回転センターを芯押台にセットしたまま長い梅雨が過ぎ、開け放してあった窓から雨水が旋盤にかかってしまった。 鉄の表面には薄い赤さびが・・・
芯押台から回転センターを外そうとしたが外れない・・・
旋盤を買った当初、やはり回転センターが外れなくなって、仕組みも分からずにプライヤーで挟んでたたいたりして外れないことがあった。 仕組みが分かれば、な~んや簡単に外せるようになってるやん・・・ということで事なきを得たことがあったな~。 この写真の取っ手を反時計回りに回せば、自然に回転センターのアーバーが押し出される仕組みになっているんです。
ところが・・・今回はアーバー(センターについているMT2テーパーの鉄棒のこと)が芯押台のパイプと錆びて密着してしまっているようだった。 レバーを回しても空転してしまってアーバーが出てこないのである。
うわ~、困った。 ドリルチャックを使おうと思っても回転センターが外れなければ使えなくなってしまう。
今回は、悩んだ。 そして考えた案は・・・
回転センターの回転部をとりあえずアーバーから外そう・・・そしてプライヤーで挟んで回しながら引き合抜く案。
回転部とアーバーも長年外したことが無かったので同様に錆びて固着している。 バールでこじってみたが外れない。 少しセンターの回転が曲がってしまったかも・・・
次に考えたのは、アーバーを突っ切りバイトでカットし、芯押パイプの中をドリルやバイトでえぐり取る、方法。
その前に・・・尻から鉄の棒でひっぱたけば出てくるかも・・・
そしてその案を実行するべく芯押台を解体・・・
と、心棒が取り外せる。 この心棒には逆ネジが切ってあって、右に回すとパイプが出っ張り、左に回すとパイプを引っ込めるように働く。 目一杯右に回し、心棒とパイプとを引き離すと、
芯押パイプが引き出せる。 パイプの溝は左右に動かなくするためのガイド溝
この状態で金属棒を尻から差し込み、ハンマーでたたいてみたが癒着は強く、びくともしない。 何度もたたくと金属棒が変形してしまった。 パイプガイド溝の右の方が欠けているのは、ガイドネジを締めたまま尻から叩いたのでネジと溝の端が欠損してしまった痕。
う~む・・・考察・・・
なぜだ???なぜだ???
ひょっとしたら、金属棒がアーバーの尻の中央部に当たっていないせいかも・・・力が偏って・・・
で、φ9mmのボルトを旋盤で整形した (芯押なしで)
そして、パイプを芯押台に戻し、固定レバーをしっかり締め付け、動かないようにした。 手で持ってたたくよりは強度が高かろうと思って・・・この時、ガイド用のネジを付けてやったらネジ穴とネジを痛めてしまった。 まあ、なんとかガイド機能には影響はないと思う。 ガイドネジは外した状態でやること。
何度か叩いたがびくともしない・・・あきらめかけて、最後に思い切りたたいてみた・・・
やっとこさ外れました。
切らなくてよかった~
アーバーはピカールを付けて耐水ペーパーで軽くサンドして錆をおとし、パイプ内部はぴかーる付の耐水ペーパーをMT2の固定センターに巻いて、手で回してパイプ内部にサンドを軽くかけました。 そして布きれで拭いて終了。
ついでに、心棒の取っ手を取り付ける部分に、エンドミルで平らな溝を切りました。 次回固着して硬くなった場合には、これまでよりも力が入り、空転を避け、より大きな力でアーバーを押し出すことができます。 でも錆びて固着した場合は・・・やはり尻から叩かねばならんでしょうなあ。
芯押台にアーバーを差し込んだまま放置しておくと、こうなりますよって事例です。
あと、卓上フライス盤の取り付け口も同じで、ドリルチャックやコレットが抜けなくなります。 こちらは、もともと叩いて抜く方式なので、思いっきり叩くことができますけれど・・・やはりつけたままだと錆びつきますのでご注意ください。