豊前善三のつれづれ日記

　　(　Vol 2754 )　３.１１に関連して　テレビで放映された映画「Fukushima 50」は　なぜ　原子力発電所を設置しなければならなかったのか　ということを　考えさせられ　電力のあり方について　国民に疑問を投げ掛けたものに映った

そもそも　なぜ　原子力発電所は　設置されていったのか

歴史を調べると　意外な一面を見ることになる

学術会議関係者と　政治家　経済界　との見解の違いが浮き上がってくる

学術会議関係者は導入に慎重
政治家　経済界は　強硬な設置推進

ここで大きな違いが出てきたのは　なぜか　という疑問が起きる

そこには　
電力発電に関わる燃料費価格重視する　経済界
安全性に対する追求する　学術会議関係者

という視点の違いがあることがわかる

そこで　なぜ　原子力発電所設置が推進されたか

それは　政治の力が関わっている

自治体は　地場産業の代役として　安全を軽視して　原発誘致に走った

特に　１９６０年代から　設置が推進されていく

1976年に　原子力安全委員会が設置されたが　強力な権限を持たない組織であった
ある意味　形だけの組織ができた

それ以降　政治手動になり　安全面は軽視された

電気事業連合会の　なぜ　原発が必要か　というパンフレットを見ると

原発の燃費は　１０.１円/キロ　と燃料費の安価な面を強調していた

事故対策費用は　０.３円/キロ　と非常に小さくしていた

追加安全対策費は　０.６円/キロ　

これは２０１５年の資料を参考

これをみて　驚くのは　事故についての認識が低くされていることである

また　安全対策費用についても　根拠に乏しい

福島原発事故から　何を学んだのか

除染にかかる費用は　
当初試算案では11兆円 修正試算案では22兆円 民間研究機関試算では50〜70兆円

原発産業廃棄物処分費用は　約３兆円

廃炉費用は　　　　　　８兆円

賠償費用は　　　　　　８兆円

除染・中間貯蔵費用は　６兆円

これはあくまでも　試算であり　まだ　結論ではなく　増加傾向にある

このような　状況下においても　電力会社　政府　国家行政は　国民をごまかしている

もう一度　１０年経った　福島原発事故とは　何を　提起したのか　思い返してほしい

責任回避を　考えるのではなく　
責任をとる　ということを考えてほしい

これは　政治家　政権　国家公務員　自治体　電力会社　国民　すべてが　お金に誘惑されることなく　人が安全に暮らす　ということを　重視した考え方になるということである