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朝日記Foucault 1 1.生涯描写 2. 知的背景

2021-06-05 15:46:31 | 絵画と哲学
  1. Biographical Sketch 生涯描写
  2. Intellectual Background 知的背景

⇒ 朝日記Foucault 1

全体の表紙と目次 朝日記210605 翻訳版「ミッシェル フーコー」Michel Foucault 目次と今日の絵

 

~~~本文 ~~~~

  1. 生涯描写

Biographical Sketch

FoucaultはOctober 15, 1926にフランスのPoitiersで生をうけた。

学生として彼は輝かしくあったが、心理学的な苦しみをもっていた。

かれは学術界では1960年代に地位を確立し、フランスの大学で一連の地位を保有したのであった、1969年の選挙のまえに超高位といわれるCollège de France,へ移り、ここでHistory of Systems of Thought(思考のシステムの歴史)の終身の教授であった。

1970年代中、Foucaultは非常に政治的にアクティブであった。

Groupe d’information sur les prisons の創設者であり、そしてしばしばこの周辺化のグループmarginalized groupsを代表して抗議活動をしたのであった。 

かれはしばしばフランスの外で講義をしたが、とくに米国であり、そして 1983年にはUniversity of California at Berkeleyで年間をとおしての教授に合意した。彼は、AIDSの初期の犠牲者となった。FoucaultはJune 25, 1984にパリで死去した。

かれの生涯をとおして出版業績にくわえて、the Collège de Franceでのかれの講義は死後に刊行され、かれの理念の重要な発信元とその拡張になっている。

ひとはFoucaultを哲学者とよぶのがふさわしいのか問うかもしれない。

かれの学問的形成は心理学およびその歴史にあり、同時に哲学にある。かれの著作は、医学的分野か社会科学の歴史がほとんどであり、一方、かれの情熱は文学と政治にあった。

にもかかわらず、Foucaultの世界はほとんどが哲学的にも、あるいはつぎの二つの意味にわたって結実したよみものになっている;

あたらしい(歴史的な)やりかたで、哲学の伝統的な臨界的なプロジェクトcritical projectを遂行するような場合と伝統的な哲学者の思考に臨界的状況での関係critical engagementをもつような場合である。 

本記事はこれらのふたつの次元で、彼を哲学者としてみていくものである。

 

  1. 知的背景

Intellectual Background

われわれは、しかしながら、哲学的な環境のスケッチをFoucaultの受けた教育からスケッチを初めてみる。

かれはÉcole Normale Supérieure(主要なフランスの哲学者の標準的な発元である)1946年に入学する。実存主義現象論の全盛時代であった。

 HegelとMarxもまた主要な興味であった。HegelはJean Hyppoliteによって与えられたかれの業績の解釈を通じて、MarxはLouis Althusseの構造主義者読書会を通してである―両教師はÉcole NormaleでのFoucaultにつよいインパクトを与えたのである。

Foucaultのもっとも初期の業績(かれの長い紹介は、Jacqueline Verdeaux、Heidegger系の心理療法者が、 Ludwig Binswangerによるフランス語翻訳Traum und Existenz を、そしてMaladie mentale et personnalité,をとりあげ、こころの病気に関する厚くない本を著となった)が実存主義とMarx主義それぞれからの視点で書かれているのは驚くにあたいしない。

 しかしかれはまもなくその両方からも転向していく。

Jean-Paul Sartre、大学のシステムの外側で活躍したひとであるが、彼はFoucaultになんら影響を与えていない。

しかし、前世代のフランスの代表思想家として、かれはつねに背後にあった。

Sartreと同様に、Foucaultはブルジョワ社会と文化への絶えざる憎しみから始まり、そして狂気、同性愛、そして囚人のような周辺群のための自発的な同情を持ったのである。

彼ら両者とも、文学、そして心理学に対して、哲学同様につよい興味をもった、そして政治的関心にはこの早期には薄かったが、その後に組織的活動家になったところは共通している。

しかし、終局的にはFoucaultは、Sartreと自分とがともにあることが矛盾であると結論づけ、これを主張したようである。

哲学的には、かれはSartreが主体・主観subjectとしての自身の優越的態度をとるものとしてみたのである(Sartreを「超越的ナルシスト」“transcendental narcissism”としてあざけったのであった。)

人間的にそして政治的にかれはSartreの役割りを「普遍知性」“universal intellectual”,とよび、かれを拒否したのである。Sartrreは個人の自由への不可侵性inviolabilityのような普遍的道徳原理をアッピールすることによって社会を裁断するものであった。

しかしながらFoucaultのSartreからのヒントは彼を拒否し抗議することより大きなのヒントがあった、そしてその彼らの業績の関係についての質問は、肥沃なものを残こすことになった。

わかきFoucaultのためにさらにおおきい肯定的意義の三つの要素がある。

第一として 殊にフランスの大学の基盤においての強力なる存在であるGeorges Canguilhemに代表されるようなフランスの伝統としての歴史および科学の哲学がそこにあったこと。

かれの生物学についての歴史と哲学での業績はFoucaultの人間科学の歴史における研究多くのために、モデルを提供していたのである。

CanguilhemはFoucaultの狂気の歴史は、博士テーマへの、およびFoucaultのキャリアを通じてもっとも重要にして効果的なものであるとして、かれの支持者として留まっていたのである。

Canguilhemのアプローチは科学の歴史へのものであり(Gaston Bachelardの業績から発展したものであるが)これがFoucaultに強力な意味をもって与えられたものである(これはKuhnian avant la lettreに帰する道すじである、 scientific revolutions, section 5.3

の導入部をみよ)、ここで強い意味とは科学の歴史での非連続性について意味し、

概念の歴史的役割を理解する合理主義者として、概念というものが現象論者の超越的意識からの独立をもたらしめるのである。

Foucaultは構造主義者の言語学と心理学において強化されたこの理解を見出していたのである、これらはそれぞれつぎの者たちによって展開されたのであった;Ferdinand de Saussure および Jacques Lacan、およびGeorges Dumézilのような比較宗教に関する原型―構造主義者である。

これら反-主体・主観的anti-subjectiveな立ち位置は、かれの“structuralist histories”構造主義者歴史においての主体・主観subjectのFoucaul的周辺化marginalizationのための文脈contextを与えるのである。 The Birth of the Clinic (近代医療の起源) およびThe Order of Things (近代人間科学の起源) 

全く異なる脈筋であるが、Foucaultはフランス前衛文学に魅了されたのであった、とくに

Georges Bataille aおよび Maurice Blanchotの書きものに対してであった、ここでは実存主義的な現象論の実験的な具体性を見出していたので、もしこれがなければ、主体・主観性subjectivityについての疑わしい哲学的仮定としてみることになったであろう。 

とくに興味あるものは「臨界-実験性」“limit-experiences”との文学的な共鳴であり、われわれをして極限extremesへと押し出すものであって、ここでは知識性intelligibilityの通常範疇が崩壊を開始するような極限なのである。 

この哲学的中心は主体・主観性subjectivityについての批評のための材料を与え、そして、これに対応する考古学的“archaeological”な および系譜学的“genealogical”な方法を与えたのである。これらは歴史を記述する方法であり、これによってFoucaultの歴史批評のプロジェクトを以下の章節にて展開するものへ案内することになる。

 

  • [1] 原典
  • Stanford Encylopedia of Philosophy , First published Wed Apr 2, 2003; substantive revision Tue May 22, 2018

原典各章は以下から入ることができる;

 

 


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