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大学を出て、5年間働いた商社 トーメンで私のパートナーだったイギリス人
エンジニアのキース(Keith)。
日本全国のほとんどすべての飼料工場を一緒に訪問しては、彼の会社の機械の
紹介をしました。
私のインド料理歴は、一緒にイギリスに出張した時に、
「今夜はインド料理を食べに行こう!」
と彼の大好物に誘われたのがきっかけなんです。
奥さんのサリー(Sally)と一緒に日本に駐在していて、週に何度も仕事が
終わると、オフィスのあった赤坂の安い居酒屋やピザハウスにみんなで
飲みに出かけました。
トーメン退職後も、イギリスに出張時には彼の自宅に泊めてもらったり、
休暇で日本に遊びに来た時に会ったりと、付き合いは続いています。
そんなサリーから突然メールが届きました。
ネパールへトレッキングに行っていたキースが震源地付近で先日の大地震に
遭遇したが、何とか無事帰国できたと、写真付きで知らせてくれました。
早速、お見舞いにイギリスへ駆け付け・・・たいのはやまやまですが、
そうもいきません。
冒頭の写真は、6年前にキースとサリーが日本に遊びに来た時の写真です 笑
昔から山歩きが好きだったキースとサリー。
キースは今回で5回目のネパールでのトレッキングを終え、カトマンズに
戻る途中、ガイドの住む小さな村を訪問していた時に地震が発生したそう
です。
キースは地震で地面に投げ出され、その瞬間、山岳地の斜面にある村だった
ので、地滑りで生き埋めにされると思ったそうです。
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村の家はすべて崩壊し、家畜も納屋の下敷きになりましたが、亡くなった
村民は幸い一人もいなかったそうで、生き埋めになった水牛やヤギなどを
掘り出しました。
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家畜は彼らにとってとても貴重な財産なのです。
その後数日、キースは野宿しつつ、その村に留まって、水牛の納屋を建て直し、
水道の配管を修理したそうです。
たまたま隣村に小型の太陽光発電機を持っている人がいたので、キースの
情報機器を充電、接続して、村民が家族と安否の連絡を取り合うことができ
ました。
道路は完全に崩壊していたので、この先何週間もカトマンズに戻ることは
できないと思っていましたが、尾根を超えた反対側へ出ると、幸運にもバスが
通っていて、10時間掛けてやっとカトマンズに出ることができ、そこから
無事イギリスに帰国したそうです。
キースとサリーによれば、
ネパール人も自分たちイギリス人も、地震に慣れていない。
でも東京で何年か過ごし、地震についても日本人から
学んでいたので、その経験のおかげで、キースだけでなく、
ネパールの何人かの命も救うことができた。
そうです。
しかしもし大地震が起こったら、キースやサリーの言う様に、テキパキと
対応できるだろうか?
60年も地震国で生きてきているくせに、何とも心もとないことです。
イギリス人に見習わないといけませんね。
でもキースが無事で何よりでした。
そうでしたね。
だからお互いご縁があったのですよ 笑