ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

Anders Leonard Zorn

2011-07-04 | 美術
下記の美術番組で印象に残った画家二人目。

スウェーデンの画家ですが、
ゲントに彼の作品もあります。

アンデシュ・ソーン(アンデルス、アンデースとも。
Anders Leonard Zorn。1860年2月18日 - 1920年8月22日)は、
スウェーデン人の画家、彫刻家、エッチング版画家である。

マネ風タッチでかなり好き。







Emile Caus

2011-07-04 | 美術
先日、TVでベルギー・ゲントの美術館の番組を見た。

ゲントといえば、ファン・エイク兄弟の祭壇画で有名ですね。
もともとフランドル地方の絵画には心惹かれる作品ばかり。
レンブラント、ヴァン・ダイク、ルーベンス、ブリューゲル、
これはこれは見ていたら、

ベルギー印象派と呼ばれる画家たちの作品を見て、
たいそう気に入りました。

忘れないうちにまずはエミール・クラウス。
1849年ベルギーに生まれた画家。

たしかにフランス印象派に影響を受けているのでしょう。
グラスゴーボーイズ、当時のロシア絵画、ラファエル前派
(どれも私のストライクゾーン)
の絵画にも近い気がします。
なおちゃんどう?
お母さんかなり好き。


























アンダルシア女神の報復

2011-07-03 | 映画


相棒と見てきました。

相棒曰く「アマルフィより面白かったね」
私「より硬派になったって感じ?」

事件そのものは、
多少破綻があったとしても、
「アマルフィ」のほうが私にはガツンときました。
今回は、銀行とかマネーロンダリングとかそういう話で、
現代的ではあるのかもしれないけどぴんとこなかった。

で、何が良かったかというと、伊藤英明さんです。
何年か前にTVで「警官の血」を見たときも、
このひとずいぶん上手くなったなあと思いました。
今回は芝居うんぬんというより、
インターポールの刑事役、妙に存在感ありました。
魅力的でした。



それにひきかえ、
まー君なんなのよ?(笑)
この映画の中でひとりだけでれでれしてました。
あ~龍馬~~~。



3作目は思いっきりイギリスで撮ってほしい!!
スコットランドとか?

まー君ももうちょっとジャーナリストらしくしようよ



BLACK SWAN

2011-07-01 | 映画

このへんのシネコンでは今日が最終日の「ブラックスワン」を、
長姉にもらったチケットで次姉と観た。

見応えのある映画でした。

優等生タイプのダンサーが、
「白鳥の湖」の主役に抜擢され、
白鳥と同時に悪魔の子、黒鳥も踊ることになり、
次第に狂気の世界にはまりこんでいく・・
そういう映画かなと思っていたら、
いやいや、一筋縄ではいかない、
様々な見方ができるとてもスリリングな映画でした。

ナタリー・ポートマンは、
一生に一度あるかないかの、
女優なら誰でも夢見るような役に、
渾身の演技でのぞんでいて、
一人の女性のもつ複雑で多岐にわたる表情を
これでもかとみせてくれて圧巻でした。

特に私にとって印象に残ったのは、
この映画で描かれる母と娘の関係です。

映画の中で、この母娘の歩んできた歴史などは
そう多くは描かれないし、
それがこの映画のテーマとも思われないが、

このバレリーナがかなり抑圧されたものを抱えていること、
たぶん以前から自傷行為などを繰り返し、
精神的に脆い状態であることを母親は知っていて心配していること。
かつてバレリーナであった母親は、
子供(娘)を身ごもったことで自分の夢をあきらめざるを得なかったこと。
娘に自分の夢を託し、二人三脚で生きてきたこと。
娘の抑圧されたものは母親との生活で生まれたもの。

などなどがかいま見える程度です。

母と似たり寄ったりのバレー人生を歩んでいれば、
お互いに励まし合い慰め合い依存しあい、
それはそれでぎくしゃくすることはあっても流せていけたかもしれない。

しかし娘はプリマを踊ることになる。
しかもブラックスワンも。

ここから母と娘の試練が始まる。

年齢が近いせいか、
私はどうしてもバーバラ・ハーシー演じる母親視点で
物語を見てしまいます。
娘の抜擢を誰よりも喜んでいることは確かであっても、
精神的に脆い娘がそのプレッシャーに耐えられるかどうか心配であるし、
自分が成し得なかったことに挑む娘に嫉妬にも近い複雑な感情もある。
全てを支配していたはずの娘がどこか遠くに行ってしまいそうでこわいし淋しい。
なんとか保ってきたふたりきりの生活にひびが入っていく。

けっして理想的ではない問題だらけの母親を、
バーバラ・ハーシーが繊細に演じていて秀逸でした。

娘の最大の課題はこの母親から精神的に自立すること。
不感症だ、色気がない、男を誘惑できないでブラックスワンが踊れるか、
ということも、
突き詰めれば、母との生活の中で、
良い子でいたい、母を困らせたくないと思い詰めたことが原因ではないでしょうか。

ここから娘の壮絶な闘いが始まります。
狂気と現実を行き来しつつそれはそれは大きな痛みを伴った闘いです。

この映画のラストを見て、
ヒロインがこの壮絶な、自分との(または母との)闘いに
破れたと見るか、打ち勝ったと見るか、
それは見る人に委ねられていると思います。

私は「やったね!」と思いましたが。
観客の中に一瞬、母親の姿がうかぶシーンは、
監督の優しさかなと。

母と娘、
永遠のテーマ。