ずっと以前から欲しかったものの一つに投網がある。 子供の頃からナント無く欲しいと思っていたものだ。
川でのフライフィッシングでは入漁券を買う。 いろいろな種類の入漁券がある。
フライの対象はヤマメやイワナ入漁券、その他、雑魚(ざこ)、アユ入漁券 等々。
川には投網用の入漁券もあるんですな・・・
館山の海岸を歩いていたとき浜辺に看板が立っていて、いろいろ注意書きが書いてあった。 千葉県では、船から投網を打たない限り、海では投網はどこからでも自由に打って良いことになっている、とのこと。 なかなか寛大な措置である。
だが、一歩川に入ると事情が変わる。 川には内水面漁協の別の厳しい規定があるのだ。 アユなどの放流漁を勝手に網で捕られては漁協はたまったものではないのだ。 川で投網でアユを採捕するには何万円もする入漁券を購入せねばならないのだ。 逆に言えば、それだけ支払えば自由に採捕できる、という考え方もある。
河口での海と川との境界線の定義は、一番海に近い橋の海側の橋の欄干の外側の線だそうだ。 うっかりその線を越えてしまうと、見つかると川の規則を適用される。
ワシがこのたび投網を買ったのは、とりあえず、海で小魚をとって遊ぶためなのよ。 まれにクロダイやスズキなんかが入ることもあるらしい。 浜にイワシが大きな魚に追われて打ち寄せることもあるようなのだ。
夢は膨らむ・・・
先日、グリーンカーテン用のネットを手編みで作ったことは記事に書いた。 投網についてネットで調べていくうちに、投網って自分でも作れるということが分かった。
手すき、というやり方。 初めから完成まで全部手編みすることをいう。 完成までに、べらぼうな根気と時間を要する。
機械編みの原反(げんたん)を買って、つなぎ目だけを手編みする方法が一般的なようだ。 売っているリーズナブルな価格の投網は、多分、この方法で作っている。 いや、数万円する高級投網も、丁寧に編んであるだろうけれども、この方法で作っているのかもしれない。
網の打ち方にもいろいろな流派があることも分かった。
肥後流、鹿児島流、細川流、土佐流、その他いろいろ・・・。 だが、多くは派生した流儀のようで、投げ方は似ている。 肥後流、細川流(肥後流からの派生)の投げ方は豪快で見ているだけでも気持ちが良い。
そして目を外国に向けてみると、あるんだな、外国式の投網が。 Cast Netという。 投げ方も投網も合理的な気がした。 自分で編むならアメリカ式だな・・・
ほんでもって・・・買ってしまった(日本式のを)。 ネットを見ているうちに、¥2,500という低価格で売ってたので衝動で買った。 楽天のポイントも使って送料込で¥3000也。 その前に見ていたのは、その10倍もする和式の投網・・・最初からこの価格は払えない・・・うまく投げられないかもしれないし・・・
買ってみたところ、思った通りの代物だった。
つなぎ目が浮いている。 大きな原反をカットしてつないてあるつなぎ目の編み方がメッチャクチャおざなり。 たまに目飛びしている個所も見つかった。 機械編みしたところは、二重カエルマタで編んであるが、つなぎ目は一重のカエルマタだ。 引っ張ると網目が伸びてしまう。 ほずれかかっている個所も何か所も・・・
網目は半目で四分(12㎜)、一目で八分(24㎜) 14節くらいか・・・ 使っているモノフィラは1号のテグスだ。 手元から裾まで同じ太さの糸で編んである。 おそらく15㎝~20㎝くらいのアユならうってつけだろう。 引っかけるとすぐにきれそうだ。 岩(裾に縫い付けるおもりのこと)の重さは2.5Kgというのは、この糸の細さの故なのか? 岩をつないでいるラインは木綿の撚糸で、それこそ、よれよれですぐに擦り切れそうな代物。
でも・・・いいのだ。 この値段だもの。 これを修理しながら使えればいいんじゃない? 学習教材だ。 自分で全部やり直すくらいのつもりで使えばいいんだ。 先ずの予定は、おもりを鎖に取り換える、和式から米国式に変更する・・・等々
ということで、早速補修用の道具作り・・・ 網針(あばり)を作ってみた。 足かけ2日の作業だった。
大震災より前、フライフィッシングで行った川で切ってきた竹が乾燥状態で残っていた。 一節カットして縦に裂いて幾つかの竹片を切り出した。 いろいろな厚みのいろいろなサイズの網針ができた。
短いのは失敗して途中で割れたので短くなってしまったからだ。 残ったのは最初の竹片の数の半分くらい。 結構失敗率は高い。 厚みが薄いほど割れやすい。 ドリルとエンドミルを使った。
ワシの網針はやや長めにしてある。 概ね竹の節間の長さだ。 それには理由がある・・・何事にも理由がある。
ネットや本で蛙股編みの説明を見ると、こうやってこうしてこうするの・・・と糸をあちこちくるくると取りまわす方法が書いてある。 いや、それで良いのだが・・・ 網針をあちこちと動かすストロークが多すぎるのだ。 この方法で編むなら網針は短い方が確実にやりやすい。 しかし・・・網針が短いとそれにストックできる糸の量が少なくなり、しょっちゅう糸をつなぐ必要が出てくる。
ロシアのPavel Strogovという人がYoutubeで編んでいる方法がピンときた。 その方法では、網針は一回スッと通すだけのストロークだ。 その方法でシングルシートベンド(一重蟇股結び)、ダブルシートベンド(二重蟇股結び)が1ストロークで半分の時間で編める。
下の図は同じ蟇股結びのいくつかの形をあらわしている。 図中 Fig3 と Fig4 が Strogov師がやっている編み方です。 同じ結びなのにいろんな手順があるもんですね。
私もこの図を見て初めて知りましたが・・・蟇股結びってのは・・・機(はた)結びと同じ・・・シングルシートベンドと同じ・・・なんですね。 ひょっとすると・・・船のもやい結びなんかも・・・?・・・調べてみてね。
投網、組みひも、機織り、船のロープワーク、・・・みな同じ結び方なんですね。 これは大発見なんですよ!
ワシャここまで調べたうえで網針を設計して作っているのよ。 ストックの量、編み方、編むスピードまでね・・・この先生の編んでいるのは、投網でいうと、いわゆる、”編み出し”の部分に当たりますが、編み方自体は、編み出し部分も網の部分も同じです。
編み出しというのは、最初に目数を計算して当該目数の網の形を作ることです。 何もないところから編み出しを作る方法を下記の動画でやっています。 古い網の切れ端があれば、それを編み出しとして使う方法もあります。
最初から目数を数えてある”編み出し”を使うことで、気楽に次の段を編んでいけるわけです。
Strogov師の編み方 (youtube)
網、ネット、タモ、ハンモック、カヌーのシート、等々、すべからく同じ編み方で編めるのだ。 何でも自分で編める。
買った投網で練習して、うまくなったら米国式のCast Netを編んでみようと思っている。 1~2年がかり位で・・・
今は、この反省から、ワンストロークでの編み方をさらに発展させ、ちょっとした道具で簡単にたくさんの網目を作る方法を考えています。いつになるかわかりませんが、できましたら投稿しますね。
新田恭子さんのネット作品見ました。 あんなに素敵なものが網でできるんですね。 参考になりました。
鮒竿を作っているのでしょうね。知人が浮きを作っていました。最初は孔雀の羽で次は発泡スチロールで。サンドペーパーで削り形を作っていました。鮎の友釣りの三本の引っ掻け作っていました。皆さん上手です。
私はかぎ針で作品をつくっています。