全国交通ニュースブログ

岩手県のタクシーの営業区域の状況について

2023/4/19付「青森県のタクシーの営業区域の状況について」に続いて、岩手県のタクシーの営業区域についての考察です。営業区域一覧の完全版はこの資料の中にあります

<岩手県>

岩手県では、県庁所在地の盛岡市のほか、宮古市・花巻市・久慈市・遠野市・一関市・釜石市・二戸市・大船渡市の計8都市を中心とした区域で交通圏が設定されており、他は基本的に平成の大合併の前の市郡単位の営業区域です。

盛岡交通圏は、盛岡市域の大部分と北隣の滝沢市・南隣の紫波郡矢巾町からなります。但し、2006年に盛岡市と合併した旧岩手郡玉山村は、タクシーの営業区域としては「岩手郡」のままです。もともとの盛岡市に本拠を置くタクシーは、盛岡市の旧玉山村域にある石川啄木記念館と最寄り駅(IGRいわて銀河鉄道の渋民駅および好摩駅=いずれも旧玉山村)の間の客を乗せることはできません。

宮古交通圏は、現時点の宮古市域とは一致しません。平成の大合併前は「宮古市と南隣の下閉伊郡山田町」でしたが、平成の大合併で宮古市に含まれることになった北隣の田老町・西隣の新里村・さらに山寄りの川井村は、現在も下閉伊郡に属する岩泉町・田野畑村と同じくいずれも「下閉伊郡」の営業区域のままです。

花巻交通圏は、現時点の花巻市域と完全に一致しています。平成の大合併前は「花巻市と、隣接する稗貫郡石鳥谷町・大迫町・和賀郡東和町」でしたが、3つの町はいずれも2006年にもともとの花巻市と合併して新たな花巻市となりました。

遠野交通圏も、現時点の遠野市域と完全に一致しています。平成の大合併前は「遠野市と西隣の上閉伊郡宮守村」でしたが、2005年に両自治体は合併して新たな遠野市となりました。

一関交通圏・水沢市・江刺市・胆沢郡・東磐井郡については、2023/4/17付ブログ記事で触れたとおりです。

釜石交通圏は、釜石市と北隣の上閉伊郡大槌町からなります。両自治体とも平成の大合併には関与していません。

二戸交通圏は、もともとは「二戸市・二戸郡全域・九戸郡のうち内陸部の軽米町と九戸村」でした。しかし、2002年に二戸郡安代町<東北自動車道沿い>の所属する郡が岩手郡に変わり、さらに3年後の2005年には同じ岩手郡北部の西根町・松尾村と合併して八幡平市となりました。ただタクシーの営業区域についてはこれらの変遷とは無縁のまま現在に至っています。

久慈交通圏は、久慈市および南北の三陸海岸沿いに連なる(南から順に)下閉伊郡普代村・九戸郡野田村・九戸郡洋野町からなっています。所属する郡が同じ九戸郡でも内陸部と沿岸部のつながりは薄く、それに配慮して別々の交通圏に属させたものと思われます。

大船渡交通圏は、大船渡市と隣接する気仙郡住田町からなります。昭和の大合併後の気仙郡の構成自治体は住田町と三陸町(1967年まで三陸村)でしたが、三陸町は2001年に大船渡市と合併しています。

北上市陸前高田市・和賀郡<現在所属するのは西和賀町のみ>・紫波郡<現在所属するのは紫波町のみ>は、自治体の単位とタクシーの営業区域が一致しています。但し、西和賀町は平成の大合併で誕生した自治体(湯田町と沢内村が合併)です。

一方、岩手郡は、2001年の時点では「岩手郡のうち、盛岡交通圏に含まれる滝沢村以外の全域」でしたが、その後の郡所属変更(上記参照)や合併により、「盛岡市(ただし、平成18年1月10日に編入された旧岩手郡玉山村の区域に限る)、八幡平市(ただし、平成17年9月1日に合併された旧岩手郡安代町の区域を除く)、雫石町、葛巻町、岩手町)」とややこしくなっています。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「タクシー」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事