感想

バラとおわら風の盆と釣りなどの雑記

八尾を世界遺産に

2006年09月17日 | おわら風の盆

 私が初めて風の盆を見に行ったのはまだ、6年程前ですが、その頃の八尾町は、商店の看板も古くどこか懐かしく、自分自身が昭和30年代にタイムスリップしたような不思議な感覚に襲われました。その頃はもう諏訪町は石畳が整備され、日本の道100選にも指定されており、諏訪町は今と同じく人気スポットでしたが、よくありがちな、過去を美しく再現するという一部の人間の思い込みによる行政の人気取り政策=ある種の破壊行為のような印象で、個人的には、以前とそれほど変わっていないであろう上新町通りの方が好きでした。その後八尾に通い出すようになるのですが、驚くべき事に毎年毎年めまぐるしい勢いで町並みが整備されて行きます。伝統的な八尾建築の町屋も個人のお宅のレベルで、新築され、道路も石畳へと変わって行きます。今ではあの30年代へのタイムスリップしたような感覚はほとんど味わうことができなくなりました。けれどもそれが、悪い方向へ向かっているのではなく、どんどんと伝統的な日本の文化の発信地としての役割を果たすに十分な勢いがあることに気が付きはじめました。ここまで来れば後戻りせず、徹底的に現在の町づくりの手法を地方行政レベルのみならず、国のバックアップを受けて行うべきで、またその価値があるものと考えます。おわら文化とそれを培った八尾の町並みは、今後、世界遺産に登録されても決しておかしくない空間だと思います。以前ホテル造りの仕事をしていたことがありますが、先輩から教わったのは、ホテルとは非日常空間の創出だということ。非日常空間のある意味最たる行事に風の盆があり、八尾の町並みがあるように思います。

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