GOREとにゃんこの桃源郷

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Sperm of Mankind

2018-03-26 | CDレビュー

 スロバキア産ジャーマンゴアグラインド、2013年チェコのBLP発1stフルアルバム「GODZILLA」リリース!この衝撃的ニュースに日本中が歓喜し、誰もが小躍り(安来節)したことも記憶に新しいことだろう。朝のニュース番組で現地のリポーターが全身全霊、国中の盛り上がりを英語でまくし立てていた。その時の映像が、ジャケットとして起用されているタイムパラドックス要素も相俟って、人気は急上昇。発売当初オリコンチャート圏外だったこのデビューアルバムが、今日に至るまで圏外を独走し続けていることは調べるまでもない。

 全20トラック弱、30分弱の長すぎない構成。グルーヴ重視のモッシュゴアスタイルなので、当然ギターはエッジの利いたミュートリフ中心。ドラムはブラストしないため、テンションを張らないスネアに、キックがリズムを作る。ベースはスラップ系のアタック音強めで弾いているため、曲全体のビートが強調されている。ボーカルは中音域の排水溝と高音ガテラルで、きちんと歌うタイプと、時折、ノーマルの煽りなどが入る。

 およそシャム双生児な要素の強かったチェコとスロバキアが分離して久しいが、まぁそもそも嘗て同国だし、なんたってほぼドイツみたいなとこだし、ジャーマンゴアが台頭するのは当然のこと。元々がそんな大きな国家ではないのに、分かれたせいで人口も相応に少ないので、もはやアジア圏に依存する側の人間としては、過去と変わらず、あまり国家的な区分けを意識していない。そのため元来のチェコスロバキアの略称として、両国まとめて「チェコ」と括ることも珍しくないし、北欧人からすればスロバキアを蔑ろに見ているように勘繰られるかもれないが、特別悪意も無い。当の本人たちは、やっぱり違う意識なのかねぇ。こちとら島国なので、同じ土の上で国境みたいに言われてもピンと来ない。
 故に今作は、国土を分かつという未体験ゾーンを考えるべく全島国の人へ推薦し得る作品。あと何だかわからないジャケットにゴジラとでっかく書いてあるので、無造作に部屋に置いておくと、人が留守してる間に勝手に部屋に入ってきた姉がシンゴジラのディレクターズカット盤と勘違いして持っていってしまうから気を付けよう。年下でも構わないから、そんな姉が欲しいのでお願いします。


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