奥武蔵の風

53 反撃に勝る憲法第9条

 いやあ、4月13日朝の Jアラートには、驚きましたね。

 何が驚いたかって、「直ちに避難してください」という内容のあまりの唐突さと、その後に「ミサイル落下の可能性はなくなりました」と訂正が出る日本政府の情報管理のお粗末さにですよ。

 北海道では、全自治体でサイレンが鳴り響き、避難勧告アナウンスが繰り返され、鉄道が運休し、高速道路が閉鎖されたのですから、住民の方々は、さぞ戸惑われたことでしょう。

 でも、ウクライナでは、空襲警報が日常化し、本当にロシアからミサイルが飛んでくるのですから、現実を考えると、笑い事では済まされませんね。

 そこで、真剣に考えてみましょう。

 現今の世界情勢から、政府は「敵国」への「反撃能力」を備えようと躍起のようですが、今回のような「情報精度の低さ」と「お粗末な政府判断」で、反撃が実行されたら、どういうことになるでしょうか。

 「敵国がミサイル発射。北海道へ落下の可能性!」と判断して、反撃(敵基地攻撃)に踏み切った後に、「ミサイルの落下の可能性はありません」ということになったら、つまり情報と判断に寸分の誤りでもあったとしたら、日本の「反撃」は反撃ではなく、「先制攻撃」という最悪の事態になってしまいます。

 日本は、太平洋戦争を引き起こした「戦争起因国」です。二度と過ちを繰り返してはならないのです。

 戦争の悲惨さを体験した我が国の先人たちは、過ちを反省し恒久平和を希求して、憲法第9条で「永遠に戦争をしない」ことを誓ったのです。

 日本は「不戦」を世界に宣言した平和国家です。有事の際に、不戦を宣言した日本に攻撃を仕掛けるのは、明確に先制攻撃をするということですから、相手国も慎重にならざるを得ません。しかし、日本が不戦を放棄して反撃姿勢を明確にすれば、有事の際、相手国は、もはや日本に対して何の躊躇も容赦もなく、「敵(米国)の同盟国だから」という理由で、真正面から攻撃を仕掛けてくることでしょう。

 加えて、日本は自然災害が多発する国です。自衛隊は、実質的に災害救助の最後の頼みの綱として、これまで国民の安全と救護のために、黙々と尽力・奉仕してきました。いまや若年人口が減り、自衛隊の力も有限です。

 自衛隊は、あくまでも「自衛」(専守防衛)のための組織であって、これから先も「軍隊」化すべきではないのです。

 日本(人)は、「憲法第9条」を堂々と前面に掲げて、不戦・平和を誇る国であることを、もう一度世界に向かって、高らかに示そうではありませんか。

 

 Stop War ! (image)

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