天空の扉へ Good day! - たか機長 45歳でプロパイロットへ😊

歳を重ねるごとに毎日が楽しい!そう思える日々を送っていきたいです。一つのパイロット・ライフスタイルを伝えていきたいです!

稚内空港へ

2010-07-28 | 訓練日誌

本州・四国・九州各地で猛暑というNEWSを聞くと、ぞっとする。激暑なんていう言葉が流行ってる
 
去年まであの暑さの中で暮らしていたなんて・・・ちょうど1年前に会社を辞めたんだなぁとしみじみ
 
札幌の夏は気持ちいい 夜なんて涼しくて、夜寝るときは毛布です・・・(アパートが北側っていうせいもあるかも)
 

 
今日は約1か月前にロングフライトで行った稚内の話し
 
稚内は北海道最北端の街で、札幌から訓練機で行くと1時間強と程よい距離にあります。試験も天候次第では稚内の可能性も十分あり。この日は札幌の日中の最高気温は31℃まで上がったが、稚内は23℃・・・この差は一体・・・ なので稚内上空は寒いと思ってウィンドブレーカーを持参
 
ルートは札幌から旭川上空を経由して稚内へ


(クリックすると拡大表示可能)


 
旭川周辺では若干雲が出てたけど、旭川を抜けて稚内までは視界良好
 
右手には名寄盆地、左手には天塩山地(てしお)をしっかりこの目で確認できました!アメリカの田舎町上空を飛んでいる錯覚を起こさせるほどの雄大なパノラマを楽しめたのでした。あれ?外の景色を楽しめるようになってきたってことか
 
 
稚内では精密進入(縦・横の電波ビームに正確に乗りながら着陸へ向けて進入する方式=ILS)を2回ほどトライ
 
稚内空港は、海の側にあって風向・風速がコンスタントに変動するので少々やっかいだ。案の定・・・電波ビームにうまく乗れずで・・・ 風の変動に踊らされている。教官のアドバイスによると、操作が1テンポ遅いとのこと ポイントは計器の針(横の電波に乗っているのかを示す針)ばっかり追っかけない。風を読んで針の動きを自分なりに予測すること。早め早めの操縦桿の操作がポイント!自分自身で飛行機を飛ばすこと
 


稚内空港
 


美しい~利尻富士



映像は下記地図のエリア上空を飛んでいるところです
ノシャップ岬から近い稚内市街も入っています(昔、バイクで行ったなぁ~)
着陸へ向けての進入中のシーンでは左手すぐ側に海が・・・


(クリックすると拡大表示)








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速度計マーキング(その2)

2010-07-19 | 訓練日誌

昨日の記事ではフラップって何?について簡単に触れました。この速度計の色使いを説明する上でフラップはキーワードになってくるから。
 
今日は速度計のマーキングについて本題に入りましょう!
 

 

 まず、内側と外側の目盛について
 
内側の目盛はMPH(Mile per hour)で、アメリカの車の速度表示と同じです。1マイル=時速1.6km  何故飛行機の速度計にMPH表示があるのかは・・・よく分からない

外側の目盛はKNOTS(ノット)で、1ノット=時速1.85km  飛行機の速度はこのノットを使います。これからお話することは、この外側の目盛っす。
 

 
はじめに白色弧線について!!
 
この白色の弧線はフラップ操作範囲の速度を示しています。
 
下限は車輪とフラップを全部下ろしたときの失速速度(この速度のことをVsoと言います。V=Velocity<速度>) 訓練機のVsoは74ノット(時速137km)
上限はフラップ下げ速度(Vfe=flap extended)この速度以上ではフラップを下げてはいけません。訓練機のVfeは122ノット(時速226km)

 
失速速度はとっても重要な速度です。何故って?失速すれば飛行機は操縦不能となり、高度が低い場合は地面に激突してしまいます(逆に高度が高いと回復操作によりリカバーできる)
 
