食物繊維が不足すると、便秘や不規則な排便、コレステロールや血糖値の上昇、結腸直腸がんのリスクが高まる可能性があります。また、動脈硬化症、虚血性心疾患、脂質異常症、糖尿病、肥満、コレステロール胆石症などの生活習慣病のリスクも高まります。
厚生労働省によると、18~64歳における一日あたりの食物繊維の目標量は、男性で21g以上、女性で18g以上と設定されています。日本人の多くが食物繊維不足の傾向があるため、現在の食事に一日あたり3~4gの追加摂取を心がけましょう。
食物繊維を摂取するには、主食の穀類からとるのが手軽です。玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると、効率的に食物繊維が摂取できます。また、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類などにも多く含まれています。
食物繊維の摂取量を増やすには、次のような方法があります。
- ごはんに昆布や豆を混ぜ込む
- パスタの具にキノコ類や野菜をたっぷり入れる
- 穀類自体を食物繊維の多いものに変える
- 麦ごはんや全粒粉のパンなどを取り入れる
- いつもの食事に野菜やきのこ、海藻などを加える
食物繊維が足りているかどうかを血液検査で判定することはできませんが、食物繊維不足を示す体のサインとして、数日おきにしか出なかったり、便が硬くなったりしてしまうことがあります。1回あたりの排便量が150g以下の場合も食物繊維が不足している可能性があります。
野菜は生のまま食べるよりも、茹でる・炒める・煮るなど、加熱してかさを減らすと食物繊維の摂取量を増やすことができます。また、一度にたくさんの野菜を食べることができるお味噌汁もおすすめです
海藻類やきのこ類は調理が簡単でどんな料理にも合わせやすいため、常備していろいろな献立に加えてみましょう。納豆や海藻類(めかぶ、もずくなど)は調理の手間がないので、忙しい朝食に取り入れやすい食品です。
水分が抜けている食品は少量でたくさんの食物繊維を摂ることができます。ドライトマトや切り干し大根、大根おろしやおろししょうがなどが挙げられます。
食物繊維を十分とるには
食物繊維がもつ肥満、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病などを予防する効果を最大限生かすには、1日24g以上とるのが理想的です。しかし、日本人の食物繊維の平均摂取量は1日およそ14gと非常に少なく、日本人の食事摂取基準2020年版の目標量である男性21g以上、女性17g以上(30~64歳)にも満たないのが現状です。
食物繊維の摂取量を増やすには、まず麦ごはんや全粒粉のパンなどを取り入れるようにします。また、いつもの食事に野菜やきのこ、海藻などを加えるのも摂取量を手軽に増やすコツです。小さな工夫でも続ければ1日の食物繊維の量は確実に増えます。
【NHK健康】食物繊維が手軽にとれる1日メニュー!朝食・昼食・夕食レシピ
食物繊維は1日24g以上とるのが理想とされていますが、日本人の平均摂取量は14gと少ないのが現状です。肥満や動脈硬化、糖尿病などを予防する働きのある食物繊維を簡単かつ上...
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