Amazing Grace 北の大地での田舎暮らし

大自然の中での田舎暮らし
北の大地で生かされていることに心から感謝し、日々感じたことを綴っています

湖の麓より

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今週の原発 1  前半

2013年01月07日 | 本から
今週の原発 浅田次郎氏インタビュー




ーーー福島では、子どもたちを県外に疎開させる「保養」という名の疎開が広がっています。

浅田 

それが必要。本来は、一斉に学童疎開させるべきだった。僕は自分の小説『終わらざる夏』の中で学童疎開というものを重く取り上げました。そのとき学童疎開についてはかなり調べたんだけれども、昭和20年の時点で大都市から50万人の児童を疎開させたんだよ。いっぺんに50万人だよ。われわれは、戦時下の政治家や軍部を鬼畜生みたいに言うけど、結局、彼らができたことを福島ではできなかったんだよ。今回の原発事故が子どもらにおよぼす影響についても、もっと危機感を持たなければいけない。

だって、戦時中は都市市部への空襲が始まる前にちゃんと疎開させているんだからね。ということは、危機感を持っていて、先を読んでいたわけだ。これから先、絶対国防圏は破られるだろう、マリアナじゃ落とされるだろう。マリアナが陥落すれな、必ず東京も大阪も火の海になるという計算から、冷静に50万人動かしたんだよ
よ。

ーーー逃がしたんですよね。日本民族の未来のために。

浅田 

そう。疎開した子どもたちはすごく苦労したと思うよ。苦労したけれども、命はつないだんだよ。その人たちが、戦後の高度成長を支えてきたわけだろう。昭和20年にできたことが、今は、危機感もなければ、読みもない。疎開させなくいても大丈夫というのは、ただの希望的観測にしかすぎない。戦後66年の間に日本人は退行したと思う。とくに、子どもに対しての危機感という意味ではまったく退行した。

今回、福島のお母さんたちが自分で子どもを逃がしたとか、親戚に預けたとか、あるいは家族で引っ越したとか、そいういう話はよく聞くけど、それで済む問題なのか。まず、逃げられた子と逃げられなかった子の将来の身体的影響が違ってくる。あるいは、逃げた子と逃げられなかった子が、将来福島に戻ってきて仲よくやっていけるか。その家同士もね。これは、物理的な崩壊ではなくて、地域の心の崩壊。もうこれは致命的。逃げた家が戻ってきたって、それは仲よくやっていけないわ。たぶん、今すでにそうなっている。あそこは残ったけど、あそこは逃げたとね。これは外部の人が気がつかない。もう大変な破壊状態だと思うよ。だから、そういうことを全部防ぐためにも、ともかく均一に全員疎開させるべきだった。

ーーーそれは法律をつくって、多少強制的なやり方であっても。

浅田 

もちろん。昭和20年のときは、縁故のある人はなるべく縁故を頼って疎開してください、縁故のない人は、みんないっぺんに集団疎開しましょうというのが、基本だった。今回もそれでいいじゃない。

自分が子どものときの気持ちを忘れちゃダメだと思うんだよ。子どものとき、友だちと別れるのがどんなにつらいことか。場合によっては親と別れるよりもつらいことでしょう。親元を離れても1クラス1学年で同じ場所に疎開したほうが、子どもはずっと楽しいと思うんですよ。


ーーー現に、今、福島に残っている子どもは、友だちと離れるのが嫌だから、自分も残るという子が多いですよね。

浅田 

それは当たり前のこと。そういう人の情というものを、もうちょっと考えないと。僕は、絶対に学童疎開させるべきだったと思う。今からでも遅くないですよ。

子どもがかわいいとか、子どもには罪はないとか、そういう情動的なことではなくて子どもは日本の未来だと。そうじゃなければ、50万人は動かせない。情動では動かない。昭和20年の政治家や軍人はそう考えたと思うよ。だから、今のわれわれは退化しているんだよ。子どもは未来だと考えない.....
僕たちの未来を傷つけてはいけない。それは見えている未来なんだから、僕らは、未来は不可知のものだというふうに思ってる、それは未来は不可知だけれども、そこに未来がいるんだから。

ーーー子どもという未来がね。

浅田 

子どもってそうだよ。少子化で子どもが少なくなったというのも「未来が力を失った」ということなんだよね。





「ちいむら」では2月11日に「復興支援デイ」を設けようと思っております


子どもたちと一緒にあらかじめケーキやお菓子を焼き


地元の方々の善意の品を集め


値段つけ、展示もし、募金箱も設置し


チラシも作成し、売上は全部被災地に送るというイベントです


子どもたちに「被災地で苦しんでおられる方々のことを考える日 & 行動を起こす日」をしたいと思っております


もし、みなさまの手元に「これをその復興支援デイに使っても」という品がありましたら


是非ご協力お願いいたします


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