フラップを下げるときのコールアウト(声に出して言う)に、”チェック・エア・スピード!”というフレーズがあります。エア・スピード(速度計表示の速度)がフラップ操作範囲か声出し確認してフラップレバーを下げます。
 
昨日の記事で触れましたが、フラップを下げるってことは、着陸に向けてアプローチ開始するよ!!という意思表示です。ということは、高度はどんどん降下していきます。さらに、ある高度に達したら車輪を下げます。車輪を下げるということは、着陸するぞ!!という意思表示です。フラップ+車輪を下げて着陸へ向けて降下します。着陸操作で重要なのは適正速度をきちんと守る!!遅すぎたり、早すぎたりしては理想の着陸は出来ない・・・・(これが難しいんだけど) っで、もし遅すぎたりして失速速度に達してしまうと、高度が低ければ墜落ってことに・・・
 
つまり、失速速度は生死を分ける速度?!ってことか。
 

 
次に緑色弧線の範囲は通常の速度範囲を示しています。
 
下限はフラップと車輪を上げた状態<クリーンコンディションとも言う>の失速速度(Vs1) 訓練機のVs1は84ノット(時速155km)
上限は最大巡航速度(Vno=normal operation) 訓練機のVnoは195ノット(時速361km)
 

 
また、黄色弧線は警戒範囲の速度域を示します。
 
スムース・エアー(気流安定時)の中でのみ許される速度域で、意図的に入れてはいけない速度です。
 

 
220ノット近辺になる赤色の線は超過禁止速度(Vne=never exceeded)です。この速度を超えてしまうと飛行機の強度は保証されません・・・訓練機のVneは223ノット(時速413km)
 
 
 
とまぁ、こんな感じで飛行機の速度計は運用上重要な速度が一目で分かるようになってます。

 
 
あ、因みに80ノット付近の赤線と100ノット付近の青線は突然片側エンジンが故障した場合に重要な速度です。

 
赤線:最小操縦速度 (Vmc=minimun control)を示します。この速度は左側のエンジン(右回りのプロペラを持つ双発機では左側のエンジンが不作動になったとき最も飛行特性を悪くする)が突然不作動に陥った時、機体の姿勢を持ち直すことができて、最小の操縦操作で直線飛行を維持できる速度です。訓練機のVmcは81ノット(時速150km)
 
青線:1エンジン不作動時の最良上昇速度(Single Engine Best Rate of Climb Speed = Vyse)を示します。1エンジン不作動時に最大上昇率が得られる速度になります。訓練機のVyseは100ノット(時速185km)

 
試験科目の一つに1エンジン不作動のままのILS進入(精密進入)およびVyseを利用しての着陸復行があります。。。


以上、自分の復習も兼ねて飛行機の様々なスピードについて書いてみました。車やバイクと違ってたくさん重要な速度がありますね。3次元の世界を飛行するには、航空力学的に飛行機そのものの強度を理解したり、各種制限スピードを理解したりと覚えるべきことがたくさん。空の世界に飛び込む前には想像だにしなかった




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速度計のマーキング(その1) でもその前に・・・

2010-07-18 | 訓練日誌

よーやく計器飛行証明の実機試験の日取りが決まりました
 
8月の第4週です。1カ月延びてしまいました。モチベーションの維持に一苦労ですが、まぁ、延びた分勉強できるということで頑張っていこうと思います。4名同時に受験です。みんな合格するようにチームワークで フライト訓練は試験日をピークに持っていきたいため、今月は飛ばないみたいです。今月はひたすら・・・口頭試問(オーラル試験)の勉強かなぁ。
 
 
 
さて今日は速度計のマーキングについて
 
下記写真は訓練機(双発機=エンジン2機)に装備されている速度計です。


 

白・緑・黄色・青線、赤線などちょっとカラフルでしょう??
 
