一件落着

 

直接何の関係も無いのに、行きがかり上、カメ騒動に巻き込まれてしまった私たち。

 

求む養い親 - 磯輪日記

大作のポスターまで制作しましたが、１週間経っても、カメの探し人も、里親希望者も

現れませんでした。

 

そんな折、夜の散歩途中、時々、通り掛かる　気味の悪いペットショップの前を通った時、

ツノ坊が、

 

　「『カメ・爬虫類専門』って書いてある！」

 

 

ハープタイル・ラバーズ　という名前のお店です。

 

お店に入るのも、気味が悪いので、翌日、ツノ坊が電話したところ、

 

　「引き取れないカメもあります。

　　いちばんいいのは、お店まで持参して頂くことです。

　　引き取れないカメの場合でも、対応方法をお知らせします」

 

ということだったので、昨夜、持参しました。

 

我々が扱うと、すごい勢いで暴れるのに、店長が手にすると、急におとなしくなりました。

むしろ気持ちよさそうに体をねじってるようにも見えます。

 

ひと目見るなり、

 

　「これは二ホンイシガメです。

　　誰かが飼っていたものでなく、野生のカメだと思います。

　　推定年齢１０歳くらい。

　　私が見れば、それくらいはすぐ分かります」

 

自信満々の店長。

でも　道理で、買って来たカメ用ペットフードには目もくれないし、結構狂暴なんだ。

 

　「そうでしょう。

　　なかなかきれいな甲羅ですし、野生だと普通、手足や尻尾が欠損している

　　ことが多いけど、そういう傷もまったくありません・・・

 

　　野生だから、そのままどこかへ離してもまったく問題ありません。

　　でも生き物だから、そんなことするとちょっと罪悪感ありますよね。

 

　　警察に届けることもできますよ。遺失物扱いになります。

　　ナイショですが、警察からも『どうしたらいい？』と問い合わせが

　　あるから、知ってるんです」

 

と滔々とカメのうんちくを語るんです。

 

我々としては、引き取ってくれるのか、どうか、それが早く聞きたい。

それさえ聞けば十分なんですが・・・

 

　「結論から申し上げますと、引き取ることは可能です」

 

おお、ヤッタ！　＼(^_^)／

 

　「ただお客さんが拾われたものだから、お客様の同意が必要です」

 

そんなこと同意するに決まってる。

だって私たちは引き取って欲しいからここへわざわざ持って来たんだから！

 

　「引き取らせて頂く以上、きちんとしたお店だって言うことを

　　分かって頂きたいので、中へどうぞ」

 

って、爬虫類の店になんか、入りたくありません。時間が無いようなふりして、

丁重に辞退すると、

 

　「それじゃあ、せめて名刺でも」

 

と店内に戻っていった店長。　とても丁寧な方です　(;^_^A

 

 

こうしてカメさんは無事里親が見つかって、わが家から引き取られていきました。

それまでは　

 

　「早く、引き取り先を見つけないと」

 

と気張っていたツノ坊が、突然、

 

　「カメさん、幸せになれるかな～　　大丈夫かな～」

 

　「オレたちが扱っていた時は狂暴そうだったけど、今日の様子見ると

　　とっても穏やかだったから、ウチにいるより幸せに決まってるよ。

　　そんなにかわいいなら、自分で飼ったら」

 

　「いや、いや、それは無理だけど、しばらくお世話したから、情が移った」

 

う～ん、女心とは難しいものですね・・・

 

でも、カメさんに精一杯親切にしたから、きっと、いつか、ツノ坊を竜宮城に連れて

いってくれると思うよ。　その時は、ぜひ私も一緒にね。

 

 

 

お盆の最終日、ご先祖様も帰って行ったけど、カメもわが家を旅立ちました。

 

 

ということで、わが家のカメ騒動、これにて一件落着～！　

ﾔﾚﾔﾚ