中部縦貫自動車道大野油坂道路は福井県大野市の中心部と市域の岐阜県境近くを結ぶ高規格幹線道路ですが、このうち大野IC~勝原IC間10.0kmが2023/3/19に開通します。
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/ippan/zigyohyoka/v3ss3a0000005rbz.html
大野ICより東側は既に高規格幹線道路「永平寺大野道路」が開通済みで北陸道福井北JCT/ICと結ばれています。そして、大野油坂道路の残る区間は山岳地帯ですが、勝原IC~九頭竜IC間が2023年秋に、九頭竜IC~油坂出入口間が2026年春に開通予定です。その油坂出入口と東海北陸道白鳥ICの間は1999年に開通した国道158号油坂峠道路(当初有料道路でしたが2005年に早くも無料開放)で結ばれており、2026年春には福井県と東海地方を結ぶ新たな高規格道路のネットワークができ、たとえ北陸道が福井県内で通行止めになってもこちらを迂回することにより回避可能になります。
さて、2023年1月26日に開催された近畿地方整備局の令和4年度第5回事業評価監視委員会では、大野油坂道路と永平寺大野道路がともに評価の対象になりました。
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/ippan/zigyohyoka/v3ss3a0000005rbz.html
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/ippan/zigyohyoka/v3ss3a0000005rbz-att/no.5.pdf (大野油坂道路の再評価)
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/ippan/zigyohyoka/v3ss3a0000005rbz-att/no.7.pdf (永平寺大野道路の事後評価)
大野油坂道路の2022年3月末時点の進捗率は以下の通りです。
(1)【大野・大野東区間】用地進捗率約100%(面積ベース)、事業進捗率約70%(事業費ベース)
(2)【大野東・和泉区間】用地進捗率100%(面積ベース)、事業進捗率約88%(事業費ベース)
(3)【和泉・油坂区間】 用地進捗率100%(面積ベース)、事業進捗率約47%(事業費ベース)
(1)は大野IC~荒島IC(今回開通する区間の中間にできるインターチェンジ)に相当し、事業進捗率の残り3割が1年足らずで成し遂げられることになります・・・平野部だけに進捗が速い?
そして、地元にとってより待ち遠しいのは、2023年秋開通予定の勝原IC~九頭竜IC間です。(2)(3)の「和泉」は九頭竜ICに相当します(平成の大合併で大野市の一部になった旧和泉村の中心部)。
この区間の国道158号は九頭竜川沿いに延々と蛇行しており線形が不良なうえに、連続140mmの降雨で通行止めになってしまい、旧和泉村域と大野市中心部や福井市の間が行き来できなくなります。1972年に開通したJR越美北線は並行区間を真っすぐな長大トンネルで貫いていますが、列車の本数は僅かです。
一方、永平寺大野道路の事後評価では、「一部区間先行供用による整備効果(渋滞解消等)の早期発現」が高く評価されています。
・松岡IC~永平寺参道IC(1.8km) : H5.6開通
・永平寺参道IC ~永平寺IC (1.4km) : H19.3開通
・上志比IC~勝山IC(7.9km) : H21.3開通
・勝山IC~大野IC(7.8km) : H25.3開通
・福井北JCT/IC~松岡IC(2.2km) : H27.3開通
・永平寺IC~上志比IC(5.3km) : H29.7開通(1箇所の主要渋滞箇所解消)