GOREとにゃんこの桃源郷

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Toribute to Mortician

2009-09-26 | CDレビュー
ホラー・グラインディング・デス・モンスター"Mortician"のカヴァーを詰め込んだ珠玉の1枚。全39バンド、39曲が収録されている。しかも、ゴア・グラインド系バンドが大勢いるという素晴らしさだ。以下、バンドごとに紹介していこう。

Track01 XXX Maniak
 米国が産んだご存知マシングラインダー。アルバムの先鋒ということで、なかなか原曲に忠実なカヴァーを披露している。SEもある。

Track02 Depression
 独逸の老舗ジャーマン・ゴア。といっても聴くのは初めてだ。音がクリアなせいか、原曲より機械的になった印象を受けた。

Track03 Fleshbomb
 名前が愉快なロシア産バンド。音は重々しく荒々しい。アングラ臭が充満する力強いミュート刻みが冴える。

Track04 Carnavage
 アルジェリアから参戦したデスグラインダー。原曲より明るく、声がしゃがれている。またハーモニクスチョークに拘りを見せているが妙だ。

Track05 Rigor Mortis
 バンド名が格好良い(死後硬直)ロシアン・マシンドラム・グラインド。「ロシアのMortician」と称されるだけあり、原曲と何ら変わりないクオリティで、歌声まで瓜二つだ。

Track06 Huevo Duro
 またもやロシアからの刺客。野獣の如き咆哮と猛烈ブラスト、と言った形容がよく当て嵌まると思う。格好良い。それに、電子風スネアがよく合っている。

Track07 Grandma
 アルゼンチンの初耳バンド。SE部分でジリジリしたノイズが入っていたため、こいつらデモテープ状態で曲送り付けたのか、と思っていた。ところが、いざ曲が始まると、相変わらずジリジリした中だが、音は篭もっていないし、音作りは骨太で格好良いし、特に音質が悪くもない。なるほど、わざとか、という結論に至った。さすが南米というべき音圧を持っていた。かなりGood。

Track08 Venereal Disease
 スペインのまたしても初耳なバンド。というかスペイン産は好きなバンドが少ない。Tu Carneみたいな劣化した音質と、奥に引っ込みすぎたボーカルが地下臭を漂わせている。

Track09 Brutal Noise
 アルゼンチンから参戦。ボソボソ声はライブを意識した作りなのだろうか。終始淡々としている。

Track10 Sewage Sammich
 アメリカの誰だこいつら的バンド。ミュートリフのピッキング音や、スライド時の音がカッコイイ。というかもう、音作りがアメリカ的でボーカルがヘドロみたいに這っていて良い。でも、高音は蛇足。

Track11 Screaming Afterbirth
 USA産デスグラインダー。ゴアメタルっぽくてあまり好きではなかったが、Morticianのカヴァーをやらせたら、こんなに素敵だとは意外や意外。

Track12 Cannibal Motivation
 スペインの変な名前バンド(吉田戦車の餅ベーションを思い出してしまう)が、泥臭い荒々しさとゴアボーカルスタイルは素敵だ。

Track13 Sodomy Torture
 これまた初見のフレンチ・グラインディング・デス。全体的に、特にドラムの音が軽すぎて、迫力がまるで無い。そして非常にアッサリしている。

Track14 Inbreeding Sick
 コロンビアのブルデス野郎。先ほどとは打って変わって音量がデカイ。ひたすら突進、咆哮、とブラストパートに全力投球している。

Track15 Serrando Codos
 スペインのデスグラインダー。異様に音量が大きくて音割れ注意、フレット移動でキュッキュ言わせすぎなので、ドロップチューニングにすべきだと思う。

Track16 Iron Buttler
 USA、誰だよ本気で知らないバンド。普通にスプリットっぽい音質。

Track17 Gangrena Febrosa
 ブラジリアン・ゴア・柔術、マフィア映画に出てきそうなバンド名だね。特筆すべきところが無い。

Track18 Katalepsy
 またロシアからの登場、名前は売れてるブルデス人。全体的に巧くまとまっていると思う。ただ、優等生すぎて面白みは無い。

Track19 Umbilical Fetal Strangulation
 やっと出た、メヒコ産ゴアグラインド。久し振りに鍋蓋スネアのゴアグラ音作りなので、とても良いバンドだと思ってしまう。上手い位置に居たものだ。

Track20 Monigo
 意外に多かったスパニッシュ・ゴア、しかもスカトロ。楽曲の上に高ボリュームのボーカルが乗った作り。低音吐き出しと蛙バキュームを併せたツイン仕様で、Morticianっぽさを存分に活かしつつゴア化している。

Track21 Horrisono
 メヒコ、メヒコ、メヒコの初見デス・バンド。しゃがれ吐き出しボーカルと、何故か早口喚きを用いている。異色。

Track22 Axon
 やっと有名所と言えるバンド、メキシカン・デスメタル。高音スネアのブラストが格好いい。デスっぽいボーカルと弦楽器隊の演奏の巧さもデスメタルっぽくて良い。

