奥武蔵の風

55 雉、国鳥だけのことはある

 このところ、私の散歩コースは、雉(キジ)に出会える場所をめぐる、というものです。

 目的地に近づいた時、「ケン、ケーン」というかん高い鳴き声が聞こえたら、しめたもの。

 とはいえ、一面緑になった広い畑や草むらの中に雉を見つけるのは、容易ではありません。見つけるのは、きまって視力のいい妻で、私は、「ほら。あそこ、あそこ!」と妻が指さす方向へ、急いでコンデジカメラをズームアップして向けるのです。

 運がいいと、見つめる先で「ケン、ケーン」とオス雉が「母衣(ほろ)打ち」をしてくれます。ちょっとした感動です。

 通常は、地上を足早に移動して、いつの間にか姿を消してしまうので、まさに忍者のごとくです。

 めったに見ることはないのですが、オス雉が翼を広げ長い尾を引いて、地上10メートルほどの低空を真一文字に水平飛行する姿は、華麗にして勇壮で、圧巻というか、思わず息を飲みます。「鳳凰(ほうおう)」という架空の鳥がいますが、「ああ、雉こそまさに鳳凰だ」と思えてしまいます。

 美しさといい、精悍(せいかん)さといい、さすがに国鳥だけのことはあります。(メス雉は地味ですが、危険が迫った時には命がけで卵を守る強い母性愛があるとのこと。やはり国鳥ですね!)

 そういえば、福沢諭吉の1万円札の裏面のデザインは、当初20年(1984~2004年)間は「雉」で、2004年途中から「鳳凰」に変わったんですよね。やっぱり、雉は鳳凰に違いありません。

 

(写真上)© オス雉。草むら。

(写真上)© オス雉。後ろの鉄筋は、畑のイノシシ除けの囲いで、雉がオリの中にいる訳ではありません。

(写真上)© オス雉。鋭い警戒の目で、こちらを見ています。

(写真上)© オス雉。ネギ畑。

(写真上)© オス雉。警戒の目で、こちらを見ています。

(写真上)© オス雉。菜っ葉をついばんでいるようです。

(写真上)© オス雉。民家の庭先の畑。

(写真上)© オス雉。草むら。

(写真上)© 福沢1万円札。当初の裏面デザインは、オス雉(左)とメス雉(右)。

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