函館深信 はこだてしんしん-Communication from Hakodate

北海道の自然、そして子どもの育ちと虐待について

広島少年院に少年矯正の真の専門家を

2009-06-11 | ”自殺”・虐待・ヒトの育ちを考える
下記のような記事を見つけた。『本当の専門家必要』という項目で黒川昭登・龍谷大名誉教授が『収容少年の保護更生には信頼関係が重要で、暴行などは論外だ。』と指摘している通りだと思う。
何度も言うが、暴力や威圧に頼った”教育””矯正”では、少年たちに、「暴力を身にまとったならば、何をしてもよい」と教えているようなものではないか。
子どもと接する大人から、暴力や威圧を排除する空気をつくっていかなければならない。



毎日jpより

広島少年院:教官が「死ね」と殴る 地検「極めて悪質」
 「極めて悪質」--。広島少年院(東広島市)で発覚した法務教官による収容少年への暴行・虐待は、4人が9日、特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕され、刑事事件に発展した。紙オムツを強要するなど、矯正教育とはほど遠い容疑内容を、地検幹部は厳しく批判した。少年院という閉ざされた空間で、一体何が行われていたのか。【寺岡俊、井上梢、星大樹】

 地検に刑事告発した広島矯正管区は9日午後、横山和洋・第1部長が記者会見に応じた。しかし暴行の具体的な状況、動機や背景は「捜査にかかわるので差し控える」と述べるにとどまった。4人の現在の職場についても「広島少年院以外の場所で勤務している」としか答えなかった。再発防止を「教官の意識を変える、広島少年院の組織構造を刷新する」と話したが、これも具体的な方策の説明はなかった。

 一方、信田昌男・広島地検次席検事は逮捕理由を「少年院の秩序、規律を維持する者の権利の行使とみることができない。極めて悪質と判断した」と説明した。人目に付かないよう体育館物置で少年に暴行を加え、少年が「何でも暴力で押しつけるくらいなら、死んだ方がましです」と反論すると、「じゃあ、死ね」と言い放って殴るなど、悪質性が高いと判断したとみられる。

 広島少年院の岸元攻次長は、詰めかけたマスコミに少年院入り口で緊張した表情で「悲しい出来事であり、少年や保護者に申し訳ない。信頼を失墜させたことについて、国民に謝罪したい。原因を究明して、暴力のない施設にする。少年を更生させることのできる職員を育てていく」とだけ話すと、質疑に応じず院内に戻った。

 同少年院に長男(19)が入所している広島県内の父親(48)は「とにかく再発防止に徹してほしい」と訴えた。長男は教官からほおと脇腹を殴られたという。「けがは大したことはなかったが、前々から暴力があったと思う。その背景をきちんと調べてほしい」と訴えた。

 ◇施設全体の問題か
 菊田幸一・明治大名誉教授(刑事法) 少年院は非行少年の保護、教育の施設だということをはき違えていたのではないか。指導の中で体罰的に行ったのだろうが、少年たちが見せしめやいじめのような暴行を受けて更生するはずがない。なぜ他の教官らが把握して、止めることができなかったのか。施設全体で保護教育に取り組む態勢ができておらず、職員間の風通しもよくなかったのではないか。逮捕された教官だけの問題ではないと思う。

 ◇本当の専門家必要
 家裁調査官の経験もある黒川昭登・龍谷大名誉教授(社会福祉学) 収容少年の保護更生には信頼関係が重要で、暴行などは論外だ。日本の少年院には、本当の専門家がいないことが、こうした問題を引き起こす背景にあるのではないか。米国の少年院では各種の心理学を学び、実務経験も豊富な専門家が権限を持って、収容少年への対応を指導、助言する。再発防止のためにも国は少年院施設のあり方を見直すべきだ。

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