Track23 Necrocannibal
 ポルトガルの孤独なゴアグラインダー。いかにも、という感じ。良いバンドに挟まれているため、残念ながら印象に残らない。

Track24 3:15 AM
 何このバンド名、誰よ的ベルギー人。蓋を開ければ、このカヴァー集で唯一のノイズ・グラインドだった。FMD好きは是非。当然(?)、音量の大きさに注意。

Track25 Klysmaphiliac
 メヒコらしいがどうにも知らないバンドが多い。普段何やってるんだろうか、ビール工場勤務だろうか。物凄い溺死系嘔吐ボーカルの下に、デジタルっぽい演奏がある感覚。

Track26 Bloodthirst
 あのブラッドサーストか、と思ったらスペインの方だった。だから知らない。苦しそうなデスボイス以外は原曲に忠実。

Track27 Methadone Abortion Clinic
 USA産ゴアグラインダーが強力になった帰ってきた。まず原曲をアレンジしていて好感。さらに、溺死とまでいかない低音下水道ボイスを携え、重苦しい音圧はそのままに、ダイナミックな音作りになった。いつの間にこれほど進化を遂げたのか、文句無しに素敵だ。

Track28 Atavism
 ギリシャだブルタルデスグラインドだ。なかなか音が篭っている。あまり特徴が無いので、どう書いていいか困る。

Track29 Funeral Rape
 イタリアのポルノゴアグラインダー。EP、Sexperimentと音は一緒だが、声がMorticianを意識してか低音デスボイスになっている。これだけ出るなら普段から出せば良いのに、と思ったりした。つまりとてもGood。

Track30 Rot
 メキシコのRotらしい、て、え、どれがどのRotだか非常に混乱している。シャリシャリしたギターとポンコツ感の漂うドラムに好感触を得る。ただ、声はおっさん臭い。

Track31 Obscene
 スウェーデン産デスメタル。ノリの良いリムショットを携え、全体的に音のバランスがとても良い。

Track32 Social Shit
 アルゼンチンのデスグラインダー。怪しい単音トレモロピッキングが印象的で、ミュートリフは良い意味で機械的。こちらも全体的にバランスが良い。

Track33 Bestial Devastation
 イタリア産ゴアグラインド・バンド。原曲と同じSEで幕開けするものの、音作りはかなり攻撃的。低音ボーカルはMortician風だが、後半、叫びも挿入される。さらに、3連っぽいノリが随所に施されているなど、リズム感が非常に面白くなっている。

Track34 Carnivore Mind
 ブラジル産ゴアグラインダー。重々しさと、面白いスネアの音作りが調和する。ボーカルの音量が小さいのが残念だが、Mortician風であると思えば合点がいく。とても好きなタイプの音だった。

Track35 Ancient Necropsy
 コロンビアのブルデス。って、もしかして一人バンドかも。ボーカルの声質が、かなり格好いい。全体的に音のバランスも音作りも良いのに、音楽マニアっぽい演奏が腹立つ。

Track36 C.A.R.N.E.
 メヒコのポルノゴアグラインド。とにかくボーカルスタイルが変わり過ぎて、らしくない。ピッチシフター、バリ掛けの野獣ボーカルに大変身だ。ギターはいつもと変わらないが、Hugoreがこれほど速いドラミングが出来るのは意外だった。もっともっさりしていると思ったが、メヒコらしからぬカッチリ感で、そういう意味では忠実なカヴァーかもしれない。

Track37 Vomit Slit
 名前だけ知ってる英国マシングラインダー。英国出身だかといって紳士とは限らないのがこの世界だ。面白いアレンジだが、たるいのでどうも好きになれない。

Track38 Corpsefucking Art
 イタリアン・ブルータル・デスの大御所。ボーカルの歯切れのよさと、演奏の合致が素晴らしい。やはりデスメタラーはカッチリしているなぁ、と、つくづく感じさせられる。あと、この周辺の曲は、俺のコンポだとバグることが多いので悲しい。

Track39 Lymphatic Phlegm
 ブラジル産マシンドラム・ゴアグラインド・in the Bathroom。最後は突如風呂ゴアだった。ぼわっとしたエコーが掛かりまくり、ドラムは元々打ち込みだ。ボーカルもいつも通りの歌唱だった。これはMorticianではない、どう聴いてもLymphatic Phlegmだ。まぁ、好きなバンドだから構わないのだけれど。そして最後の20秒くらいの空白は何だろうか。

   総評
 原曲に忠実なカヴァーが多いので、Mortician好きな人には勿論お薦め。それ以外でもデスメタルとゴアグラインドがバランスよく配備されている、痒いところに手が届く設計のため、デスメタラーとゴアグラインダーどちらにもお薦め。
 という具合なので、自分の好きなバンドが少しでも参加していたら、買って損は無いはずだ。万が一、損したと感じたら、そっと、ため息でもつこう。そしてまた歩き出そう、中古CD屋へ。

※CDtext仕様で、それぞれのトラックに番号が振られていますが、数トラックおきに番号がずれていて、最後のトラックでは43とか表示されます。聴いている曲を確認する際は気を付けましょう。


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