2023/7/3付ブログ記事「姫路港旅客船ターミナルエリアのリニューアル計画について」の続報です。
姫路港旅客ターミナルエリアの再整備の進捗や今後の動きに関する情報ですが、上記ブログ記事以降の最新情報はネット上には見当たりません。現地のストリートビューも2022/6以降更新されていません。
しかし、兵庫県議会令和 6年 2月第366回定例会において、2名の議員がこの件について質問しており、それに対して兵庫県土木部長が答弁しているので、兵庫県議会会議録検索システムでの検索結果からエッセンスを紹介します(クルーズ客船がらみは省略)。
<2024/2/22の質問>
県では現在、新ターミナルの整備内容について、姫路市、関係企業、地元自治会など関係者と調整しているとお聞きしております。新ターミナルには、乗降客の待合スペースや売店、みなとミュージアム、フェリー・定期船の事務所、会議室、トイレなどの機能が配置できる建物規模が必要であります。特にみなとミュージアムにおいて将来的に展示物を充実させるためのスペースを確保すべきですし、また、ポートセンタービルの解体後には、ターミナル周辺に貸会議室が1室だけになってしまいますので、ターミナル機能として会議室も必要と考えます。繁忙期の利用者に見合うトイレスペースの確保も重要であります。
<2024/2/22の質問に対する答弁>
姫路港旅客ターミナルエリアにつきましては、混在しております旅客機能と、それから貨物機能を配置し直しまして、魅力ある旅客ターミナルとして再整備することとしてございます。旅客ターミナルを建て替えまして、ポートセンタービルの中にあります旅客・観光機能を新ターミナルに移して、定期戦(ママ)の桟橋等も移設してまいります。
現在ポートセンタービルに入っております旅客船事業者との移転交渉、それから既存のターミナルの取壊し工事を行っているところでございます。
新ターミナルにつきましては基本設計中でございまして、施設の規模、レイアウトについて検討を行ってございます。基本設計を固めた上で実施設計に取りかかるという予定にしてございます。
<2024/2/28の質問>
姫路港旅客ターミナルエリアのリニューアルについては、当初は、令和6年度に完成予定でございました。ですが完成が遅れてございます。事業が遅れている主な原因は、新ターミナルの規模や移転の条件に係る交渉等に時間を要しているためとお聞きしております。
<2024/2/28の質問に対する答弁>
新ターミナルにつきましては基本設計中でございます。整備に当たりましては、国内外の交流の拠点に加えまして、ふだんから子供や若者、大人たちが集える地域の交流の場としていくことが大切でございます。今後、基本設計の内容を固めつつ、引き続き整備に向けた検討を進めてまいります。
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つまり、2024年度初め時点では、旅客ターミナルエリアの再整備工事のうち実際に動いているのは、本来の用途としては使われていなかった旅客船ターミナル(「姫路港の旅客船発着エリアの状況(2023/7時点)後編」参照)の解体工事のみであり、その前にできるはずの高速船・フェリー桟橋の設置工事も手付かずの可能性があります(土木部長が答弁で言及しなかっただけかもしれませんが)。老朽化したポートセンタービルの解体工事の着手まで時間を要するというのはある程度予測はついていましたが、未だ新ターミナルについて詳細設計着手のメドがたっていないというのには恐れ入りました。
ポートセンタービルの館内案内図はこちら (2階にみなとミュージアムがあります)
「現在ポートセンタービルに入っております旅客船事業者<ラインナップはブログ記事前編参照>との移転交渉」についてですが、各社とも最終的には当然新ターミナルのテナントになるはずなので、条件面での交渉が主体なのでしょう。小豆島フェリーを除くと小規模な事業者なため、設備が立派になるからといって賃料を大きく上げるのは困難と思われます。そして、各社にどのようにスペースを割り当てるかも新ターミナルの基本設計の中に含まれているはずなので、時間がかかるのも実は無理もないかも。
ということで、4月中に現地を見てきますので、お楽しみに・・・