1枚の大切な写真

昔　写真店で働いてた時のお話です。

ある日　年配の男性のお客様が来ました。

話づらそうに　実は娘が亡くなって

訳あって離れて暮らしてたんだけども

手元には　この写真1枚しかないんです・・・と

見せられたのは　笑顔の娘さん　しかし残念ながら

頭の方が　少し欠けてしまってる

この写真しか持ってないんです。

何とか頭を治せませんか

 

はい治せますよ～少々お値段はお高くなりまりますが

大丈夫です。日数も少しかかりますけど

よろしいですか　満面の笑顔で　はい　いいです。

よろしくお願いしますと頭を下げ帰って行ったお客様

ここからは企業秘密なので教えれませんが

実に　細かな作業をやります。目が痛くなりますが

お父さんの気持ちを考えると綺麗に仕上げたい

娘さんは40代かな本当に笑顔が素敵な方で

1週間ほどして　綺麗に出来上がりました。

お父様が取りに来て　写真を見て　大変喜んでました。

1枚しか持ってなかった　大切な娘さんのスナップ写真

これをかざり　毎日手を合わせますと　ありがとうございました。

と言いながら　嬉しそうに帰っていきました。

 

他にも友人の娘さんの写真が変色したので（17才で事故で亡くなったの）

綺麗にしてあげました。二人で写ってたので　一人にしてあげて

後ね～たまたま仕事関係で店に来たのが同級生で

男の子だけど仲良かったのね。小学校の入学写真を持ってない

離婚された　お母様が写ってると聞いて　私の持ってる写真から

もう1枚　作りましたよ～すごく喜んでくれました。

俺の母さんって　こんな顔だったんだぁ～と　その後お父さんが

再婚されたので　実母の写真が残ってないと言ってました。

 

写真には　いろなんドラマがあると私は思います。

昔はフィルムでしたので　24枚撮り1本写真にしても

その方の　ドラマが垣間見れました。

そこが写真焼いていて　楽しいなぁ～飽きないなぁ~と

思い　天職かも～と18年も働いてました

若い頃　あんなに仕事長続きしなかったのにね

とても楽しくて　やりがいのある仕事でした。

 

 

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