おみつ便り

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詩人 八木重吉

2022-04-16 06:08:16 | 日々の思い

詩人[八木重吉]の勉強会に参加しました。

以前からこの詩人を知ってはいましたが、短い言葉で綴られた詩を味わうところまでには至りませんでした。

今回勉強会があるというので図書館で本を借りじっくり読みました。


先ずは詩人の生涯を知ることから始めました。当時不治の病と言われた結核に冒され幼い二人の子供を残して29歳で世を去った夭折の詩人です。

子供のような純粋な心を持ちクリスチャンとして聖なる精神が全編にただよっています。

殆ど平仮名だけで無駄のない短い言葉で綴られています。
大人になるに連れて人は多くを語りがちになりますがあくまで最低の言葉数を選んでいます。

数ある詩の中で特に心に響き余韻がのこる作品です。

素朴な琴

この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかね
琴はしづかに鳴りいだすだろう

彫られた 空

彫られた 空の しずけさ
無辺際の ちからづよい その木地に
ひたり! と あてられたる
さやかにも 一刀の跡

不思議

こころがうつくしくなると
そこいらが
あかるくかるげになってくる
どんな不思議がうまれても
おどろかないとおもへてくる
はやく
不思議がうまれればいいなあとおもへてくる

ふきでてきた
と いひたいな
あおいものが
あっちにも
こっちにもではじめた
なにか かう
まごまごしていてはならぬ
と いうふうな かんがへになる