ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

武士の一分

2006-12-20 | 映画
見おわって劇場を出たとたん、
「ああ、清々しい!!」と思わずつぶやいてしまった。
この映画には「清々しい」という言葉がふさわしい。
一緒に見た娘と「「マスター&コマンダー」以来の気持ちよさだね」と言い合う。
しつこいようだが、まるで草原で5月の風に身を委ねたような清々しさ。
軽い足取りで家路につきたくなる映画。

この清々しさはどこからくるのだろう?
無駄なものをいっさい取り払った脚本の簡潔さ。
つつましい夫婦の立ち居振る舞い。
そこに流れる愛情のつつましさ。
ものの少なさ。
ごはんと汁と煮物だけの食事。
お茶と草餅。
風と雨。自然。
特別なものはなにもない。
ほんの少しのありふれたものの中に人が佇んだとき、
人の気持ちの有り様がくっきりと浮かび上がってくる。
その必死さが直球で伝わってくる。
それを素直に受けとめることのできた自分も愛おしくなる。

映画を愛し作り続けてきた山田洋次だからこそたどりつけた
清々しく簡潔な世界。
映画は娯楽である。
とっておきの娯楽はこうあってほしい。




音楽/ベートーヴェンの映画

2006-12-11 | 映画
なんて豪華なんでしょう!
音楽担当はベートーヴェンなんです。
7番も第九もピアノソナタも大フーガも映画音楽として使えるんです。
ベートーヴェンに扮しているのはエド・ハリスです。
ポロックの次はベートーヴェンですか。
偉大な芸術家を演じたい野心をぎらぎら感じます。
映画館でもどこでも第九が聴けるならいきます。
でもこれは映画。
ベートーヴェンが主役の映画。
映画にはストーリーが生命です。
そのストーリーが浅ければせっかくの音楽もエド・ハリスの渾身の演技も、
ふわふわと浮いてしまうのです。
残念!とても残念!
それでも我がハンカチ王女は涙をはらはら流していました。
ひたすらベートーヴェンの音楽に。
「ドゥリーム・ガールズ」の予告も見られたし、ね!
以上、「コピーイング・ベートーヴェン」の感想。
娘と久しぶりに映画を見れたことは至福。

すっかり冬模様

2006-12-08 | 雑記
あっという間に一週間が過ぎていく。
今月から自宅でできるちょっとしたバイトを始めた。
実はたいしたこともないのに、ジタバタしていた(笑)
年のせいか、もともとそうなのか、
ひとつのことを始めると他のことが疎かになるのも困ったものだ。
加えて相棒も息子も仕事が忙しくてこの4日間独り状態。
夜眠れない。昼間ウトウト。仕事ジタバタ。
外出のたびにころげそうになっている。かなりやばい。
そうこうしているうちにあっという間に今年も暮れていくんだろうな。
さあ、明日からは気分を入れ替えてがんばろっと。

映画の日ですもの

2006-12-01 | 映画
相棒に誘われいざMOVIX。
300席のシアターでシネマスコープ大画面。
これだけでも嬉しくて涙がこぼれそうになる。
映画はダニエル・クレイグの「007カジノ・ロワイヤル」
クレイグのジェームズ・ボンドちょっと見てみたかった。
お正月映画にふさわしく、1本で6本分の重量感。
エンターテイメントぎっしり詰め込みました。
それだけですが、それでいいじゃありませんか。
初っぱなの追跡シーンの凄まじさにまず唖然。
走って逃げる黒人青年のあまりの運動能力に笑うしかなかった。
オリンピック選手としか思えない。
追うほうのクレイグもすごい。
アフリカの大草原で若きライオンがチータに狙いを定めて追いつめていくよう。
これはクライヴ・オーウェンやジェリーじゃ無理でしょ。
よかった、007に撰ばれなくて。ほっとした。(笑)
その後もこれでもかといわんばかりに続くアクションシーン。
アクション映画の王道まっしぐらぶりにもう脱帽するしかない。
ダニエル・クレイグはこれでブレイク必至とみた。

一番おかしかったのは、
「あなたの自尊心が重すぎてエレベーターが動かない」という台詞。
こんなこと云われちゃうくらい傲慢非情なクレイグのJ・ボンドでした。