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行きつけのシネコン「イオンシネマ ワンダー店」では、普通のロードショー
作品に混じって、数年前の名画を2本くらいずつ上映しています。
昨日はそのうちの1本を観てきました。タイトルは『グッバイ、レーニン!』。
公開されたのは2003年で、ヨーロッパで数々の賞を受賞した名作だそう
ですが、私は一切知りませんでした。
タイトルだけ見ると、難しい思想がかった映画かと思いますが、これが大違い。
母親への息子の愛がテーマの映画でした。
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ベルリンの壁が崩壊する直前の旧東ドイツ。主人公アレックスのお母さんは
筋金入りの共産主義者。このお母さんが心臓発作で数ヶ月間意識不明になった
後、奇跡的に回復。
しかしその間にベルリンの壁は崩壊し、お母さんの信じていた体制も崩壊して
しまいました。
医者からは、
「今度また精神的なショックを受けたら、お母さんは間違いなく死にます」
と伝えられたアレックスは、お母さんが東が西に吸収されたことを知ったら、
母の命がないと考え、ありとあらゆる手段を使って、東ドイツが存続している
と、母に真実を伝えない努力を続ける。
しかしその母は、実は行方不明になった父の真実を伝えていなかったことを
息子に告げる。
そして息子の恋人から、東ドイツ崩壊の事実をこっそり教えられていたにも
関わらず、母は息子の優しい思いやりを大切に、祖国東ドイツが健在である
ことを信じている振りをしながら、天国へ去っていった。
母親のために必死にウソを作り上げるアレックスでしたが、ふと気付くと、
自分が求める理想の世界観がそこにあることを知りました。
その理想の世界観、そして息子の優しさに、「ヴンダバー」(ドイツ語で
すばらしい)とつぶやいたお母さん。
ドイツ映画なので台詞はすべてドイツ語。久々にドイツ語に触れて、ほんの
少しだけ聞き取れる言葉もあって、ドイツ語の勉強にもなりました。
ほのぼの、しみじみ。 あったかい気持ちになれた、とてもいい映画でした。
さすがリバイバル上映するだけのことはありました。
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