奥武蔵の風

164 匠が使いこなした大工道具:特殊鉋

 「職人気質」。私の好きな言葉です。

 今や貨幣万能。商魂が物言う時代ですが、職人気質を貫き、自分の心に正直に生きる職人衆を、私は限りなく尊敬し応援します。

 「不器用でも、真っ直ぐに生きる」。
 「自分が納得するものを作る」。
 「みずからは語らず、作品をして語らしむ」。

 今回は、私の手元にある大工道具シリーズの写真から、特殊鉋(とくしゅ・かんな)を紹介します。道具の主は、信州の宮大工系の太子講に属した匠で、地元や東京(月島)の神社建築のほか、後に文化財となった名建築にも多く従事しました。独自に民芸家具も製作しています。

 これらの道具は、主亡き後、十数年、放置されていたため、刃は輝きを失いかけていましたが、幸い竹中大工道具館の紹介を得て某大工技能養成校へ寄贈され、甦りました。

 「道具は心の切っ先である」。
 「長年使い続けられ、刃がかなり減っている『鋸』『鑿』『鉋』などの大工道具。これは、良い道具の宿命。使い続け、手入れを長年行ってきたからこそ刃が減ったのだと思います」。

 

 

<大工道具シリーズ : 特殊鉋>


(大きさ比較のため、スマホを置いています。)


(同上)

(注)掲載写真の著作権は、奥武蔵の風に帰属します(無断転載は、固くお断りいたします)。

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