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北恵那交通は2025/3/8に値上げ、中津川~馬籠間などのアップ率が突出

岐阜県中津川市内で路線バスを運行する北恵那交通は、2025/3/8に路線バスの運賃を値上げします。

初乗り運賃は180円から200円となり、平均改定率は14.90%となっています。

ただ、注目されるには一部路線のアップ率が突出していることです。リリース文で例示されているのは以下の2区間で、

 1.中津川駅前~馬籠間=570円→800円 (40.4%アップ)

 2.中津川駅前~坂下駅前間=420円→820円 (95.2%アップ)

1.は「インバウンド客が主に利用するための大幅アップ」、2.は「JR中央西線と並行する区間で運賃を低廉に抑制していたのを取り止めるための大幅アップ」かとも思いましたが、それだけでもないようです。このブログ記事を書いている時点では時刻表・運賃のページで新旧の運賃表が公開されており、さらに同社の運賃表はバス停間のキロ程が明記されているので、その理由を考察してみました。

1.馬籠線(中津川駅前~馬籠間) 

中津川駅前~馬籠間のキロ程は13.0キロとなっており、2025/3/7までの運賃は中切経由の場合1つ手前<といっても1.1キロ離れていますが>の小森バス停までの運賃と同額の570円です。これが、2025/3/8からは60円差がつきます。

もっとも、実際には大半の便は道路工事のためにもっと手前の木曽路口から馬籠までノンストップとなっています。中津川駅前~木曽路口間<5.9キロ>の運賃は350円から420円への値上げ(20%アップ)とごく普通ですが、さらに1つ手前の落合まで<5.4キロ>の運賃は260円から390円への値上げ<50%アップ>なので、隣同士で大きくアップ率が異なるわけです。木曽路口~馬籠の運賃は340円から490円への値上げ<44.1%アップ>であり、バラバラですね・・・

2.坂下線(中津川駅前~落合~坂下駅前間)

中津川駅前~落合間は馬籠線と同じ経路で、当然運賃も同一(現行260円、2025/3/8以降390円)です。

そして、中津川駅前から坂下線単独区間までの運賃は明らかに低廉に抑えられており、落合までの倍以上の距離<11.2キロ>の中津川駅前~山口総合事務所下間の現行運賃は360円にしかなりませんが、2025/3/8以降は一気に700円にまで値上げとなり、アップ率は94.4%にもなります。こちらに関しては明らかに最初に推察した通りの「安すぎる運賃の是正」のようですが、山口総合事務所付近のJR線は木曽川の対岸を経由しており利用できる駅はありません。このあたりは、平成の大合併で全国唯一の越県合併となった旧木曽郡山口村の中心地です・・・馬籠も旧山口村でした

なお、馬籠線と坂下線はいずれも2008年に濃飛バスから引き継いだ路線です。かつて濃飛バスは中津川市内に営業所があり複数の路線を運行していましたが、同じ名鉄グループの北恵那交通と競合することから全路線を同社に移管し撤退しました。したがって「もと濃飛バス路線の賃率が北恵那交通より割安になっていたのを是正する」ようにも思えましたが、同じく濃飛バスから移管された藤沢線(坂下駅前~馬籠間)や坂下加子母線(坂下駅前~田瀬橋~加子母総合事務所間)の現行運賃水準や値上げ率はもとからの北恵那交通路線と変わりません。

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