた。


◆◆◆◆


ー惑星アクエリアス内ー


ゆっくりと着水するデスラー戦闘母艦をはじめとするデスラー近衛艦隊。

デスラー近衛艦隊

アベルト・デスラー座乗艦を旗艦として、量産型:改・ゲルバデス級六隻、クリピテラ級駆逐艦六十隻、ハイゼラード級六隻、計七十三隻の機動力を重視した編成艦隊である。

着水完了と同時に調査団第二陣を上陸させた。
第二陣と入れ替わるように第一陣調査団から、調査報告が飛び込む。

「コチラ第一陣調査団!」
「本隊から北に約20キロの地点に洞窟を発見!周りは海に囲まれています。」
「ブルーホール内、海底洞窟と云えば分かりやすいかと。」
「その洞窟内に遺跡と思われるものを発見!」

「繰り返す!洞窟内に遺跡を発見!」



【イメージ】

ブルーホール(英:blue hole)は、かつての洞窟や鍾乳洞といった地形が何らかの理由により海中へ水没し、浅瀬に穴が空いたように形成された地形である。



「タラン参謀長。聞いての通りだ。」

「ハッ!直ちに!」

七十三隻ものデスラー近衛隊艦が、一斉に動き出す。
穏やかな海面が波しぶきを上げ始める。
大小、幾つもの波しぶきは、まるで獲物に群がる鮫のようである。
機関再始動から僅か十分と掛からず、宇宙艦の群れは、ブルーホール=海底洞窟の入り口を取り囲んでいた。

「タラン参謀長。我が艦以外は上空で待機させよ。」
「私は調査団と合流する。」
「兵団長。海底洞窟へ突入準備だ。」

「ザーベルク!」




第七話
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

希望の継承者サーシアー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第五話

2019-08-18 21:21:22 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー希望の継承者サーシアー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第五話




「サーダ総軍師と言いましたね。」
「自分の返事を聞かせてやる。」
「自分の返事は、目の前の未来を掴む事だ。イスカンダルの船を救助する。」
古代の回答はイスカンダルの船シュヘラザードを救助するであった。

「ほほう。」
「母星を見捨て、イスカンダルの船を助けるか。」
「それで良いのだな。古代艦長。」

「では、古代艦長。お前たちの母星は、我ら暗黒星団帝国が頂く。」
「三日後、あと三日後には、お前たちの母星が我らが造り出したブラックホールに呑み込まれる。とくと見届けるがよい。」
不適に高笑いするサーダ。
そこで、サーダとの映像通信は「プツリ。」と切れてしまう。

そんな中、古代は命令を継続、指示を飛ばした。
第四格納庫で待機する佐々木中尉に発艦命令が下り、佐々木中尉の搭乗するコスモブースターは、イスカンダルの宇宙船(ふね)シュヘラザードを護衛、臨戦体制に入った。
同様にヤマトもまた、臨戦体制に入った。

「あの超巨大母艦の様子を警戒しつつ、シュヘラザードとの距離を詰めよ!」



「ヤマトの動きを警戒しつつ、この宙域を離脱する!」
「遮蔽シールド展開準備!」
「亜空間魚雷に我がインペリアルのエンジン音をインプット、私の合図で発射せよ!」
「ヤマトの眼を欺(あざむ)く!」

こうして、ヤマトがシュヘラザードの保護を行うのと同時に、サーダはインペリアルに装備される遮蔽シールドを展開、そしてデコイ(囮)魚雷を一本のみ発射、あたかもこの宙域から離脱したように見せ掛け、その場に姿を隠した。


◆◆◆◆


一方、イスカンダル ガミラス星、軌道上に突然現れた自由軌道惑星アクエリアスに、アベルト・デスラーの命令により、調査に訪れた調査団は、この惑星(ほし)に設置去れた幾つかの人工構造物を発見、調査した。

調査した結果、この人工構造物は比較的、近年に設置された事が判明、その報告をアベルトに打診した。

その報告を聞いたアベルトは、調査団に対して他に遺跡等の有無を含め調査を命じ、自ら艦隊を率いりアクエリアスへと赴いた。

【アベルト・デスラー座乗艦
改・ゲルバデス級戦闘母艦ゲルバデス・セカンド(Ⅱ)】

「気に入らんな。」
アベルトは呟くように口を開いた。

わりと近年に、この伝説の女神が存在すると云われ語り継がれてきた惑星アクエリアスに、建設、設置された人工構造物。
何の前触れもなく突然の出現。
アベルトに限らず、腑に落ちない者が、ほとんどである。

「タラン参謀長。調査団の第二陣を派遣、報告にあった近年設置された人工構造物を調査させよ。」
「それと、本国(ガミラス)に残るディッツ総参謀長に防衛艦隊を本国とイスカンダルの中間点に展開を通達せよ。」

「この伝説の惑星アクエリアスの突然の出現、裏がありそうだ。」

「ザーベルク。」





【アベルト専用艦:戦闘母艦】

【量産型戦闘母艦】


改・ゲルバデス級

艦種:航宙戦闘母艦

全長:780m

全幅:80m

主機関:ゲシュ=タム機関

武装

460mm:三連装陽電子カノン砲塔×4基
(三番主砲塔は格納式)

280mm三連装陽電子カノン砲塔×4基

六連装ミサイル発射機×2基
(艦橋後方)

遮蔽式上部砲戦甲板×2基

280mm三装装陽電子ビーム砲塔×各1基

133mm連装陽電子ビーム砲塔×各2基

対空レーザー砲×各16門

遮蔽式下部砲戦甲板×2基

133mm三連装陽電子ビーム砲塔×各2基

搭載機

空間格闘戦闘機DWG262ツヴァルケ

格闘型ブリッジ(脱出用)



【デスラー座乗艦専用デスラー砲艦】

全長:235m

全幅:74.6m

自重:49,500t

主機関:ゲシュ=タム機関

兵装

ゲシュ=ダールバム=デスラー砲×1門

亜空間魚雷発射管×4門

瞬間物質移送器×1基(2基で1組)

三連装無砲身レーザー砲塔×2基

三連装パルスレーザー機関砲×8基

磁力機雷散布装置

アンドロイド兵部隊制御システム



【量産型ゲルバデス・セカンド搭載デスラー砲艦】(デスラー砲艦隊共通)

全長:235m

全幅:50.0m

自重:48,000t

主機関:ゲシュ=タム機関

兵装

ゲシュ=ダールバム=デスラー砲1門

八連装回転速射砲塔×6塔
(前部に3塔、後部に1塔、左右デッキ上に各2塔)

アンドロイド兵部隊制御システム


第六話
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。
また、プレイステーションゲーム版設定資料より引用。

使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。