全国交通ニュースブログ

みやぎ県北高速幹線道路と東北道との接続は2029年度完成目標だそうです

2024/4/18付ブログ記事「みやぎ県北高速幹線道路と東北道との接続はいつになることやら」の続きです。

宮城県公式サイト内をさらに探すと、「主要地方道築館登米線 (仮称)栗原 IC 整備事業」の令和5年度事業再評価調書(2023/11/12作成)を発見しました。当ブログでも再三紹介していますが、国・都道府県・政令市を問わず、目的が目的だけに正直ベースで書かざるを得ない再評価調書が、各事業の進捗を知るもっとも信用度の高い資料だったりします。

https://www.pref.miyagi.jp/documents/46390/tyousyo_kurihara.pdf

エッセンスをピックアップして紹介します。

<総事業費>

2018年度の事業着手時には51億円との見積もりだったのが、2023年度の再評価時には倍近い98億円に膨れ上がっています。その最大の要因は、道路改良工の分の費用が41.4億円から倍増以上の86.5億円にまで増えたためで、その主な理由として「物価変動、消費税率改定、現場条件の変更、関係機関協議などに伴う増」を挙げています。

<事業期間>

2018年度の事業着手時には「2021年度に本体工事に着手し、2025年度完成予定」だったのが、2023年度の再評価時には「2023年度に本体工事に着手し、2029年度完成予定」にずれ込んでいます・・・理由は後述

<進捗率>

2022年度末時点では用地買収は終了しているものの、事業の進捗率は20.5%となっています。前のブログ記事で紹介した宮城県の別の資料では2022年末時点で39.3%となっており、一気に半分近くに低下してしまっていますが、これは進捗率の分母が「総事業費」だからで、総事業費が倍になれば当然進捗率は半分になってしまいます・・・

<事業の進捗状況(順調でない場合にはその要因)>

以下の3つがポイントとなっています。

1.用地補償手続き(多数相続整理)に時間を要し、用地買収及び家屋移転の時期が遅延

2.用地補償手続きが遅れた用地内での埋蔵文化財の確認調査(試掘)により、新たな遺跡が確認されたため、詳細な発掘調査が必要となり、工事着手が遅延

3.詳細設計及び関係機関協議等を踏まえた施工計画の変更に伴う工事工程見直しを実施

土地の所有者が亡くなって相続が発生しても登記簿に反映されず、結果として「所有者不明」になる土地が多く存在することが近年社会問題になり、2024/4からようやく相続登記が義務化されましたが、ここでもまさにその問題に直面しており、さらに新たな遺跡発見も手伝って工事が4年遅れになってしまいました。前のブログ記事で紹介した発掘調査は、まさに「用地補償手続きが遅れた用地内」でのことだったのですね。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「幹線道路(東北)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事