ちゃーんとそれぞれ意味があるのです。
 
 
色々な飛行機の速度があるんだけど、キーワードはフラップ(下げ翼)
 
フラップって何? 普通の人は訳分からんと思うので、ちょっと触れておきましょう。。。でも、多くの人が見たことあると思うんだけどな。
 
 
下記の写真はボーイング737型機のフラップです。



翼の後縁に付いてます。一般にフラップは着陸進入中に何段階かに分けて下ろされます。恐らく旅行で翼の側の窓際に座ったことがある人はフラップが下りるのを目にしたことがあると思います。

 
このフラップは、どんな役割があるのか??!!
 
簡単に言うと、揚力と抗力を増加させる目的があるのです。言い換えると、フラップを下げることにより浮揚力と抵抗が増えるのです。
 
着陸へ向けて進入するということは、速度を減らさないといけません。フラップを有効に使うことによって、適正な速度へ減速し(抵抗)、かつ機体を安定させる(揚力を補う)ことが出来るのです!!
 
操縦席からの視点で言えば、フラップを下げることによって、機首もより下げないと適正な降下ができません。つまり、操縦席からの視認性(空港・滑走路)が高まる!!利点もあります。
 
ということで、フラップが故障してしてしまうと・・・ちょいと厄介です・・・(一応、ノーフラップ着陸の訓練もしますが)
 
 
明日、速度計のマーキングについて書きまーす


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中標津へフライト

2010-07-14 | 訓練日誌


ここんところ、札幌も曇りや雨で天候が悪くフライトはなく自習期間が続いています
 
気温もそれほど上がらずTシャツ1枚だと肌寒い感じで、夜は長袖が必要なくらい
 

(画像をクリックすると大画面へ)


先月、女満別(めまんべつ)に続いて中標津(なかしべつ)へ行ってきました。といっても、操縦はせずに後部座席でオブザーブ(見学)でしたが。オブザーブはかなりラッキーで操縦しないわけだから訓練費用はかからない。ぼけーっとしていたら全く意味ないけど、ちゃんと学ぶ意識があればかなり有効です。ときには、自分で操縦していると分からない”気付き”もある。

 
例えば・・・

 
地図を片手に標高の高い山や湖を目で確認しておく!標高が分かっていれば、山にかかっている雲をみて、雲の高さ(雲のトップ<雲頂>)を推測できる。この日は、道東エリアでは比較的低い雲が広がっており、なかなか地上を目視で確認することは難しかったかなぁ。それでも高い山は確認できた!楽しみしていた摩周湖は見えなかった・・・

 
パイロットは各種制限の中で飛行機をどう飛ばしていくか?!色々なジャッジ(判断)をしていくんだけど、訓練生の仲間が行うジャッジと自分のジャッジを比べることで視野が広がる(あー俺だったらこうするけど、K君はこうした。何故だ? 教官のアドバイスはこうだった。何故? といった感じ)特に勉強になったのは、なるべく機体を揺らさない(乗客に不快感を与えない)ためにどう飛ばすか?! 鍵となるのは雲をいかに立体的に捉えて、着陸に向けてどこのポイントから降下を開始するか?! そのプランニングが大切
 

 
中標津へのルートは札幌から東へ向かい、釧路上空で北へ進路変更して摩周湖辺りから中標津へ最終進入
 
所要時間は1時間10分程度
 
 
中標津はのどかなところ。空港周辺は何もない。20歳のころバイク・ツーリングで来たっけかなぁ~しみじみ
 
映像は、中標津空港から離陸して雲を突っ切るところまで




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(札幌管制区)管制所見学!!

2010-07-06 | 訓練日誌

先日、札幌の管制所に見学に行く機会がありました。


正式には、管制区管制所(ACC: Area Control Center)といって、航空路の管制業務および一部(空港への)進入管制業務を行う機関です。空港にある管制塔ではなくて、出発地から目的地へ向けての巡航中に様々な管制のサービスを提供してくれるところです。 

例えば、
 
目的地空港への進入許可の発出
自分の近くに他の飛行機が近付いているときに、その情報提供(方位、高度、どっち方面から飛んできているか、など)
 

