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新聞記事で知って、名古屋市民ギャラリー矢田で開かれていた『シベリア抑留
関係展示会』に行ってきました。
小説『人間の条件』や、日経新聞に最近まで『私の履歴書』を書いていた茶道家
の小堀さん、他多くの小説や、映画、ミュージカルで、シベリアに強制拉致、
抑留された方々の様子を見聞きしていたので、関心があったからです。
60万人余りの日本人が、日本の敗戦によって、武装解除したので、故国に
戻れると思ったのも束の間、シベリア各地に強制連行され、極寒の地でまともな
食事も住居も与えられず、重労働を強いられ、そして6万人以上の方が二度と
日本の地を踏むことが出来なかった。戦争が終っていたにもかかわらずです。
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これは配給された粗末な食事をみんなに配分する様子です。配分に公平を期す
ために、手製のはかりで、全員の前で分配したそうです。みんな生きるか、
死ぬかのギリギリの状態で、食料の配分は殺気立っていたそうです。
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夜も寒さを凌ぐために、お互い体を寄せ合って寝るんですが、翌朝になると
仲間が冷たくなっている。亡くなった仲間を埋葬しようにも、氷点下30度を
下回る極寒の地では、地面につるはしも立たないそうです。
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そんな中、わずかの娯楽を求めて、手先の器用な方は、マージャンの牌や将棋の駒を作って気を紛らわせたりもしたそうです。
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戦争や、思想統制、マインドコントロール。こういうのって、本当に人間を
狂わせてしまうんですね。
会場に来ていた抑留経験のあるおじいさんが、
「でも、わたしら、こうやって帰還できただけで、本当に幸せなんです」
すごく重い言葉でした。
たとえ、飲み屋のお姉さんにカモにされようと。