国土交通省直轄工事の「森山拡幅」ですが、長崎河川国道事務所公式サイト内の森山拡幅のページは2019年1月30日が最新更新となっており、それ以降の進捗を知ることはできません。
もちろん実際には工事は着実に進んでおり、2022年5月20日付で、東側3.3km区間(森山西IC~森山東IC間)が2023年度中に開通予定であることが公表されました。
http://www.qsr.mlit.go.jp/nagasaki/newstopics_files/20220520/20220520moriyamakakufuku.pdf
有明海に近いこの区間は相当な軟弱地盤であり、拡幅工事により並行して走る島原鉄道線に影響が及ばないよう、まず十分な地盤改良を行う必要がありました。
https://www.pwrc.or.jp/thesis_shouroku/thesis_pdf/1507-P038-041rep_sonokawa.pdf
進捗状況については、GoogleMapの航空写真やストリートビュー(現在および過去)でかなりの部分を知ることができます。
尾崎IC予定地(尾崎交差点)は島原鉄道干拓の里駅のすぐ近く、森山西ICは森山駅のすぐ近くです。
「自動車専用部2車線+現道2車線」の合わせ技での4車線になるのは同じですが、工事の工程や最終形は森山西IC以西と以東で様相がかなり異なります。
尾崎IC~森山西IC間については、もともと2車線の国道57号が島原鉄道線沿いに通っていたのを、内陸側に新たに建設した2車線の道路に切り替え、こちらと旧道の中間部に2車線の自動車専用道路を建設しています。2022年8~10月時点のストリートビューでは、自動車専用道路用の橋脚がいくつか建っているだけで、旧道は閉鎖状態のままで次のステップには進んでいないようです。
これに対し、森山西IC~森山東IC間は島原鉄道線沿いに新たに買収した用地に2車線の自動車専用道路を建設しており(高架構造と盛土構造が混在)、土木工事は既に終わっているようです。一方、もともとの2車線の国道57号は大半の区間で島原鉄道線とは若干離れた場所を通っており、一部近接区間で付け替えを行っているものの、この分だと開通の暁には「自動車専用道路と現道の間に住宅や店舗が立地する」状態になりそうです。
そして、森山東ICでは、自動車専用部についてはそのまま開通済みの国道251号愛野森山バイパスのほうにつながる構造に見受けられます。千々石・小浜方面に行く場合はここで下りて国道57号現道のほうに行かねばならず、間違いを防ぐような案内標識が必須ですね。
(つづく)