ご無沙汰してます。
試験前パツパツでブログ更新を行う余裕がありませんでした
先日、何とか計器飛行証明の試験にパスしましたぁ~~
いやぁ、疲れた。。。フライトの試験は4時間10分、オーラル(口頭試問)は1時間強でした。1,500円のユンケルを飲んで乗り切りました
さて、実機試験(フライト)の流れと当日の模様を書いてみます。
フライト試験は大きく2つに分かれます。
1)ナビゲーション(長距離のフライト)
2)エアポート・ワーク(精密進入x2<エンジン1発不作動のケース含む>、非精密進入+Low Circling、ホールディング)
*Low Circling(ロー・サークル)は、空港から1,600メートルの幅を設けてぐるっと回って着陸する周回進入
試験のルートは、早朝に試験官に電話をして簡単なウェザーブリーフィングを行ってから試験官によってルートが決められます。実は・・・かなり優しい?試験官でした。自分がいつも練習している旭川空港でのエアポートワークを希望しているのを知っていたかのようにルートを組んでくれました(きっと教官がプッシュしてくれたんだと思う)
天候等を考慮して、ルートは札幌丘珠飛行場から留萌(るもい)・稚内を経由して旭川空港へ
旭川空港でエアポートワーク
エアポートワーク終了後、丘珠へ戻る
といったルートに決定
そこから、ナビゲーション・ログといって飛行ルートの計画を作成(30分以内)
さらに計画をベースに離陸重量、着陸重量、重心位置及び重量分布の作成(ウェイト&バランス)
訓練生の仲間がだーーっとダブルチェックしてくれました。感謝です。
丘珠飛行場まで3人の仲間が同行してくれました(試験官と教官は別の車で移動)
車中、3人から本日のフライトのポイントなど最後のアドバイス・励ましを受ける。まるで、どっかの社長さんのような気分でした・・・
飛行場に着くまでは、さすがに緊張しましたが、いざ飛行場のゲートをくぐると不思議と緊張感はなくなりました。
訓練機の駐機スポットまで歩いて5分くらいかかります。その間に気合を入れるため3回ほど大声で”よっしゃぁ~~”と叫んで試験に臨みました(ちょうど、近くのヘリがエンジンスタートしているところだったので、叫んでも誰も気づかない)
いきなり機体の外部点検でつまずく・・・試験官からシステム関係(ヒーターのスイッチはどんな仕組み?メインギア(車輪)はどこをチェックすてるの?などなど)の質問が・・・うまく答えられない・・・システムの勉強が全然足りませんでした(恥)
少し気まずい雰囲気のまま、テイクオフ!!試験官は右座席、教官は後部座席に座ってます。
留萌あたり(札幌から20分北)に雲があり9,000フィートから11,000フィート(約3,300メートル)へ上昇しました。1万フィートを超えると空気が薄いので、体への影響が少なからずあります。案の定、稚内への到着予想時刻(ETA=Estimated Time Arrival)の計算を上空でミスった・・・ 11,000フィートの巡航が30分を過ぎた頃、雲もなくなり視界良好だったので、9,000フィートへ降下
前方にはくっきり稚内の市街地、ノシャップ岬も見えました。「前方左手に見えますのが~~」軽くコメントしておきました。試験官は北海道は初めてだったようなので。
稚内から旭川への返針(針路変更)も問題なく、その後旭川まで大きなミスはなかったと思います。いつも通り、淡々とプロシージャー(手順)を守って飛行しました。
旭川についてからがもう大変・・・ごっつい雲が点々としてて気流も悪い。そんな中、エアポートワークを決行
- 6,000フィートでのホールディング(待機経路をぐるぐる回る)では、高度・スピードは気合で維持して無事にクリア
- 精密進入は(縦・横の電波に乗りながら滑走路へ向けての進入)ん~~ まぁまぁ でも計器の針が敏感になってくる対地500フィート(150m)を切ってから不安定になりちょっと電波のコースから外れてしまった(汗)が、着陸には支障ない程度のずれで済みました。
- 1発のエンジン不作動の精密進入では、左エンジンを切られました・・・じーーーっと横目でどっちを切るのか見ていたので慌てずに対処できたのでした。
- 問題のLow circle(空港周辺を1600メートルの幅を維持してぐるっと回って着陸)は、右回りを選択!!何故って??後ろに座っている教官の「今、旋回しろ!!」という合図が周辺視野で見れるから・・・お陰で何とかクリア~(自分は前方左の席に座っていて、教官は後部座席の右側に座っている)
無事にエアポートワークを終えて旭川空港で駐機
帰りの旭川から丘珠へのフライトプランを事務局でファイルして、気象室に出向き最新の気象情報を入手 そこで、衝撃の事実が・・・気象予報官が積乱雲がモクモクと出始めているとのこと・・・それはまずいよ
急いで飛行機まで戻り、訓練生の仲間が用意してくれたチョコレート(糖分補給)・おにぎり・お茶を飲もうとしたら、見当たらない・・・・たしか鞄に入れたはずなんだけど。結局、1滴も水分補給できずに出発・・・(後で食糧を入れたビニール袋は荷物室の奥の床に落ちていた) せっかく用意してくれたのに残念
旭川を出発してから試練の連続・・・雲をよけきれない。積乱雲や積雲(対流雲系)がものすごい・・・まるで洞窟の中にいるようだ。必死に管制(札幌コントロール)にヘディングを要求したんだけど、どうしようもなく突っ込んでしまった。おまけに軽いパニック状態だったせいか、札幌から遠ざかる方向に逃げていた。。。後ろにいる教官もハラハラドキドキだったんでしょう。。後ろから蹴りが何発も入ってきた・・・(何か間違っていたら座席の背もたれを蹴られる)
もうボロボロになりながら札幌に帰還・・・着陸はうまくいったと思うけど、「あーだめかもなぁ」と一瞬よぎったくらい旭川ー札幌間はひどいフライトでした。
学校に戻っての試験官の講評では、厳しいことをかなり言われましたが、最後に「計器飛行の基本は出来ているよ。合格です!!」と言われ、疲れがどーーーっと出た感じ。
嬉しいというよりは、ホッとした。情けないフライトをしてしまって教官に申し訳ない。次回の事業用操縦士の試験では挽回するぞ!!
今回の試験で訓練生の仲間が総出で朝5時から全力でサポートしてくれました。
試験間近で夜中までシミュレーターに付き合ってくれたり、当日は気象情報や航空情報の整理、図解、マップ作り、ログや重心位置のダブルチェック、空港でマーシャラーをやってくれたり、おやつやドリンクを用意してくれたり、絶対いけるよ!と励ましてくれたり。
彼らなしでは合格まで辿り着かなかったことは自明のこと。本当に感謝です。
とりあえず、ちょっと休憩してビール飲んで、次の訓練に臨みたいと思います
下記映像は訓練生の仲間が丘珠飛行場の展望デッキから最後の着陸を撮ってくれたものです。
ぽちっと押してもらえるとモチベーションUPします
下記映像は訓練生の仲間が丘珠飛行場の展望デッキから最後の着陸を撮ってくれたものです。
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