日本には札幌、東京、福岡、那覇の4つの管制区管制所があります。管制官に呼びかけるときは、”~コントロール”を付けます。
 
下記の写真は各管制所のカバー範囲を示しています。札幌コントロールのカバレッジは北海道全域と東北地方の北部です(ちょうど岩手・秋田くらいまでかな)
 


 
 
夜の見学だったので、北海道上空はそれほど飛行機は飛んでおらず、管制官の数も少なめでした。管制室というか、大き目のホールみたいな感じで、窓はないけど、天井がとても高く、レーダーの画面がびっしり並んでいました。休憩中の管制官とお話する機会があって、空いているレーダーの画面で色々と機能の説明をしてくれたり、実際に飛んでいる飛行機を例に解説してくれました。
 
かなりハイテク化が進んでいる。例えば各空港のリアルタイムの風向・風速が分かったり、飛んでいる飛行機の速度や高度も分かったり(飛行機の型式まで分かる)
 
実際に女満別空港へ2機の旅客機(JALとANA)が向かっていて、放っておくとほぼ同時に着陸となるケースがあって、管制官が片方の飛行機にホールディング(飛行場上空待機)を指示しているシーンが印象的でした。また、東京コントロールから札幌コントロールのレーダー覆域に入る時の引き継ぎ(レーダーハンドオフ)をリアルで見れたりと 大変勉強になりました。
 
 
 
では、実際にTakaが女満別タワー(管制塔)から札幌コントロールにコンタクトしている映像をどうぞー
 
 
映像ちょこっと解説:
 
映像の流れは
①駐機場から女満別タワーにコンタクトして飛行計画の承認をもらう(クリアランス受領) 
②その後、タクシー許可を得る(駐機場から離陸開始点<滑走路>まで)いつもの癖で札幌タワー~~♪って言ってしまった・・・(凡ミス)
③離陸許可を得て離陸!
④上空1,400フィート当たり(約400m)でタワーから札幌コントロールにスイッチしなさいと指示をうける
⑤札幌コントロールにファースト・コンタクト!(最初にコンタクトするときは、現在の高度とその後上昇する高度を伝えます)






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初ロング・フライト! 女満別へ

2010-07-02 | 訓練日誌

先週の札幌は暑かった!! 連日30℃越えで記録的な暑さらしい
 
フライト訓練も上空に上がるまで汗だくで、タオルが要ります。
 
ここ数日は、雨や曇りが続き太陽さんも一休み?ってところかな。夜は涼しくて快適です。まだ、扇風機は買ってません!きっと東京方面はじめじめ梅雨まっさかりなんでしょう。

 
 
さてさて、今日は6月15日に女満別に行ったときの画像をupします。
 
自分で撮った写真もあるけど、どれもしょぼくって、一緒に同行した訓練生N君が撮った物を譲ってもらいました・・・
 
この日は初めてのロング・フライトということで、ワクワクもあり、不安もありで・・・もちろん、札幌・旭川以外の空港への精密進入も初めて。
 
 
女満別は道東に位置していて、網走湖のそばです。
 
ルートは札幌から釧路上空へ向かい、そこから針路を北へ変更して女満別でした。所要時間は1時間強




 
この日のお天気は、道東を中心に低い雲に覆われている点が特徴でした。よって、途中確認したかった、帯広や釧路の街並みは全く見えず・・・ちょっと残念
 
 
初の女満別へのアプローチ(精密進入)は難しかった。途中、上昇・下降気流などがあり、縦の電波にうまいこと乗れなかったり・・・ちょっとスランプか?とも思ってしまう。とにかく次につなげよう
 
 
釧路へ向かう時の雲海 雲びっしりで地上が見えず



 
釧路を過ぎて北上すると雲はまばらに・・・屈斜路湖もキレイ


 

 
これが女満別空港 空港周辺は田園風景でのどかな感じです


 

 
女満別空港へ着陸間近!!



 
JAL MD-90 (マクドネル・ダグラス社製)
退役モードらしい






ANA系エアーネクスト社 ボーイング737型 ちょっと風であおられてるかな?


 
エンジンにドルフィンが?! 愛称はスーパードルフィン





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